シャアの(非)日常 作:原作愛が足らぬわ!
出禁和尚に連れ去られて2週間…まさか本格的に僧侶として修行させられるとは思わなかったな…というか原因は束が騒いだからだろうに何故私が…。痛っ!?
「っ…防具を付けていてもやはり痛むものなのだな…。」
「大丈夫か西、やはりこれくらいで終わりにした方が…。」
「いや、お構いなく…。」
この目の前にいる男は出禁和尚の息子の牙流馬(がるま)という、ちょうど私と同い年…といっても私は推定で17歳なのだが…高校生をしながら父親の跡を継ぐために寺の修行をしているらしい…。
今は牙流馬に修行の一環として剣道の稽古をしてもらっている。
「てぁっ!!」
「えぇい!」
「そこだ!」
「まだ終わらんよ!」
「チェストォオ!!」
「沈mぶへぇ!?」
最初の数回は牙流馬の打ち込みを見よう見まねで受け流したり防いだりしたが直ぐにボロを見破られて打ち込まれてしまった…。
認めたくは無いものだな、自分自身の…未熟故の敗北というものは…。
「本当に初めてなのか?初心者にしては筋がいいな。」
「ありがとう…だが本当に竹刀を握るのはこれが初めてさ。」
「そうか……だがな西…ちゃんと面を着けろとあれほど言っただろう。」
そう言う牙流馬の目にはおもっくそ竹刀を打ち込まれて真っ赤に腫れた私の顔面が映るのだろう…しかしこのいつものヘルメットこそがサムライの兜のようなものなのだ、そこは絶対に譲れん。
「まぁなんだ…今回は父上が済まなかったな…あの人は普段は温厚な人格者そのものなのだが、1回怒らせてしまうと中々手が付けられないんだ。僕の方から早く修行を終わりにして貰えるように頼んでみるよ。」
寺に来てから今まで和尚とすれ違う度にネチネチと織斑姉弟を心配するような事を呟いては罪悪感を煽ってきた…そこに牙流馬の進言が加われば上手く行けば明日にでも帰れるかもしれん。
「君がまともな男で助かるよ…ではもう一本行かせてもらおうか。」
邪魔なヘルメットは足元に置いておくとしよう。…ん?別に他の物を被るわけじゃないからセーフさ。
「面を外すか…では僕も面無しで御相手しよう…それが武士の心得だ。」
「ではいくz」
「ちぇすとぉおお!!」
「危なっ!?」
この男言い終わる前に唐竹割りしてきたぞ!?しかもそこからの激しい追撃、防ぎきれん…!
「ちょぉ!タイムタイム!?」
「真剣勝負にタイムなどあるか!ここを戦場だt」
「やっほー!西さーん!」
「なっ!誰だ君は!?」
束っ!何故ここに…しかし牙流馬の動きが止まった今こそ好機!
「隙あり!」
「っ………」
私の奮った竹刀が牙流馬の頭上1歩手前で寸止めの状態で向けられる…防具無しの頭を叩くのは流石にまずいからな…。
「ふふ……牙流馬…ここが戦場なら、君の命は無かったな。」
「…そうらしい、潔く負けを認めよう。」
偶然のマグレもいい所だが、勝利することができた達成感は心地よいものだな。
剣道も面白いし、今日はこれくらいにするとしてまた稽古を付けて貰うとs
「首の皮1枚だっけ?」
「えぇ、介錯をお願いします。」
振り向けば切腹しようとする牙流馬と隣に立ち日本刀を構える束の姿があった。
「いや待て待て待てぇぃ!?何をしようとしている!?」
「止めてくれるな!敗れた武士が腹を切るのは当然のこと!」
「いやぁ、頼まれちゃって。」
「頼まれたからって自殺幇助するんじゃない!!いいから刃物を捨てろ!」
「さらば今生!!」「やめろというに!!」
「済まなかったな、つい武士の血が騒いでしまってな。」
「君もなかなか面倒臭い男だな…しかし束、お前は何故ここにいるんだ?」
「いやー、ちょっと研究が行き詰まったから気分転換に西さんの様子を見に来ようかなぁ、なんてさ」
研究?新しいうさ耳でも作っているのか…?
しかし前回寺で大騒ぎしておいてよく入れたなこいつは。
「彼女は…西のコレかい?」
「残念ながら、彼女は私のちょっとした知人さ。」
「そうなのか…始めまして、僕はこの座日寺n」
牙流馬が握手の手を差し伸べるが束の手がそれを跳ね除ける。
「気安く話しかけんなよ凡人。」
こいつ…っさっきまで仲良くハラキリごっこしてた仲だろう!
「っ…失礼な奴…」
ほら、牙流馬が怒ったではないか!
