珈琲   作:おたふみ

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六十八話

期末試験も終わり、昼休みもあと少しで終わりとなる時間の廊下

 

「ヒッキー」

「どうした?由比ヶ浜」

「クリパだけど、サキサキとか優美子たちは参加してくれるかな?」

「どうだろうな?」

見慣れない男子生徒が声をかけてきた。

「ねぇ、由比ヶ浜さん。そんなヤツとクリパするより、俺らとやろうぜ」

「い、いやぁ…。私はヒッキー達と…」

「こいつ、悪い噂だらけじゃん。そんなヤツと一緒に居たら、泣かされるよ」

「何なのアンタら」

「川崎…」

「サキサキ…」

「アンタらなんかより、比企谷の方がよっぽどいい男なんだけど」

「でもさ、こんやヤツなんか…」

「結衣、どした?」

「三浦…」

「優美子、あのね…」

「アンタら、ヒキオのこと『こんなヤツ』って言った?」

「こんなヤツで充分だろ?」

「あ?何言ってんの?アンタらなんかより、ヒキオの方が何倍もマシなんだけど。隼人が居なければ、ヒキオと付き合ってたかもしれなし」

「なっ!んなこと、あるわけねけねぇだろ!だってコイツは…」

「何を騒いでいるのかしら」

「ゆきのん…」

「雪ノ下…」

「進学校の総武高校の生徒が、噂に惑わされて、他人を卑下して女の子に声をかけるなんて、最低ね。それで、よく学校に通えるわね。恥ずかしくないのかしら」

「三浦、雪ノ下、黙ってて。私はコイツらに言い足りない」

「あーしも文句言いたいんだけど」

「私は、まだ言いたいことの一割も言ってないのだけど」

(何、この三人。怖い怖いよ)

「何を騒いでいる。もうすぐ授業が始まるぞ」

「平塚先生…」

「ソイツらが比企谷をバカにしてたんで」

「あの二人が結衣とヒキオに絡んでたんで」

「彼らが、比企谷君を卑下するようなことを言っていたので」

「比企谷、由比ヶ浜。間違いないか?」

「はぁ」

「はい」

「教室に入りたまえ。お前らは、放課後に生徒指導室に来い」

「ちっ!」

「今、舌打ちをしたな…」

「えっ!あ、いやぁ…」

「今日の生徒指導が楽しみだ」

(なんで、ウチの学校の女子って怖いの?あ、一人女子じゃなかった)

「比企谷、今失礼なこと考えなかったか?」

「滅相もございません。平塚先生」

「なら良い」

 

「クリスマスパーティー、私も参加させてもらうよ。京華もみんなに会いたがってたし」

「結衣~、あーしらも参加ね」

「川崎さん、ありがとう」

「優美子、ありがとね」

「怒らすと怖いけど、普通にしてたら、みんな可愛いよな」

「な…!」

「へ…!」

「え…!」

「う…!」

「やべぇ!声に出てた!ごめんなさい!忘れてくれ~!」

「ヒッキー!どこいくの!授業始まるよ!…行っちゃった…」

 

放課後 奉仕部

「まだ、そんな輩が居るんですね。生徒会長権限で潰してやりますよ」

(生徒会長様、ご立腹ですわ)

「私も腹が立ったよ。優美子も凄い怒ってたし」

「姉さんに頼めば…」

「おいおい、物騒なことはやめてくれ。俺は静かに暮らせればいいから。それに、平塚先生がキツク言ってくれてるだろ」

「比企谷君が、そういうなら…」

「まぁ、先輩ですし」

「ヒッキー、無理しないでね」

「おう」

 

「本題なんですけど、生徒会もクリパ参加でお願いします」

「結構、大人数ね」

「楽しそう」

「じゃあ、俺は家で…」

「比企谷君?」

「ヒッキー?」

「先輩?」

「喜んで参加します」

「比企谷君、マスターにお願いできるかしら?」

「たぶん、大丈夫だろ。雪ノ下の誕生日パーティーの日も、頼んでおくよ」

「わ、私の誕生日は別に…」

「え~、ゆきのん。やろうよ」

「あ、ちなみに、陽さん先輩には、1月3日はOKだと、了承もらってますので」

「貴方達…」

「雪ノ下が小町に連絡して、俺の退路を断つ方法を取らせてもらった」

「はぁ、仕方ないわね…」

 

ちなみに、八幡に絡んだ輩は、雪ノ下・由比ヶ浜・川崎・三浦・海老名・一色・藤沢・相模・小町に会うたびに睨まれるという精神攻撃を卒業まで受けたという…。

 

 

 

 

 

 




――――――――――――――――

次回、クリパ編。

大丈夫か、受験生?特に由比ヶ浜…

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