珈琲   作:おたふみ

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五十三話

(様子がおかしい…)

 

「お兄ちゃん♪一緒に学校行こう♪」

「お、おう」

 

「比企谷、おはよう」

「お兄さん、おはようっす!」

「お兄さんと呼ぶな!」

(何故、川崎姉弟と一緒?)

 

「ヒッキー!一緒に教室行こう♪」

「お、おう…」

(由比ヶ浜が待ち伏せしてた…。何故だ)

 

「おはよう、八幡」

「俺と夜明けのコーヒーを飲んでくれ」

「もう、なに言ってるの」

「あぁ、すまん。ほら、先生来るぞ」

「また、あとでね」

(戸塚は天使…♪)

 

(さてと、次の授業は…)

「比企谷」

「ヒキオ」

「あ!今、私が話しかけてるんだけど」

「あ!あーしの方が早かったし」

「あ!」

「あ!」

(やめて!仲良くして!)

 

(今日は、よく話かけられるな…。昼休みは静かにベストプレイスへ…)

「どこに行くのかしら、比企谷君」

「よお、雪ノ下。今からパンを買いに…」

「その必要はないわ。食材が余ったから、貴方のお弁当も作ってきたの。食材が余ったから」

(大事なことなので二回言いました)

「べ、別に貴方の為に作ったわけじゃないのだから…」

(ツンデレのテンプレ、いただきました)

「さぁ、今日は由比ヶ浜さんと三人で食べるわよ」

「へいへい」

 

(雪ノ下の弁当は上手かった…。そんなこと考えてたら、もう放課後)

「ヒッキー、部活行こ」

「お、おう…」

 

「あ、居た!先輩!」

「げっ!一色…」

「いろはちゃん、やっはろー!」

「結衣先輩、こんにちは」

「先輩、ちょっと生徒会室まで来てください」

「嫌だ!」

「そんなこと言わないでくださいよ。今日はお仕事じゃないんで」

「だったらなんだ?」

「生徒会室前の掲示板を見てほしくて」

「掲示板?」

「はい。結衣先輩も見てください」

 

「なん…だと…」

「いろはちゃん、この『非常勤庶務』って何?」

「はい、先輩を合法的に、こきつか…、手伝ってもらう為の役職です」

「一色、隠せてないからね。なんだこれは。しかも、平塚先生と校長のハンコまでとは…」

「今日はお仕事はないので、報告だけです」

「すげぇ嫌な事後報告…」

 

「やっはろー!」

「うっす」

「由比ヶ浜さん、比企谷君、こんにちは」

「雪ノ下、一色に聞いたか?」

「やられたわ。あの娘もやるわね」

「まったくだ」

(これで生徒会の手伝いは合法。ネット掲示板の生徒会の類いは嘘になったわ)

 

「そろそろ下校の時間ね」

「ねぇねぇ、今日は三人で帰ろうよ」

「嫌だよ」

「私も一人で帰るわ」

「たまには、いいじゃん」

「由比ヶ浜さん…。仕方ないわね」

「ねぇ、ヒッキー…」

「しゃあない…」

「やったー!」

(今日は、なんだか人とたくさん話す日だったな。たまには、いいか)

 

翌日

 

「お兄ちゃん♪学校行こう」

「おう。今日も一緒にか?」

「大好きなお兄ちゃんと一緒に学校行きたいな。あ、今の小町的にポイント高い♪」

「あざと可愛い…」

 

「おはよう、比企谷」

「んだよ、葉山」

「教室まで一緒に行かないか」

「断る」

「たまにはいいじゃないか」

「そんなことしたら、朝から海老名さんの鼻血の噴水を見ることになるぞ」

「ま、まぁそうなんだが…」

(そんなこと言ってたら、教室着いちゃった)

「キマシタワー」

「姫菜、擬態しろし!」

「ほらみろ」

「あはは…」

 

(ふう、数学終了…)

