珈琲   作:おたふみ

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八話

雪ノ下の意識が戻り、コーヒーを飲みながら談笑中。

 

「ヒッキーってさ、いろはちゃんに甘いよね」

「そうね。もっと突き放してもいいと思うわ。…わ、私の…なのだから」

「最後、聞き取れなかったんだが、何?」

「な、なんでもないわ」

「まぁ、俺が生徒会長にしちまったからな。仕方ない」

 

 

「いらっしゃい」

「彼は来てるかい?」

 

「こんにちは」

「あ、いたいた。今度、娘と嫁さんと三人でクッキーを作ることになったよ」

「頑張ってくださいね」

「ありがとう…。ん?」

「よっ!由比ヶ浜!」

「なんだ、雪ノ下もいたのか」

「え?お知り合いなんですか?え?由比ヶ浜?」

「パパ!」

「結衣!」

「え?パパ?」

「ヒッキー、ウチのパパだよ」

「えっと、結衣さんのクラスメイトで部活仲間の比企谷八幡です」

「比企谷君でヒッキーだったんだな。結衣はヒッキーとしか言わないから。いつぞやは、すまなかったな。ありがとう、ウチの大事な家族を助けてくれて」

「いえいえ、お気になさらず…。それと、雪ノ下さんとはお知り合いなんですか?」

「高校時代からの悪友だよ。な?」

「ま、その表現が妥当だな。同級生だよ」

「そうか、そうか。君がヒッキーだったのか…」

「な、なにか?」

「結衣から色々聞いているんだが、君のような聡明なコが結衣と結婚してくれれば…」

「なっ!」

「えっ!」

「パ、パパ、何言ってるの!」

「結衣がいつも…」

「わー!わー!なんでもない!なんでもないよ、ヒッキー!」

「お、おう…」

「おい、由比ヶ浜。彼に先に目をつけたのはウチだそ。比企谷君は雪乃に…」

「お、お父さん!」

「なんだ、嫌なのか?なら陽乃の…」

「勘弁してください」

「なんだ、陽乃も知っているのか」

「ええ、まぁ」

「それなら話は早い。どちらでもいいぞ!」

「いや、ウチの結衣を…」

「バカなこと言ってないで、座ってコーヒーを飲め!」

「はい」

「はい」

「まったく、このバカ親父どもは」

 

「ふぅ。なんか疲れたなぁ…」

「…比企谷君は私の…姉さんには…」

「ヒッキーが私の…えへへ」

 

二人の意識が戻るまで小説を読むことにした。

 

「はっ!はちま…。比企谷君…」

「お帰り、雪ノ下。由比ヶ浜を連れ戻してくれ」

「由比ヶ浜さん、由比ヶ浜さん」

「はっ!ゆきのん!ヒッキーは私の…」

「俺がどうかしたか、由比ヶ浜」

「え!なに!なんでもないよ!ヒッキー何言ってるの!キモイ!マジキモイ!」

「はいはい。で、コーヒーのおかわり頼むか?」

「えぇ、お願い」

「うん」

「コーヒーおかわり3つ」

「はいよ」

 

意識が戻った二人とコーヒーを待つ…。


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