シャアの(非)日常   作:原作愛が足らぬわ!

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「みんな待ってたんだ。お気に入りした人も、しおりを挟んだ人も、感想をくれた人も、あの駄作を読んでくれた人たちは、それで続きを早く出してくれると思ったから、待っていたんです。みんな、あなたを信じたんだ。 なのにあなたは1ヶ月もすっぽかして、積みプラの量産者になって戻ってきた。それでやることが、番外編でお茶濁しだっていうんですか!?そんなバカな話はない!!あれはいったい何のための初投稿だったんです!?作者!!」



【シャアと忘却】

「わたくし、おままごとがしたいですわ!おとうさまがパパ役でわたくしがママ役ですわ!」

 

「おいおい、それだとお母さんはどうするんだい?」

 

「おかあさまはわたくしのおかあさまですわ!」

 

「うふふ、ありがとう。」

 

 

「ねぇパパ!ママ!きょうのよるごはん、たのしみにしててね!わたしがおいしいすぶたつくってあげる!」

 

「ママといっぱい練習したものね、きっと世界で1番美味しい酢豚ができるわね。」

 

「そうか、楽しみだなぁ。」

 

 

 

「おかーさん!もっとブランコおして!」

 

「はいはい、危ないからちゃんと前見て手すりにつかまってなさいね。」

 

 

「くろうさぎたんけんたい!つぎはすべりだいへとつにゅうする!わたしにつづけ!」

 

「たいちょう!くーちゃんがまだじゃんぐるじむからおりられないそうです!」

 

「そうか!ではじゃんぐるじむへきゅうこうする!いまいくぞわがあねよ!」

 

 

「おねいちゃん、なんであつくもないのにいつもせんすもってるの?」

 

「それはね…おとなのおねえさんっぽいからよ!」

 

「あ、うん…そ、そうなんだ…」

 

 

 

気がつけば私は1人、公園のベンチに座っていた。

目の前にはブランコに乗った子供とそれを押す母親、おままごとをする子供とそれに付き合う両親、向こうには3人仲良く手を繋いで帰路につく家族連れ、それに遊具で遊ぶ子達もいる。

家族か……私の家族はどんな人物だったのだろうか。

 

 

私と家族は……。

 

 

「気になりますか?」

 

「え…?」

 

横を見れば私の隣にはセーラ服に身を包む千冬女史が座っていた…一緒に座っていたのかそれとも学校帰りで座ってきたのかはわからない。

 

「話しましたっけ?私と一夏の両親の話…。」

 

「あ、あぁ、幼い頃に失踪してしまったそうだな…。幼い君達を放り出して酷い親も居たものだ。」

 

「そうですね…今は一夏と二人っきり…丁度同じですね。」

 

「……何のことだ?」

 

「いや、1つ違いましたね…。」

 

 

 

 

「私はたった1人の家族に死を望まれるような生き方はしていないつもりだ。」

 

 

「私が…死を…?千冬女史、君は何を…」

 

 

「せんぱーい!早く行かないと遅れますよー?」

 

 

向こうで誰かが千冬女史を呼ぶ声がする。見てみるとそこには千冬女史より年上か…おそらく成人は越えている眼鏡を付けた…背は年齢の分今の千冬女史よりも少し高そうだ。

 

「失礼します。」

 

 

スーツ姿の千冬女史はもう用はないと言いたげに立ち上がり最後まで私の方を見ずにそのまま眼鏡の女性と肩を並べ公園を出ていった…家族に死を…?私は一体何をしでかしたというのだ…。

まさか私は家族に……。

 

 

「嫌われていた?」

 

 

 

「どわぁっ!?」

 

「どちらかと言えばトローペンが好きかな?」

 

 

千冬女史を見送っていたらいつの間にか目の間には束が立っていた、驚いた…文字通り私を見下ろすように目と鼻の先で立っているのだからな。

 

 

「別に家族なんていいんじゃない?思い出せないほどどうでも良かったんでしょ?束さんも可愛い可愛い妹以外の血縁上の家族の名前をちょくちょく忘れるしね〜。」

 

「酷い子供も居たものだな…。」

 

 

 

「ところで、本当に記憶喪失なの?」

 

「あぁ、嘘だったならどれ程良かったことか…。」

 

自分の名前すら思い出せないなんてな…情けない事だ、家族と過ごした日々も、友達がいたのかもわからない。

束にはきっとわからないだろうな、私の苦しみというものは。

 

「まぁ、いいんじゃい?思い出さなくても。」

 

 

「良くない!…私は知りたいのだ。私が誰なのか、何をしてきたのか、どうしてここにいるのかを。」

 

 

「ん〜……それ、なんじゃない?」

 

「それ?」

 

 

「どうしてここにいるのか…って今言ったじゃん?」

 

 

「言ったが…」

 

何が言いたいんだこいつは…。

 

 

「だからさ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「家族も知り合いも、自分のしてきた事も、自分のいた場所も、自分を知っている人間からも、何もかも忘れたかったんじゃない?」

 

 

その言葉に私は、驚くほどに即座に声を返すことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………違う!!違う違う違う!!そんなはずが無い!」

 

「忘れていた方がいいこともあるよ?」

 

 

 

 

「何が不満なの?」

 

 

「妹みたいなちーちゃんがいて」

 

 

「弟のようないっくんがいて」

 

 

「…束さんも友達になってあげてもいいかもね?」

 

 

「きっとお母さんみたいに優しい女の人も、ここで見つけられるよ?」

 

 

「ここなら、今度は自分の望んだ場所でやりたい様に生きていけるんじゃない?」

 

 

気づけば束の後ろには青年になり何かの制服を身につけた一夏くんが、教師のように出席簿を手に持つ千冬女史が、千冬女史を呼んでいた女性が、一夏くんと似たような制服に身を包む少女達が……

 

 

 

 

 

「違うっ!!私は!記憶を取り戻して…っ!自分の居るべき場所に帰るんだっ!!」

 

「それで今居る場所まで失うとしても?」

 

 

 

 

「今の私に失って困るものなど…っ」

 

 

 

「…………ふーん、大抵の奴らはこっちの方がいいって言うんだけどな。」

 

そう言って束は興味を失ったような表情をしてから振り返り歩き出す…気づけば公園には私と彼女しか人はいなかった。

 

「?…何を言って…。あ、おい!待て束っ!」

 

慌てて追いかけるが私の脚は思うように動かない、手を伸ばしても届かない……今の言葉、束は何か知っている…私は知りたい!私が何者なのか…っ!例え、どんな結果になっても……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て束っ!!」

 

「ひゅんふっ!?」

 

 

「ああ!?大丈夫か束!」

 

「西さんのかおにラクガキしようとしてたたばねさんの目にマジックがちょくげきした!?」

 

 

「…………寝て、いたのか…私は。」

 

 

「ぅぉぉお…目が…束さんの高級一眼レフ並に繊細なおめめが…っ」

 

 

「…はぁ、寝ている相手にラクガキなんぞするからだ馬鹿者。」

 

 

「たばねさん、だいじょうぶ?目ぐすりつかう?」

 

 

「…………漢字、使えるようになったのだな。」

 

 

 

 

少年の成長に気づき、油性マジックで顔に描かれたちょび髭の事にちっとも気づかない男であった。

 

 

 







「駄作なんざ!一作ありゃ充分だぁああああっ!!」

(発砲音)
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