なんで俺はこんな格好しているんだ…。
「いいよ、比企谷君のアイドル風衣装」
「海老名さん、なんなのこれ?」
「ソシャゲのキャラだよ」
「やぁ、比企谷」
「葉山…。お前もか」
「作品の垣根の越えて、キマシタワー!」
「姫菜!擬態しろし!」
「三浦も出るのか?って、銀髪に眼帯って…」
「姫菜が着ろって…」
「本当はドリル的な作品の方が良かったけど…」
「あんなの着れないし!」
「海老名さんは、セーラー服なんだな」
「もってけセーラー服的な感じだね」
「ヒッキー!」
「由比ヶ浜も制服っぽいけど、金髪ポニテ…」
「どうかな?」
「いいんじゃねぇの」
「そう?えへへ」
「八幡!」
「おう、戸塚…。戸塚も制服っぽいな。しかも、デカイリボンだな」
「あとね、由比ヶ浜さんのことを『お嬢』って呼ぶようにって」
「なるほどな」
(すると、戸塚は女なのか?)
「何か気持ち悪いことを考えてないかしら?」
「うおっ!雪ノ下か、脅かすなよ」
「どうかしら、この衣装?」
「なんか、魔法を使いそうな衣装だな(氷系)」
「材木座君も、そんなことを言っていたわ」
「試しに『お兄様』と言ってみてくれ」
「お兄様」
「ぐはっ!」
「ど、どうしたの!比企谷君!」
「だ、大丈夫だ」
「グリーンのワンピースもあったのだけど、すごい姉が居る設定と聞いて、やめたわ」
「リアルにすごい姉が居るからな」
「お兄ちゃ~ん」
「小町、お前も出るのか?」
「そうだよ。どう?この衣装?」
「グリーンのワンピース…。居たよ、すごい姉」
「何?文句あるわけ?」
「文句ねぇよ、S級2位」
「私だけで、十分なのよ。ふんっ」
「行っちゃったよ…」
「わわわ、忘れ物~♪あ、ヒキタニ」
「大岡、お前も出るのか?」
「なんかブレザー着せられたよ」
「まぁ、がんばれよ。たにぐ…、大岡」
これが最後の競技。これで勝てば逆転…。まぁ、俺がアンカーの時点で負けだな。
「ねぇ、比企谷君」
「どうした、雪ノ下」
「去年、城廻先輩が勝ちたいって言ってたのが、少しわかったわ」
「…そうか」
「比企谷君…。勝ちましょうね」
おいおい、そんな顔すんなよ。
リレーが始まり、抜きつ抜かれつのデットヒート。
「うわ~ん、抜かれちゃったよぉ」
「由比ヶ浜、よく頑張ったよ」
「由比ヶ浜さん、私が逆転するわ」
有言実行、雪ノ下は見事に逆転。
そろそろ、俺の番か…。少しリードはしているが、相手は葉山。厳しいな。
「比企谷君」
「なんだ、雪ノ下」
「…勝って」
「そんな悲壮な顔するな。出来れば、笑顔で送り出してくれ」
「え、えぇ。そうね」
「それに…」
「それに?」
「俺は逃げ足は早いんだよ」
「ふふっ、そうね」
「やっぱ、雪ノ下は…。なんでもない。行ってくる」
「よう、葉山」
「君とアンカー対決とはね」
「ま、気楽にやってくれや」
「いや。君には負けたくないからね」
「そんなに、気負うなよ。ここで負けたって、ほかはお前が勝ってるだろ」
「そうでもないさ」
「そうか?」
「いずれわかるさ」
「じゃあな」
スタートしたのはいいが、差が微妙だな。
葉山もスタートしたみたいだな。すげぇな黄色い声援が。さすがリア充王だな。
なんか『比企谷先輩』とか『比企谷さん』とか聞こえるけど、キモイとか言われてるんですかね。
やべぇ、葉山早ぇよ、並ばれたぞ。
…雪ノ下。そんな顔して見んなよ。俺はお前のそんな顔見たくないんだ…よ!!!!
「比企谷君!!」
「はぁはぁはぁ…。勝ったぞ、雪ノ下!!」
「えぇ」
「はぁはぁはぁ、やっぱ雪ノ下は笑顔の方がいいな…」
「え?」
「はぁはぁはぁ…。疲れた…」
「ヒッキー!!」
「おう!由比ヶ浜。勝ったぞ」
「やったね!!」
「なにをやっているのかしら?」
「だ、だだだ、抱きつくな!」
「わぁ、ごめん」
逆転で赤組の勝利で体育祭は終わった。
打ち上げ?帰らせてください。