シャアの(非)日常   作:原作愛が足らぬわ!

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「いまの私は、自らを駄作と規定している。未完結で飽きられた者たちの想い……ランキング入りの理想を継ぐ者の宿願を受け止める駄作だ。彼らがそう望むなら、私は二次創作者になる。この作品はそのためのものだ。」


シャアと剣道(後半)

『君が柳韻さんの…僕は牙流馬、よろしく箒さん。』

 

 

『例え君が小さな女の子であろうと剣を交えるのであれば真剣勝負で行かせてもらおう、それが武士の心得だ。』

 

 

『僕とて座日寺の男だ…無駄な生き方はしない。』

 

 

私には憧れの人がいる…名を牙流馬、座日寺の和尚さんの息子。私がまだ小学校に入って間も無い頃に父の道場に少しの間だけ通っていた…。

あの人の武士道に殉じようとする精神、剣道の腕、私が女だからと、子供だからと言わずに真摯に向き合ってくれた人…。

たった1週間だけだったがあの人を見ていくうちに幼い私はあの人に惹かれていった…。

 

 

『牙流馬さん!何故道場を辞められるのですか!?』

 

 

『あ、あぁ…寺の者が神社に通っていては下の者に示しがつかないんだ。大丈夫…武士の精神は僕の心と共にある、それを忘れない限りまた会えるさ。』

 

 

彼はこの道場に通わなくなってからも剣道を続けて心身を鍛えていると聞いた。

そして今日はあの人と再開するまたと無い機会、今回は特別ルールで勝ち抜き戦をやる、あの武士道を重んじる牙流馬さんならきっと先陣を切って先鋒を務めてくる筈。逃す訳にはいかない!私は…今日まで鍛えたこの技であの人に勝利を掴み、そして…そして…この想いを…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで牙流馬、今回の試合は特別ルールで三勝先取の勝ち抜きと聞いたが…何故私がトップバッター…先鋒を務めなくてはならないのだ?」

 

 

「心配するな、僕にはちゃんと考えがある。」

 

 

「そうか?なら君を信じるとしよう。」

 

 

「(恐らくあの千冬さんが先鋒辺りで出てくるだろうから、西をぶつけて僕が一方的に叩きのめされるなんて格好の悪い事が無いようにしなくては…。僕が大将をやれば西がやられても残りのメンバー2人が負けて僕に試合が回ることは無い。ふふふ、西、恨むなら千冬さんを恨むといい。君はいい友人だったが千冬さんが強過ぎるのがいけない。)」

 

 

なんか邪気を感じるが気のせいという事にしておこう。

あんな分厚い封筒を見せられては…ふふ…千冬女史、一夏くん、今夜は焼肉だぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、これより座日寺剣道場と篠ノ之道場との親善試合を始めます!」

 

 

「ちふゆ姉!がんばれーっ!」

 

「負けるな箒ちゃーん!」

 

一夏も応援に来てくれていたのか、何故か座日寺の方で応援しているが…一夏に良いところを見せてやりたいが今回は何故か普通の剣道のルールではなく勝ち抜き戦…箒の腕ならおそらく大将の私に出番が回ることは無いだろう。

束も珍しく来ているがこれが実質箒の初試合なんだし応援に来ていても不思議では無いな、ただ西さんの姿が見えないな…。

 

 

「では先鋒!篠ノ之道場、篠ノ之箒。そして座日寺…と…トワクロ…ナジーバ…?(こんな名前の人座日寺にいたっけ…?)」

 

 

ん?白黒アニメみたいな名前の外国人が出てきたぞ……な、なんだ?面の下にグラサンつけてやがる…剣道舐めてるのかあいつは…本当に誰だ?西さん…いや、あんな間抜けそうな偽名を名乗るような人では………駄目だ、あのヘルメットと真っ赤な服装が致命的に説得力に欠けている…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ところで牙流馬、私が座日寺陣営で出るのは不味くは無いのか?』

 

 

『まぁ千冬さんはいい顔しないだろうな、だから私が偽名を考えてやろう、そうだな……マッド=餡暗亜なんてどうだろうか?仏教に興味がある外国人という設定で…。」

 

 

『冗談ではない!?名前は私が適当に考えておく!』

 

 

とは言ったがそれらしいのが思いつかなくて座日寺控え室に置いてあったやけに古い単行本と一夏くんが飲んでいたオレンジジュースから適当に文字った名前を付けたら何故かしっくりくるような来ないような名前ができてしまった。

しかし相手は子供か…こんな小さい子相手に本気を出すのは情けなさ過ぎる、剣道の技量は私の方が劣るだろうが怪我をさせないように手加減せねばなるまい。

 

 

 

「始めっ!!」

 

