京都三日目
(由比ヶ浜とエロゲイベント?ねぇよ。悪かったな、ヘタレで)
「う~す」
「やっはろー」
「おはよう、比企谷君」
「今日はどうする?帰る?」
「いや、帰るけど、もう少し見ようよ」
「実は、鉄道博物館行きたいんだけど、いいか?」
「なかなか男の子らしい選択ね」
「いつまでも、男は少年の心を持っているんだよ」
「すご~い!トーマスの駅みたいだよ」
「この転車台が見たかったんだよ」
「これは興味深いわね」
「男子は鉄道が好きなんたよ。999とかシンカリオンとか、マイガイ…」
「最後、言いかけたげどなに?」
「いや、材木座が出てきそうな気がしたから…」
「さすがに、それはないと思うのだけど…」
「さてと、そろそろ新幹線の時間だな」
「残念だけど、そのようね」
「遊んだね。陽乃さんに感謝しないとね」
「まったくだ」
「由比ヶ浜さん、寝てしまったわね」
「はしゃいでたからな。仕方ないだろ」
「そうね。ねぇ、比企谷君」
「なんだ?」
「あの時のこと、覚えてる」
「忘れた」
「嘘つき」
「悪かったな。正確に言えば思い出したくない」
「そうよね。私もなの…」
「嫌な記憶なんて蓋しちまえよ」
「時々、夢を見るの。比企谷君が…、貴方が海老名さんに告白して、そのまま一緒に歩いていってしまうの」
「そんなことあるわけ…」
「呼んでも振り向いてもくれない。比企谷君、私を、私を置いていかない…で…」
「雪ノ下?寝ちまったのかよ…。置いていかねぇよ。お前こそ待っててくれよ」
「う、ううん…。ヒッキー?」
「由比ヶ浜、起きたのか?」
「うん。ゆきのんは…。寝てるね」
「まだ少しかかるから、寝かしといてやれ」
「うん。ヒッキーは真っ直ぐ帰るの?」
「いや、銀ブラしてこうかと思ってな」
「ぎんぶら?」
「銀ブラ」
「銀…、ブラ…。ヒッキー、エロイ!キモイ!」
「比企谷君が気持ち悪いのは認めるけど、銀ブラは意味が違うわよ、由比ヶ浜さん」
「ごめん、ゆきのん。起こしちゃったね」
「気持ち悪いを認めるなよ」
「『銀座でブラジルコーヒーを飲む』が元で、今では『銀座をブラブラする』ことが銀ブラと言われているのよ」
「へ~。じゃあ、ヒッキーは銀座に行くの?」
「ちょっとな。ブラジルコーヒーではないが、コーヒー屋に寄ろうと思ってな」
「どうして銀座でコーヒーを?」
「マスターが前に、銀座でコーヒーが旨い店があるって言ってたんだよ」
「…。比企谷君、私も行っていいかしら?」
「私も行きたい!」
「かまわないぞ。じゃあ、三人で行くか」
「そうね」
「うん!」