珈琲   作:おたふみ

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大学編・その14

ゴールデンウィーク4日目

 

「へぇ、昨日はサキサキが手伝ってくれたんだね」

「アイツ、すげぇわ」

「そうね。彼女の営業スマイルに何人の男性客が心奪われたか」

「ほぇ~。さすがサキサキ」

「川崎だけじゃねぇよ。俺が男性客を接客したら、舌打ちされたぞ」

「それは私もよ。女性客はあからさまに睨んできたわ」

「でも、ゆきのんは負けてないよね」

「そうね。笑顔で答えたわ」

「絶対、その笑顔は怖いよ」

「店開けるぞ」

「うっす」

「はい」

「は~い」

 

「なぁ、雪ノ下」

「なにかしら?」

「昨日、川崎もすげぇと思ったが、由比ヶ浜もすげぇな」

「そうね」

「さすが、元・奉仕部のコミュニケーション担当だな」

「あのお客さん、デレデレしちゃって…。比企谷君みたい」

「してねぇよ。してないよね?」

「さぁ、どうなのかしら」

 

「よし、店閉めるぞ」

「うっす」

「明日は休みにするからな」

「どうかしたんですか?」

「あ、明日はだな。その…」

「了解しました」

「わかりました」

「比企谷君、由比ヶ浜さん、どういうことかしら」

「ほら、ゆきのん…」

「由比ヶ浜、雪ノ下に察しろっていうのは無理だ」

「貴方には言われたくないわね。それで、鈍感谷君、どういう理由なのかしら?」

「久しぶりに聞いたわ。まぁ、マスターは平塚先生とデートなんだよ」

「あ、いえ、その…、オシアワセニ

…」

「雪ノ下、大丈夫か?」

「まだ、ゆきのんは耐性が出来てないんだね」

 

「んじゃ、お疲れ」

「ゆきのん、ヒッキー、バイバイ♪」

「またね、由比ヶ浜さん」

 

「比企谷君、今日はどうするのかしら?」

「悪い、雪ノ下。俺は実家の留守番頼まれてるんだ」

「そう…」

「あ~、雪ノ下」

「…なにかしら?」

「カマクラも留守番してるはずだから、来るか?」

「…カマクラさん。…猫。何してるの比企谷君、早く行くわよ!」

「おい、スイッチの切り替え早ぇよ。それに実家は逆方向だ」

「そ、そうね…」

「その前に、部屋に寄って着替えもっていかないとな。雪ノ下はどうする?泊まるか?」

「比企谷君の実家にお泊まり…。カマクラさんとお泊まり…。えぇ、そうするわ」

「思考回路大丈夫か?」

「大丈夫よ」

「着替え持って、食材買って行くか」

「夕食は何がいいかしら?」

「雪ノ下が作るモンはなんでも旨いからな」

「そ、そう…」

「今さら照れるなよ」

「好きな人に誉められるのは、嬉しいのよ」

「お、おう…。そうか」

「貴方だって、照れてるじゃない」

「まだ耐性が不十分なんだよ」

「夜は、あんなに獣みたいになるクセに」

「そんなこと言うと、今夜も獣になるぞ」

「あの…」

「ん?」

「…優しくして」

「…はい」

 

 




―――――――――――――――

…リア充、爆発しろ

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