相手が経験者として上だとしても当たらなければどうということはn

 

「そこぉっ!!」

「南無三っ!?」

 

は、速い!?一歩反応が遅かったら面を取られていたぞ。

 

「そこかっ!」

「冗談ではない!」

 

一歩引いたと思えば即座に胴を狙われ。

 

「これならっ!」

「えぇぃっ!」

 

防ぐ為に竹刀を構えればその隙を狙って小手目掛けて竹刀が振り下ろされ。

 

「てえぇいっ!」

「まだだっ!」

 

竹刀をぶつけて攻撃を逸らしては滑り込むように面へ彼女の一撃が襲いかかる。

 

面、小手、胴、私が一撃一撃を防ぐ度に隙を突いてくる。情けない、一夏くんと変わらない年齢の女の子相手に防戦一方とは…!攻めようにも竹刀を上げようとした瞬間を狙って胴や小手を容赦なく打とうとしてくるな。しかし、戦いとは…いつも2手3手先を読んで行動するものなのだよ。

 

 

 

 

「………っ」

 

「ふれー!ふれー!ほーうきちゃーん!…ん?どしたのちーちゃん?」

 

「い、いや…なんでもない。」

 

大の大人が子供相手に防戦一方…普通の人間ならそう判断するだろう。だが…自惚れる訳では無いが剣道なら私も腕には自信がある、一夏を(物理的に)守れるようにとこの道場で腕を磨いてきた…少なくとも同じ学生相手なら誰にも負けないと自負している…その私からあっさり一本取ってみせた箒……その箒の連撃を全て防いでいるだと…!

 

「ちーちゃん?なんか顔が『邪ッッ!』みたいなタッチになってるよ?大丈夫?」

 

 

「ちょっと黙っててくれ、気が散る。」

 

 

「珍しく束さんが気をつかったのにこの反応…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「沈めぇっ!!」

「まだ終わらんよ!」

 

 

あの素人揃いのメンバーで先鋒は牙流馬さんでは無かったとは…だがこの男、確かに先陣を切るだけの技量はあるようだ。私の打ち込みをことごとく防いでいる…。

私は直感が人よりも強い、そのおかげで相手の隙を付き素早く鋭く攻め込む事で誰が相手でも勝利してみせた。だが…何処を攻めても私の直感がまるで当たらない、まるで一進一退の将棋を千日手させられているようなもどかしさ…私が相手の隙を読めば逆に読み返されているようだ…。剣道自体はお粗末だが明らかに何かが違う…姉さんが千冬さんに惹かれるように言葉に表せない何かをこの人から感じる…!

何だこれは!?何だと言うんだ!

 

 

「これでぇっ!」

「くっ…!」

 

 

面を打ち抜く、それを防ごうとするなら小手を狙う、避けようものならガラ空きの胴へ振り下ろす。

その全てが尽く防がれる、私の直感を後追いで気づいたかのように動いている…おそらく、私と似たような優れた直感を持っているのだろう。

根拠の無い確信が私の中にある、だが相手のそれは私より少し劣るのだろう。攻撃を防ぎきっているのに攻めに転じることができないのがその証拠だ。

 

…ならばこのまま攻め続け防御に綻びができた瞬間を狙う!

 

「そこぉっ!!」

「甘いなっ!」

 

何っ!私の一撃を弾いたっ…そうか、狙いは…っ

 

 

「わかるかっ!ここで攻め込んだ訳をっ!」

 

知れた事をっ!

 

「剣の腕が上でも、身体能力は普通の子供と同じだと思ったからだっ!!」

 

私の体力が落ちれば今までのような連撃は何度も起こせない、それに大人が本気で竹刀を振るえば私でも防ぎ切るのはできないだろう、奴は攻めに回れなかったのでは無い…待っていたのか、私の疲労を。

 

 

「上級者と言えども身体を使う競技は、体力がなければなっ!」

 

 

「そんな理屈っ!!」

 

 

彼の竹刀が容赦なく私へと打ち込まれる、だが攻めに回った事で今度は私の攻撃を読む余裕が崩れている!なら敢えてこちらも攻め込み正面から迎え撃つ!

 

 

「沈めぃっ!」

「そんなもの!」

 

 

疲労が溜まった身体は私の思うように動かない、どれだけ相手の隙をつこうとしても僅かに遅くなった竹刀は彼に防がれる。それでも私にはまだ奴の竹刀を受け流し、打ち返すだけの力は残されている!

