珈琲   作:おたふみ

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六十話

「ここがイリスが壊したところか…」

「ヒッキー、何言ってるの?」

「なんでもない」

「ねぇねぇ、ブラバンが演奏してるよ」

「高校生かしら」

「休日出勤とは、社畜だな」

「もう!ヒッキーは!」

「あのサックスのソロはいいわね」

「さすが雪ノ下。わかるのか」

「ええ。それとシンパシーを感じるわ」

「ねぇねぇ、フルートは?」

「居るんじゃねぇの?」

「う~ん、何かが足りない気がする…」

「たぶん二期からだ」

「比企谷君、メタ発言はやめなさい」

「雪ノ下だって、言ってたじやねぇか」

「言ったかしら?」

「小首を傾げるな」

 

 

「ねぇねぇ、何か食べようよ」

「そうだな、京都と言えば…」

「おばんざい」

「抹茶パフェ」

「天下一品」

「見事にバラバラね」

「ヒッキー、ラーメンは千葉でも食べれるじゃん」

「由比ヶ浜、京都に来たら本店に行かないのは失礼だろう」

「そこは前に行ったでしょ」

「あ、バカ…」

「えっ?ヒッキーどういうこと?」

「あ~、修学旅行の夜にだな、平塚先生に俺と雪ノ下で連れていかれた…」

「むぅ…。じゃあ天下一品行く」

「俺はいいんだが、雪ノ下は大丈夫か?」

「大丈夫よ」

 

「相変わらず、狂暴な旨味ね…」

「無理しないでよかったのに…」

「男性向けだよね」

「それ、平塚先生の前で言うなよ」

「次は北野天満宮でも行くか。主に由比ヶ浜の為に」

「どういう意味だし!」

「そうね。由比ヶ浜さんの為にね」

「ゆきのんも肯定した!」

「私は推薦だと思うから…」

「俺は受験だけどA判定だからな」

「ヤダ、この二人…」

 

「ねぇヒッキー。なんで、この和菓子屋さん、こんなに混んでるの?」

「塩見周子の実家だよ」

「そうなの!」

「それで、こんなに混んでいるのね」

「なんか中二っぽい人が多いね…」

 

「おい、雪ノ下」

「なにかしら?」

「確認するが、スイートルームとかじゃないだろうな?」

「そこは、私も止めたから大丈夫よ」

「やっぱりスイートルームにしようとしてたのかよ」

「でも高そうなホテルだよ」

「とりあえず、中に入りましょう。ここに居ては迷惑よ」

 

「凄い料理だったね」

「いいのかよ、本当に…」

「これくらいは普通よ」

「さすがブルジョワ…」

「じゃあ、部屋に戻りましょう」

「部屋が一緒じゃなくて良かったよ。雪ノ下さんなら、やりかねんからな」

「そ、そうね…」

「う、うん…」

「じゃあ、明日の朝9時にロビーな。おやすみ」

「ヒッキー、おやすみ」

「おやすみなさい」

 

「さてと…」

「どこに行くのかしら、比企谷君」

「げっ!雪ノ下」

「どこに行くのかしら?」

「餃子の王将の本店に…」

「そう。私も行くわ」

「なんでだよ。由比ヶ浜はいいのか?」

「寝てしまったわ」

「早ぇな」

「疲れているのよ」

「まぁ、わからんでもないがな」

「さぁ、行くわよ」

「なんで、そんなに気合い入ってるんだよ」

「そ、そんなことないわ」

 

「ふぅ、旨かった」

「そうね」

「やっぱり、俺は庶民だな」

「私だって、いつもコース料理を食べてるわけではないわ」

「自炊してるのは知ってるよ」

「そう。ならいいわ」

「じゃあな、おやす…」

「ひ、比企谷君!」

「ん?どうした?」

「あ、あの…、その…」

「?」

「な、なんでもないわ。おやすみなさい」

「おう…。おやすみ」

 

 

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