ゴールデンウィーク2日目
コーヒーショップ
昼前
「こんにちは」
「やっはろー」
「雪ノ下、由比ヶ浜、いらっしゃい…。適当に座っててくれ…」
「…満席ね」
「そうだね」
「悪い、呼ばれてる。はい、只今伺います!」
「お嬢ちゃん方、悪いな。急に客が増えてな」
「しかも、女の子ばっかり…」
「ゆきのん、これってヒッキーが…」
「恐らくは…」
「ゆきのん、手伝おうよ」
「え、ええ、そうね。マスター、手伝います」
「すまない、助かる。奥にウエイトレスの制服が何着かあったはずだから、適当に着てくれ!」
「わかりました!」
数分後
「おい、雪ノ下も由比ヶ浜も…」
「比企谷君、手伝うわ」
「ヒッキー!私も!」
「いや、しかし…」
「いい加減、貴方も人を頼りなさい」
「そうだよ!」
「…そうだな。すまんが、頼む」
「せんぱ~い。可愛い後輩が…、て、なんですか、満席じゃないですか!」
「悪い、一色。お前にかまってる暇はない」
「一色さん、ちゃんと順番待ちをしてくれるかしら」
「いろはちゃん、やっはろー」
「坊主!コーヒー出してくれ」
「はい!」
「テーブル片付きました」
「次にお待ちの方、どうぞ」
「わ、わ、わ、どうして…」
「あぁ、面倒くせぇな。一色!立ってるなら、手伝え!」
「で、でも…」
「ショートの嬢ちゃん、暇なら手伝ってくれ」
「わ、わかりました!」
夕方
「坊主、closedにしてくれ」
「了解です」
「ありがとな、嬢ちゃん達」
「い、いえ…」
「お客さん、すごかったね」
「先輩、ヒドイです」
「悪かったよ」
「じゃあ、お詫びにデートしてください」
「あ、バカ…」
「一色さん…。何を言ってるのかしら?」
「じょ、冗談ですよ…、ははは」
「いろはちゃん相手でも、容赦ないね、ゆきのん…」
「マスター、厨房お借りします」
「お、おう、かまわないが?」
「一色さんも、手伝ってもらえるかしら」
「雪ノ下先輩、何をするんですか?」
「本当は、お昼にしようかと思っていたんだけど、パンケーキを焼こうと思うの」
「いいですね、手伝います」
「雪ノ下、何か手伝うことはあるか?」
「そうね…。コーヒーを煎れてもらえるかしら」
「任せろ」
「パンケーキ旨いな。さすが、雪ノ下」
「そ、そうかしら」
「先輩、私も作りましたよ~」
「はい、あざといあざとい」
「も~!あざとくないです!」
「ゆきのん、私にも出来るかな?」
「今度、一緒に作りましょう」
「わ~い」
「嬢ちゃん達、ありがとな。今日のバイト代だ」
「そ、そんな…」
「いいんだ、俺の気持ちだ」
「ありがとうございます」
「あ、あのマスター…」
「どうした?」
「明日もお手伝いしても…」
「俺はありがたいが…」
「雪ノ下、いいのか?」
「ええ」
「それなら、頼む」
「はい、よろしくお願いします」
「私もやりたいけど、明日は優美子達と出かけるからな…。私も明後日とかいいですか?」
「勿論だ」
「やった~!ゆきのんとヒッキーとバイトだ」
「私は、家族旅行なんです…」
「ショートの嬢ちゃんもありがとな。気持ちだけで充分だ」
「雪ノ下、明日からも頼むな」
「任せて。貴方に悪い虫がつかないようにするわ」
「?」
「やっぱり、ヒッキーは鈍感系だね」
「ですね」