「比企谷」

「相模か。どうした?」

「あのさ、あのコーヒーの店に、ゆっこと遥も連れていきたいんだけど、いいかな?」

「騒がしくしなきゃいいんじゃねぇの?」

「やった。それと…、比企谷はもうバイトしないの?」

「おい、受験生だぞ」

「そうだよね」

「春休みに出来ればやるかもな」

「わかった。比企谷のウェイター姿、楽しみにしてるね」

「勘弁してください」

 

(今日も、よく話かけられるな…。なんなんだ?モテ期?ないない…)

 

昼休み

(誰にも見つからずに脱出成功。やっぱりベストプレイスはいい…)

「やっぱりここに居たのね」

「ヒッキー見つけた」

「お前らか。どうかしたか?」

「料理の研究をしてたら作り過ぎてしまったの」

「ほ~ん。それで」

「お弁当にしたから、食べなさい」

「いや、パン買っ…」

「食べなさい」

「…ありがたく、頂戴いたします。へへ~」

「むぅ。明日は私が作ってくるし!」

「やめてください。死んでしまいます」

「由比ヶ浜さん、ゾンビにトドメを刺すつもりかしら」

「二人ともヒドイ!」

「今日はここで食べましょう」

「へいへい」

 

(今日の授業は終了っと。今日は予備校か)

「由比ヶ浜、今日は予備校があるから、部活休むって雪ノ下に伝えてくれ」

「わかった。バイバイ、ヒッキー」

 

「比企谷」

「川…川…、川嶋さん?」

「川崎だけど、殴るよ」

「ごめんなさい。死んでしまいます」

「アンタ、予備校あるよね?」

「あるぞ」

「その、なんだ…。い、一緒に行かないか」

「別に一緒に行かなくても…」

「あっ!文句あるの?」

「お供させていただきます」

 

(予備校終了。コーヒー飲んでから、帰るか)

 

「こんばんは」

「おう、坊主。来たか」

「ブレンドお願いします」

「はいよ」

 

「う~ん」

「どうした?悩み事か?」

「なんか異様に話かけられるんですよね」

「ほう」

「それこそ、休み時間のたびに…」

「何か問題なのか?」

「問題…。問題というより、問題を隠されてる気がするんですよね…」

「何か思い当たることでもあるのか?」

「いや、まったくないです」

「ま、坊主の手をわずらわせるほどでもないのか…」

「俺に関わらせたくないのか…」

「いずれにせよ、任せてみたらどうだ?」

「なんか、悪いというか、俺の為に…」

「たまにはいいだろ」

「でも…」

「アイツらのこと、信用してないのか?」

「そんなことは…」

「だったら、信じてやんな」

「はぁ」

「もしかしたら、問題の方から来るかもしれないだろ?」

「それもありますね」

「それまでは、普段通りのお前でいろ」

「ふむ」

「そして、問題が来たら…」

「来たら?」

「美味しいとこだけもらっておけ」

「マスター、いい性格してますね」

「お前に言われたくねぇな。面倒臭ぇ性格してるお前にはな」

「ちょっと軽くなりました」

「そうか」

「アイツらのやり方にノッてみますよ」

 

「じゃあ、帰ります」

「おう、気をつけてな」

「比企谷、帰りか?」

「平塚先生、いらっしゃい。ちょっとマスターと話してまして」

「気をつけて帰るんだぞ」

 

「なるほど、そんなことが」

「アイツがこのことを知ったら、問題はアイツが解消するでしょう。だが、また自分を傷つける…」

「そうさせまいと、周りが動いていると…」

「気がつくのも時間の問題でしょうが…」

「静さん、アイツらを信じてやりな」

「ですが…」

「静さんの生徒だろ?だったら大丈夫たよ」

「それに、貴方の弟子ですからね」

「そういうことだ」

「それと、ツーリングですが…」

「おぉ、そうだな。どこがいいかな?」

「貴方と一緒ならどこでも…」

「まいったな。はははっ」

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