 

 

「へぁあああああぁぁぁっ!!」

 

「せぇええええぇぇぇぃっ!!」

 

 

奴の放った竹刀を私は突きの勢いで弾いた、弾かれた竹刀は私の面から逸れて肩へとぶつかる。

 

 

「くぁっ…」

 

私はその痛みに耐えきれずに竹刀を手放してしまった。

 

 

「箒が…竹刀を落としただと…。」

 

 

千冬さんの驚きの混じった呟きが耳に入る。そこまで私を評価してくれていたなんてな。まさか大人と子供のポテンシャルの差があるとはいえここまで互角に張り合ってくるとは思っても見なかった…。

重い痛みが私の肩に響く、竹刀を持つ力も出せないか…だが悔いは無い。

疲労と痛みに耐えられず、私の体は前のめりに倒れ込む…しかし私の身体は床にぶつかる事無く、奴に抱き止められた。

 

 

「立てるかね?」

 

 

「いえ、少し…支えてて貰っても良いでしょうか?」

 

 

「構わないさ。」

 

 

「……相手が大人だからと言い訳はしませんよ、そこまで見通せなかった私の落ち度です、次は完璧な勝利をしてみせます。」

 

 

「気に病むことはない。ただ認めて、次の糧にすればいい。それが求道者の特権だ。」

 

 

「気に病んでなんかいません。」

 

 

私は負けた訳では無いからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初牙流馬に試合に出ろと言われた時はどうせちびっ子クラブみたいな趣味の延長線のようなものかと思っていたがまさかこんな実力者と戦わされるとは、しかも相手はまだ子供だとはな。

だが私も気づかれてはいないとは言え、千冬女史や一夏くんがいる手前、情けない姿を見せるわけにはいかないのだよ。

見る限り竹刀を持てるような状態では無さそうだし、これで私の不戦勝だろうな。

まぁ子供に怪我をさせたのはこの上なくかっこ悪い行為な気がするが…。

 

まぁそれはともかく…

 

 

「中々の腕だ…ヘルメットが無ければ即死だった。」

 

 

 

 

「ん?ヘルメット?…あ、面のことか………あっ!一本っ!!」

 

 

「……え?」

 

「何が『え?』なんです?私の竹刀がしっかり貴方の面に入ったじゃないですか?」

 

 

「え?いや、でも…ヘルメットがあったからこそ私は無傷だし…。」

「これ剣道ってスポーツですよ?」

 

 

 

………熱くなりすぎて微妙にルールを失念していた。

何しているんだ私は、普通忘れないだろう!こんな基本的なルールをっ!

そして試合に時間が掛かりすぎたのかここで終了のホイッスルが鳴る、

私の負けが確定したか…それはそれとして

なぜ試合時間を決めてなかったのだろうか、それ専用のタイマーとかあるだろうに…。

 

 

子供に下手したら障害残すかもしれない勢いの怪我をさせた上に負けたとか…大人として情けなさ過ぎる…。

 

 

「あの…また、勝負してくれませんか?」

 

 

「……それは、難しいだろうな。」

 

 

「何故です?理由は…」

 

 

こんな強すぎる奴の相手なんか何度もやってられるかと言えたらそれが一番だが…うぅむ…あ、そうだ。私は今西という男では無いのだ。

 

 

「私はアメリカ軍のトロクワ大尉だ。そう簡単に君と会えるような身分では無いのだよ。」

 

 

軍人さんってなんか基地にずっといて中々外に出れないイメージだしこれなら大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トロクワって何だよ。西さん変装するにしても面の下にグラサンって…何かあってグラサン割れたら大惨事だよ?やっぱりあの人所々考え無しというかライブ感というか抜けてるというかさ…。

まぁそれはともかく剣道だけなら束さんとちーちゃんでも勝てなかった箒ちゃんとあんな勝負して、ひょっとして結構やれる方なのかな?よく思い出したら束さんと平気で追いかけっこできてたし。

というかあんな覚えやすい声してるんだからちーちゃんも気付こうよ…。

 

 

天災出なくとも気づくだろ。と少女は後に語る。

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てぇえええいっ!!」

 

 

「南無三っ!!??」

 

 

 

「ちふゆ姉カッコイイっ!!」

 

 

「おお、綺麗にちーちゃんの唐竹割りが決まったね…お坊ちゃんカッコ悪ぅ。」

 

 

「まさか一勝一敗の攻防が続いて大将戦まで長引くとはな。」

 

 

「あれ?トロクワ大尉は…?」

 

 

「私は西という男だ、それ以上それ以下でもない。」

 

 

「え?あ…初めまして…篠ノ之箒です。」

 

 

 

 

牙流馬は逃げきれなかったという。

 

 

 

 

 

 

 

 




「もし、駄作がいまも書き続けられているとしたら、それはもう、駄作ではなくなっているのではないかな。」

アンケート御協力ありがとうございます!不定期投稿になりますが少なくとも1ヶ月以内には投稿して見せますのでごゆるりとお待ちください。
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