平塚静は…
卒業パーティーの後
コーヒーショップ
「彼等が卒業とは、感慨深いです」
「手のかかる子供ほど可愛いもんだからな」
「私も一安心です」
「あの、静さん。話があるんだが…」
「はい。なんでしょうか?」
「俺は株で儲けて、こんな趣味のようなコーヒーショップをやってる訳だが…。その…、出会いというのがなかなかなくて、こんな歳になっちまって…。それで、静さんがこの店に来るようになって、色んな話をしたり、夏祭りに行ったりと、とても楽しかった」
「はい…」
「それで、このチャンスを逃したら、もうないと思っている…」
「はい…」
「その、上手く言えないんだが…」
「…」
「この指輪を受け取ってもらえないか?」
「…私でいいんですか?」
「静さん。貴方がいいんだ。俺と結婚してくれ」
「…はい。謹んでお受けします」
「いやぁ、緊張した…」
「あの…。指輪をしてもらっても…」
「えぇ、もちろん」
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父親達は…
卒業式から数日後
コーヒーショップ
「八幡君はわかってるな。うちの雪乃を選ぶとは」
「そうなのか?バカ息子は何も言ってなかったぞ」
「結衣が落ち込んでたのは、それか…」
「まぁ、縁がなかったんだよ。八幡君には、うちの会社か議員秘書に…」
「議員秘書は無理だな。アイツはコミュニケーション能力ねぇからな」
「はぁ、結衣の方が可愛いのに…」
「うちの雪乃の方が可愛いぞ」
「小町が世界一…」
「だが、所詮は高校生の恋愛だ。今から結衣の良さに気がつくかも知れないからな」
「いやいや、八幡君は優秀は人材だ。手放さんぞ」
「あのバカ息子のどこがいいんだか…」
「そんなこと言ってるから、昇進しないんだよ」
「うるせぇよ」
「しかし、子供も大きくなったなぁ」
「あと四年は面倒見ないとな」
「うちは、小町がいるから、まだかかる…」
「がんばれよ、社畜」
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雪ノ下陽乃は…
卒業パーティー前
「沙希ちゃん、合格おめでとう」
「ありがとうございます。陽乃さんのおかげです」
「いやぁ、沙希ちゃんは飲み込みが早いから、教えがいがあったよ」
「そんな…」
「元気ないけど、どうしたの?」
「比企谷と妹さんが付き合い始めたって聞いて…」
「そっかそっかぁ、比企谷君は雪乃ちゃんを選んだんだね…」
「私は…フラれました…」
「沙希ちゃんは、ちゃんと告白する勇気があってすごいよ。私なんか…」
「もしかして、陽乃さんも…」
「そう。でも、雪乃ちゃんが比企谷君のこと好きなのはわかってたから、姉としてはね…」
「そうだったんですね…」
「でも、二人をからかうのは止めないよ」
「そのまま、奪い取っちゃいますか?」
「それは比企谷君次第かな」
「はははっ。アイツ、挙動不審になりますよ」
「そうだね。ふふふっ」
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次回、完結予定です。