珈琲   作:おたふみ

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大学編・その9

八幡の部屋

 

「あの…、なんで正座させられているんでしょうか?」

「貴方、昨日は戸塚君と遊ぶと言っていたわよね?」

「はい」

「では、何故同じ講義の娘に『彼氏が可愛い女の子と歩いてたのを見た』って言われるのかしら?」

「それはですね…」

「しかも、別の娘は『手を繋いで楽しそうだった』と言ってたわよ」

「あう…」

「どういうことかしら?」

「…小町と出かけてました」

「何故、小町さんと出かけるのにウソをつくのかしら…」

「それはですね…」

「まずは、本当に小町さんと出かけたか真偽を確かめます」

 

prrrrr

 

「小町さん?雪ノ下です」

『雪乃さん、こんにちは。どうしましたか?ウチの愚兄が何かしましたか?』

「比企谷君が私に嘘をついているんだけど、ご存知かしら?」

『あちゃ~、バレちゃったんですね』

「では、小町さんと出かけていたのは間違いないのね」

『それはもちろん』

「では、その理由を教えていただけないかしら」

『それは小町の口からは言えません。そこのゴミぃちゃんに聞いてください』

「わかったわ」

『それでは、雪乃お義姉ちゃん』

「ええ、では…。えっ!お、おね、お義姉ちゃん!」

 

p

 

「こほん。比企谷君」

「はい」

「小町さんと出かけていたのはわかりました」

「はい」

「では、その理由を聞かせてもらえるかしら」

「えっとですね…。雪ノ下と俺は付き合ってるじゃないですか」

「そうね」

「クリスマスや誕生日にプレゼントはしたけど、付き合い始めてからプレゼントってないじゃないですか」

「…そうね、ないわね」

「アクセサリーを買いたかったけど、そういう店に入るのは一人では気後れしてしまうので、小町に一緒に行ってもらいました」

「手を繋いでいたのは?」

「プレゼントを買うのを付き合わせたので、お礼にケーキを一緒に食べにいきました。そしたら、ご機嫌で『繋ぐこの手がシンフォギアだ!』と言って…。久しぶりの兄妹の外出だったので、はしゃいでいました。はい」

「そ、そう…」

「サプライズにしたかったので、嘘つきました。すいませんでした!」

「ひ、比企谷君、頭を上げてちょうだい…。私こそ、ごめんなさい」

「いや、大丈夫だ。それでだな、これを…、受け取ってくれないか?」

「あ、開けてもいいかしら」

「どうぞ」

「…ネックレス」

「雪ノ下って、あんまりアクセサリーしないだろ?だから…」

「嬉しい…」

「ごめんな、誤解を招くようなことをして」

「私こそ、ごめんなさい。疑ったりして」

「いや、仕方ないよ」

「ねぇ、比企谷君」

「ん?」

「これ、つけてくれないかしら」

「お、おう」

 

「うなじ…、綺麗だな」

「バカ…。早くつけなさい」

「はい」

「どう…かしら…」

「うん、似合ってる」

「ありがとう、比企谷君。ごめんなさい、返せるモノが…」

「いいんだ。俺が雪ノ下にプレゼントしたかったんだから」

「比企谷君…」

「なんだ?」

「大好き…」

「俺もだ、雪ノ下」

 

翌日 大学

 

「雪ノ下、彼氏の浮気はどうだったの?」

「大丈夫よ、妹さんだったのよ」

「え?でも、手を繋いでいたよ」

「ちょっと、シスコン・ブラコン気味だから」

「…そうなんだ」

「それでね、彼がアクセサリーショップに一人で入るのは気後れするから、妹さんに付き合ってもらったらしいのよ」

「それで、プレゼントしてもらったのが、そのネックレスなんだ」

「えぇ。どうかしら?」

「とってもいいよ。良かったね」

「ええ」

 

 




―――――――――――――

八雪のノロケばっかりだ…

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