「すまない、こいつは人付き合いが苦手なのだよ。」
「成程、コミュ障という奴か。」
「束さんをコミュ障扱いしないでよ西さんっ!」
知るか、自称天才だかなんだか知らんがお前が天才らしい所など見た事ないぞ。
しかし夏まで少し早いというのに蚊が多いな…。
「ところで牙流馬、君は寺を継ぐと言っていたが…君には兄や姉が居たのでは無いのか?」
「兄上達は皆自分の道を見つけて進んでいるからね、残された僕がこの寺を継がないと…(ぱしんっ)………ん?」
「…ぷっ、寺を継ぐ僧侶が…ふふ…」
「何が可笑しい?別に牙流馬に変な所など…。しかし君の兄妹か、是非とも会ってみたいものだn」
「花の命は短くて…苦しき事のみ多かりき…。」
「今度こそ天才剣士束さんの出番だねっ!」
振り向けば切腹しようとする牙流馬と日本刀を構える束の姿…。
いや待て待て待て待て!!今の流れでハラキリする場面が何処にあった!?
「おい何をしている!?」
「離せ!!無益な殺生をしたのだ!こうして詫びるしかない!!」
えぇぃ!その極端な考えをやめろ!?くそ!無駄に力が強い…羽交い締めにしても動きが止められん!というか刃物を持ったまま暴れるんじゃない!
「まぁまぁ西さん、ジャパニーズハラキリなんてそうそう拝めるもんじゃないしやらせてあげようよ。」
「うぉ!こら!私を引き剥がそうとするんじゃない!というか日本刀持ったまま掴むな!当たる!?」
邪魔をするな束!?というか子供とは到底呼べない歳の男女が刃物片手に何を掴み合いしてるんだ!?どういう状況だこれは!?
「離せ!命には命を持って償うのだ!!」
「そうそう、離してあげようって。」
「えぇぃ!!私の前後で暴れるな貴様ら!何躓いたら…ぁっ」
そういえば脱いだヘルメット床に置きっぱなしだった…。
「(ズルッ)っ!?まぜらっ!!」「ぎゃろっぷ!?」「わっぱ!?」
(ドンガラガッシャ!!)
「いたた…大丈夫か牙流馬…。」
「あぁ、刃物が刺さらなくて良かった。」
「ん…私が仰向けに倒れてその上に牙流馬がいて…しまった!!束が下敷きn…。」
振り向けば…そこには日本刀が突き刺さってバラバラに壊れた仏像と…白目を向いて仏像を枕にして眠る束の姿があった…。
「………に、西ぃ!?ど、どどどどどうする!?こ、これは国宝級の仏像だぞ!?」
「そ、そそそそそんなも剣道場に置くな!?」
「と、とりあえずこの場を離れて対策をだな…!」
2人で剣道場を出る、どうやら周りには誰も誰もいないらしい…このまま何食わぬ顔で接着剤とか探しに…。
「おや、牙流馬に西殿、どうなされましたかな?」
「わっ!わわわ…お、和尚、いや、牙流馬に兄上が居ると聞いて是非どんな方なのか教えて頂きたく…。」
「ぇ?…あ、は、はい!そうなのです父上!!さ、先程まで西と庭の掃除をしながら話をしていたのです!剣道場ではなく!庭に居たのですよ!!」
「ほうそうか…アルバムなら儂の部屋の押し入れにしまってあるから持っていくといい。」
「ありがとうございます!ではこれで!!」
「失礼しまぁす!!」
「待たれよ。」
「は、はぃい!!」
なななな何だ!?バレた!?バレたのか!?
「修行は今日で終わりにして構いません、幼い姉弟の為に一人大黒柱をしているというのに、儂のくだらぬ怒りで苦労をかけて申し訳ない。」
「い!いえ!元はといえばこちらが(束をちゃんと止めなかったのが)悪いのですから!!」
「……!そ、そうだ西!良ければ僕が家まで送ってあげよう!家で家族が待っているのだろう?なら今すぐ顔を見せに行こうじゃないか!」
「そそそそうだな!そうしよう!何なら牙流馬よ!今日は私達の友情の記念日だ、とと泊まっていかないか?」
下手に牙流馬が捕まったらあの惨状の真相を白状されてしまう…!
「あ、あぁ!ありがとう!お言葉に甘えさせて頂こう!では父上!失礼します!!」
よし、このままさっさと寺を後にするとしよう!!
「いたた…うぅ…束さん…何してたんだっけ……ん」
そうだ、西さんをからかって遊ぼうと寺に来て…色々あってすっ転んで…あら?仏像がバラバラになってる。
「……そこの貴様。」
「ん?束さんを貴様呼ばわりするバカはダーレ…です…か…?」
……それは僧というにはあまりにも大きすぎた。
…大きく……ぶ厚く…重く……そして大雑把すぎた…。
「この仏像……壊したのは……貴様か?」
「な……南無三…。」
「西さん、束の奴が貴方と入れ違いに座日寺で修行していると聞いたのですが…何かあったのですか?」
「私は何も知らんぞ千冬女史。」
「ほーら…一夏くんこうすれば水羊羹の完成だ。」
「がるまさんすごい!」
お気に入り300件突破、誤字報告、評価感想、本当にありがとうございます!
感想、評価をいただきますとラファール・リバイヴに白い悪魔と同等の『ダム』を搭載します。あと作者の意欲がさらに高まります。