珈琲   作:おたふみ

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五十一話

リア充は打ち上げしないと死んでしまうんですかね?

生徒会&奉仕部で打ち上げ…。

 

「先輩~!」

「なんだ、一色」

「歌いましょうよ」

「断る」

「なんでですか~」

「結衣先輩も雪ノ下先輩も歌ってますよ。超上手いですよ」

「知ってるよ。苦手なんだよ、こういうのは。参加しただけでも、誉めてもらいたいね」

「まぁ、先輩ですからね」

「わかったなら、歌ってこいよ」

「なんですか口説いてるんですかお前の歌が聴きたいとか二人っきりの時に言ってくださいごめんなさい」

「はいはい」

 

「比企谷」

「よう、本牧。お疲れさん」

「比企谷が参加するとは思わなかった」

「俺もそう思う」

「なぁ比企谷。藤沢のことどう思う?」

「俺に話しかけてくる希有な後輩」

「それだけか?」

「それだけだな。まぁ、世間一般でいう可愛い部類だと思うぞ」

「なるほどな」

「どうかしたか?」

「いや、なんでもない」

「お前も歌ってこいよ」

「比企谷は歌わないのか?」

「俺が歌ってもキモイだけだ。やめておく」

「そうか?」

「そうだ」

 

「比企谷先輩、お疲れ様でした」

「藤沢、お疲れさん」

「比企谷先輩は歌わないんですか?」

「苦手なんだ。察してくれると助かる」

「比企谷先輩の歌を聴きたかったけど、残念です」

「俺のことはいいから、楽しみな」

「比企谷先輩は誰も放っておかないですよ」

「俺は静に暮らしたい」→静かに

「比企谷先輩らしいですね。では」

「おう」

 

「ヒッキー!歌おうよ!」

「『Angel Breeze』なんて、よく知ってたな」

「ん?なんとなく?」

「上手かったぞ」

「そう?えへへ…。じゃなくて!」

「ちっ!誤魔化せなかったか」

「歌おうよ~」

「雰囲気悪くなったら困るだろ」

「そんなことないって」

「もう少し静観させてくれ」

「もう少しだけだよ」

 

「比企谷君、私も歌ったのだから、貴方も歌いなさい」

「断る。てか、なんで『こいかぜ』歌ったの?由比ヶ浜に合わせたの?」

「知ってる歌が少ないのよ。察しなさい」

「へいへい」

「ねぇ、比企谷」→比企谷君

「ん?」

「本当に勝ってくれたのね。その…、ありがとう」

「別に礼を言われることはしてねぇよ」

「それと…」

「なんだ?」

「貴方、リレーでゴールした時、私になにか言ったかしら…」

「なんか言ったかな……」

「言ったわ、確かに…」

「ああああああああああああ!!!」

「!」

「わ、忘れてくれ~!!!!さぁ、歌うぞ。『吉原ラメント』がいいかな」

 

「本当に逃げ足は速いわね…。忘れないわ、貴方が言ってくれたんですもの…」

 

 


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