珈琲   作:おたふみ

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大学編・その8

ラブホ街

「なぁ、雪ノ下」

「何かしら?」

「やめないか」

「ここまで来て怖じ気づいたの」

「いや、恥ずかしいしだな…」

「私だって恥ずかしいわよ」

「知り合いに会ったら気まずいだろ?」

「貴方、知り合い居たの?」

「うっ…」

「でしょ?だったら…」

「おい、待て!」

「なによ」

「あれ、葉山と三浦じゃねぇか?」

「ちょっと遠いけど、そうなのかしら…」

「すげぇ、三浦がグイグイ引っ張ってるぞ」

「葉山君もなんか煮え切らないわね…」

「あっ、こっち見た」

「見られてるわね」

「よ、よし、雪ノ下。帰るぞ」

「何を言ってるのかしら。入るわよ。彼らより先に」

「何を対抗意識燃やしてるんだよ」

(こ、小町。お兄ちゃん大人になるよ…。)

 

「つ、遂に入ったわ」

「葉山達とほぼ同時だったな」

「見て、比企谷君。お風呂がガラス張りよ」

「丸見えじゃねぇか」

「ね、ねぇ、比企谷君」

「ま、まさか…」

「一緒に入らない?」

「い、いや、それはだな…」

「それとも、私が入浴するのをガラスの向こうで見たいの?」

「うっ!一緒に入ります…」

「そう♪」

 

「…」

「何か言ってちょうだい」

「凄い綺麗です…」

「ちゃんとこっちを見て」

「いや、見られたら恥ずかしいだろ?」

「貴方には見て欲しいのよ」

「わ、わかったよ…」

 

「ふぅ。さっぱりしたわ」

「さっぱりしなくてモンモンとしてます」

「これから、さっぱりすっきりしてくれればいいわ。朝まで時間はあるから…」

「あい…」

 

翌朝

「体、大丈夫か?」

「あんなことするなんて…。スケベ!変態!八幡!」

「『八幡』は、悪口じゃないからね。…雪ノ下だって、ノリノリだったなクセに。あんなことってなんだよ」

「言わせないでよ。R18タグついてないし、筆者がエロ描写諦めたんですから。次回作でエロ描写有りのプロットがあるらしいから、そっちに期待しないさい」

「何を言ってんだよ。さらっと、告知するな。まだ別作品も終わってないだろ」

「いいのよ、R18タグ発言連発なんだから、なんでも有りよ」

 

「ひ、比企谷君!」

「葉山達と出るタイミングも一緒かよ…」

(親指を立てながら去って行く葉山…。溶鉱炉に沈むターミネーターのようだ…。あーしさんご機嫌だな。まぁ、雪ノ下もなんだかんだ言いながら、ご機嫌ですからね)

「なぁ、雪ノ下」

「何かしら?」

「総武高の女子って、なんでこんなに強いの?雪ノ下も三浦も川崎も、校風なの?」

「失礼ね、私は強くないわよ」

「口でも、肉体的にも勝てないんですけど…」

「ベッドの上では、あんなだったのに?」

「うぐっ!」

「えっとなんていったかしら…。そう『ベッドヤクザ』」

「どこで覚えた、そんな言葉…」

「Google先生よ」

(Google先生、雪ノ下にそんな言葉教えないでください)

「ふふふっ」

「なんだよ」

「これで、私は比企谷君のモノよ」

「俺も雪ノ下のモンだよ」

「さぁ、朝食にしましょう」

「たまには、朝マックでもするか?」

「そうね。たまにはいいわね」

 


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