ゴールデンウィーク4日目
「へぇ、昨日はサキサキが手伝ってくれたんだね」
「アイツ、すげぇわ」
「そうね。彼女の営業スマイルに何人の男性客が心奪われたか」
「ほぇ~。さすがサキサキ」
「川崎だけじゃねぇよ。俺が男性客を接客したら、舌打ちされたぞ」
「それは私もよ。女性客はあからさまに睨んできたわ」
「でも、ゆきのんは負けてないよね」
「そうね。笑顔で答えたわ」
「絶対、その笑顔は怖いよ」
「店開けるぞ」
「うっす」
「はい」
「は~い」
「なぁ、雪ノ下」
「なにかしら?」
「昨日、川崎もすげぇと思ったが、由比ヶ浜もすげぇな」
「そうね」
「さすが、元・奉仕部のコミュニケーション担当だな」
「あのお客さん、デレデレしちゃって…。比企谷君みたい」
「してねぇよ。してないよね?」
「さぁ、どうなのかしら」
「よし、店閉めるぞ」
「うっす」
「明日は休みにするからな」
「どうかしたんですか?」
「あ、明日はだな。その…」
「了解しました」
「わかりました」
「比企谷君、由比ヶ浜さん、どういうことかしら」
「ほら、ゆきのん…」
「由比ヶ浜、雪ノ下に察しろっていうのは無理だ」
「貴方には言われたくないわね。それで、鈍感谷君、どういう理由なのかしら?」
「久しぶりに聞いたわ。まぁ、マスターは平塚先生とデートなんだよ」
「あ、いえ、その…、オシアワセニ
…」
「雪ノ下、大丈夫か?」
「まだ、ゆきのんは耐性が出来てないんだね」
「んじゃ、お疲れ」
「ゆきのん、ヒッキー、バイバイ♪」
「またね、由比ヶ浜さん」
「比企谷君、今日はどうするのかしら?」
「悪い、雪ノ下。俺は実家の留守番頼まれてるんだ」
「そう…」
「あ~、雪ノ下」
「…なにかしら?」
「カマクラも留守番してるはずだから、来るか?」
「…カマクラさん。…猫。何してるの比企谷君、早く行くわよ!」
「おい、スイッチの切り替え早ぇよ。それに実家は逆方向だ」
「そ、そうね…」
「その前に、部屋に寄って着替えもっていかないとな。雪ノ下はどうする?泊まるか?」
「比企谷君の実家にお泊まり…。カマクラさんとお泊まり…。えぇ、そうするわ」
「思考回路大丈夫か?」
「大丈夫よ」
「着替え持って、食材買って行くか」
「夕食は何がいいかしら?」
「雪ノ下が作るモンはなんでも旨いからな」
「そ、そう…」
「今さら照れるなよ」
「好きな人に誉められるのは、嬉しいのよ」
「お、おう…。そうか」
「貴方だって、照れてるじゃない」
「まだ耐性が不十分なんだよ」
「夜は、あんなに獣みたいになるクセに」
「そんなこと言うと、今夜も獣になるぞ」
「あの…」
「ん?」
「…優しくして」
「…はい」
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…リア充、爆発しろ