珈琲   作:おたふみ

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二人のスタート

卒業パーティー後

雪ノ下雪乃のマンションの玄関

 

「じゃあ、またな」

「ひ、比企谷君…」

「ん?」

「あの…、お茶を飲んでいかない?」

「遅い時間だけど、いいのか?」

「えぇ。クッキーも焼いてあるの。だから…」

「わかった。お邪魔するよ」

「ありがとう」

 

「適当に座っていて。お茶とクッキーを用意するから」

「なんか手伝うことあるか?」

「いえ、大丈夫よ」

 

「ん、この薫り…。雪ノ下、コーヒー煎れてるのか?」

「えぇ。私も上手く出来るかと思ってね」

「雪ノ下なら、出来るだろ」

「まだ比企谷君のコーヒーには程遠いのよ…」

「そんなに、悔しそうな顔するなよ。可愛い顔が台無しだ」

「か、可愛い…」

「あ、いや、その…、なんだ、言葉の綾というか…。でも、可愛いのは事実で…」

「…嬉しい」

「お、おう…」

 

「はい、お待たせ」

「ありがとな。では…」

「どうかしら?」

「旨いな。たぶん、豆のブレンドが違うんじゃないかな。マスターに今度聞いてみよう」

「えぇ」

 

「あっ!もうこんな時間だ。そろそろお暇するよ」

「あ、あの…」

「?」

「良かったら、泊まっていかない?」

「い、いや…。マズイだろ。それに着替えもないし…」

 

prrrrr

「で、電話だぞ。出なくていいのか?」

「ちょっと失礼するわね」

 

「もしもし」

『ひゃっはろー!雪乃ちゃん!』

「姉さん。今、忙しいの。後にしてもらえるかしら」

『そんなこと言っていいのかな?』

「どういうことかしら?」

『洗面所にダンボールがあるから開けてみて』

「…これは?」

『比企谷君の着替えだよ』

「え?」

『だから、比企谷君の着替えだよ。お泊まりして欲しいんでしょ?』

「え、ええ」

『お姉ちゃんからのプレゼントだよ』

「ありがとう、姉さん」

『後で色々聞かせてね』

「そ、それは…」

『じゃあ、比企谷君によろしくね』

p

 

「雪ノ下さんからか?」

「えぇ。比企谷君の着替えは確保出来たわ」

「マジでか!」

「マジよ」

「その…、あれだ…小町とか心配するから…」

 

prrrrr

「今度は俺に電話かよ」

「どうぞ」

「すまん」

 

「もしもし」

『あ、お兄ちゃん』

「小町か。どうした?」

『今日は帰ってこなくていいから』

「え?」

『て、いうか、帰ってきても、家に入れないから』

「小町、それはどういう…」

『雪乃さんと一緒に居てあげて。あ、今の小町的に超ポイント高い♪』

「いや、でも…」

『じゃあね』

 

p

「切りやがった…」

「小町さん?」

「あぁ。帰って来るなって」

「それは…」

「完全に外堀埋められたよ。すまんが、一晩泊めてくれ」

「私から提案したのだから」

「そうか」

「お風呂、支度してくるわね」

「俺が…」

「大丈夫よ。座っていて」

 

「お風呂出来たから、先に入って」

「いや、俺は後でいいよ」

「私が入ったお湯を飲むのは衛生的に…」

「飲まねぇよ。わかった、先に入るよ」

「そうしてちょうだい」

 

「ふぅ、さっぱりしたわ」

「寝るところはどうする?俺はソファーでも…」

「ダメよ」

「じゃあ、どこに…」

「一緒に寝てくれないの?」

「ああ!もう!可愛いな、こんちくしょう!一緒に寝るよ!」

「それと、こんなモノがあるんだけど…」

「お、お前、それ…」

「京都旅行の時に、父さんが…」

「おのれ、パパのん!」

「使わないの?」

「いや、使う使わない以前に、しないからね」

「私…、魅力がないの?」

「バッカ!世界一可愛いに決まってるだろ!」

「貴方、可愛い連呼し過ぎよ」

「仕方ねぇだろ、事実なんだから。とりあえず寝るぞ」

「これは?」

「とりあえず、枕元に置いておこう」

「比企谷君」

「なんだ?」

「…好き」

「俺も好きだよ、雪ノ下」

「ふふっ」

「んだよ」

「ちゃんと、こっち向いて」

「は、恥ずかしいだろ」

「ダメ」

「はいよ。雪ノ下にはかなわないな」

「ねぇ…、キス…して」

「はいよ」

 

翌朝

「んん…」

「おはよ、雪ノ下」

「…おはよう。名前で呼んでくれないの?」

「ハードル高ぇよ」

「昨日の夜はあんなに高まって名前で呼んでくれたのに…」

「なんか言い方おかしくない?何回も呼ばされただけだよね?」

「ヘタレ」

「うるせぇ」

「そんな比企谷君も好き…」

「言ってから悶えるなよ」

「俺も好きだぞ…雪乃」

「不意打ちはズルいわよ、八幡」

「悪かったよ。んで、今日はどうするんだ?」

「比企谷君の家に行きたいわ」

「カマクラでも、モフるのか?」

「それもあるけど、ご両親に挨拶を…」

「い、いや、結婚するわけじゃないからね」

「貴方もウチの両親に挨拶するのよ」

「マジか」

「マジよ」

 

四月

 

「ほら、ネクタイが曲がってるわよ」

「ん。ありがとな。しかし、あれだな」

「なにかしら?」

「雪ノ下は何着ても似合うな」

「ありがとう。私、美少女だからら」

「知ってるよ」

「比企谷君も似合ってるわ」

「ありかとな」

「貴方に余計な虫がつかないか心配だわ」

「大丈夫だろ、雪ノ下が一緒に居れば」

「そうね」

「さあ、行くか」

「えぇ、行きましょう」




―――――――――――――――――

一応、完結です。

ifルートの希望があったので、話が練れたら書きますので、締めません。

続編の希望があれば、大学編も考えます。

長いお付き合い、ありがとうございました。

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