珈琲   作:おたふみ

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六十一話

京都 二日目

 

(昨日の夜、雪ノ下とエロゲイベント?ねぇよ、そんなもん)

 

「うっす」

「やっはろー!」

「おはよう、比企谷君」

「今日はどうするんだ?」

「猫猫寺へ行きましょう!」

「由比ヶ浜はそれでいいか?」

「うん!」

 

猫猫寺

「ヒッキー…」

「どうした?」

「場所の選択失敗したかな?」

「いや、大丈夫だ」

「だって、ゆきのん動かないよ」

「時計を見ろ。そろそろ12時だ」

 

「雪ノ下、そろそろ昼飯にしようぜ」

「もう、そんな時間なの!ごめんなさい、夢中になってしまって」

 

「次は?」

「鞍馬寺行くか?」

「ヒッキー、何があるの?」

「牛若丸が天狗に修行してもらった伝説がある」

「そうなんだ!」

「それと、狛犬が変わってる」

「面白そう!」

 

鞍馬寺

「猫…」

「雪ノ下、それは虎なんだが…」

「犬じゃなくて虎なんだね」

「阿吽の虎だな」

「猫…」

「猫科だけど猫じゃねぇよ」

 

「次は太秦行くか」

「やった~!ゆきのん、着物着ようよ」

「私は遠慮するわ」

「えぇ~!着ようよ~」

「仕方ないわね」

(ちょろいな)

(ちょろのん)

 

映画村

「ヒッキー!似合う?」

「おぉ、町娘感がハンパないな」

「なんかバカにされてる?」

「そんなことないぞ。か、可愛いぞ…」

「えへへ…」

「比企谷君、由比ヶ浜さんを視姦しないように」

「してないからね…」

「な、なにかしら…」

「お、おう…。き、着物似合うな…」

「そ、そう…」

「むぅぅ」

「雪ノ下は袴とかも似合いそうだな『ハイカラさんが通る』的な」

「ほう。比企谷君は私がおてんばだと言いたいのかしら?」

「ち、違うぞ!似合うと言っただけだからね」

「ヒッキー!ゆきのんばっかり!私は?」

「ドウドウ、由比ヶ浜!由比ヶ浜は巫女っぽい衣装とかどうだ?語尾を『で~す』とか言うといいぞ」

「巫女さんかぁ~。なんかいいかも」

(ちょろいな)

(ちょろいわね)

 

 

夕食後

「はぁ…、晩ごはん美味しかった」

「カウンターで天ぷらなんて初めて食べたぞ」

「姉さんが店を予約してくれて良かったわ」

「支払いとか大丈夫なのかよ」

「姉さんが根回ししているから、大丈夫よ」

「本当に陽乃さんには感謝だね」

「ホテルに戻って、休みましょう」

「そうだな。雪ノ下は戦利品の確認もしないとならないしな」

「な!そ、そんなこと…」

「あるんだろ?」

「猫猫寺で、いっぱい買ったもんね」

「まったく。マイケル・ジャクソンかと思ったぞ」

 

ホテルに戻ってから、しばらくして…

「さてと…」

「ヒッキー、どこ行くの?」

「『めん馬鹿一代』にラーメンを…」

「私も行く!」

「雪ノ下はいいのか?」

「にゃーにゃー言いながら寝ちゃったよ」

「何をやっているんだか…」

「ヒッキー、早く行こうよ!」

 

「凄いね、ラーメン燃えてたよ」

「味も良かったな」

「明日に備えて寝るか。じゃあ、おや…」

「ヒ、ヒッキー!」

「お、おう、どうした?」

「えっと、その…、なんでもない!おやすみ!」

「おう、おやすみ…」

 

 

 

 

 


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