シャアの(非)日常   作:原作愛が足らぬわ!

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名作とは違うのだよ、名作とは。


シャアの自称

早速だが表札に「西」と書いてみた…未だにしっくりこないな、もっとナウでヤングな名前だった気がする…というかもっと近い答えを見つけていた気がする。

 

まぁ記憶が戻るまではしばらくこの名前で行かせて貰おう。

 

 

 

 

「………(じー)」

「ちふゆねー、どうしたの?」

 

怪しいヘルメット、赤い服、若い男…あの男まさか…いやしかし、人を見た目で決めつけるのは……ダメだ見た目が怪し過ぎてフォローが思いつかん…偏見で人を疑うのは良い行いでは無いだろうが…また一夏があの男と接触するかもしれない以上は…でも一応大家の志麻さんに相談してみるか。

 

 

「ん?(チラッ)」

 

「っ(パタンっ)」

 

 

今誰かが私を見ていたような…気の所為か…?

自意識過剰というやつか、別に誰かに見られるほど目立った行為はしていないし。

 

 

格好そのものが目立つというのは盲点だったと後に語る。

 

 

そうださっき宅配便が来ていたな、私の記憶に関する手がかりがあるかも知れん

 

「(カサカサ)…それ程重いものが入っているわけでは無さそうだな、しかし差出人すら書かれていないとは…開けてみるとしy」

 

『'本日のニュースです、赤の下着ばかりを狙う下着泥棒が現れ世間を騒がせております。』

 

『ほんと、凡人の癖に人の下着を盗むとか有り得ないよね!お気に入りだったのに…ねぇ、ちーちゃんもそう思わない?って何撮ってるんだよ凡人』

 

『あ!おいこらタバネ!』

 

「赤い下着ばかり狙うとは変わった輩もいるものだ(ガサガサ)」

 

『目撃情報によりますと犯人は赤い服装に特徴的な形のヘルメット、そしてマスクで顔を隠した10代から20代で赤に強いフェティシズムを感じる男だそうです。』

 

「!?」

 

咄嗟に振り返ると姿見の鏡には赤い服、特徴的なヘルメット、マスクで顔を隠した10代から20代の男…つまり私が写っていた。

冗談ではない!私には関係の無い話だ、そもそも私は赤色フェチでは…

 

(カパっ)

 

無…い…?

 

届けられた宅配物には小箱に際どい下着が詰められていた……それも情熱的な赤色。

冗談ではない!!こんな下着を持っててこんな服を着ていたら誤解されてしまう!さっさと脱いでしまわねば…!

 

 

 

 

「(ドンドンッ)警察のものですが、ちょっとお尋ねしたいことがあるんですがいらっしゃいますか?」

 

 

 

「………」

 

説明して信じて貰えるだろうか…というか今の私にちゃんと説明できるのだろうか。

 

「大家さん、留守みたいですよ?」

「お巡りが来てトンズラでもこいたのかね?」

「いや、確かに先程まで居ましたし…隣の部屋からテレビの音も聞こえていました。」

 

 

宅配便の時に居た少女か…そりゃさっきのニュースを見て怪しいヤツがいたら大家さんに話すし警察も呼ぶか…逃げるか…いや、今の私に逃げ切れるのか?

 

「ったく、あたしのアパートで居留守をつかうなんて舐めた真似してくれるね。ほら、この合鍵で開けてやりな!」

「あ、はい…開けますよー?」

 

えぇい!ままよ!!

 

(ガチャ)

 

「ど、どうも…」

 

ドアを開けるとそこには少年の姉君とお巡りさん、そして男勝りな雰囲気の女性…大家さんが立っていた…今の私はシャツにパンツと下着姿…おばちゃんとかが相手ならともかく見た目若い女性2人の前でこれはセーフなのだろうか…

 

「(こんな奴入居させたか?)あんた、最近この町を騒がせてる下着泥棒は知ってるね?ここにいるお嬢ちゃんがそれらしい怪しいヤツを見たって言ってるんだよ。」

 

「さ、さぁ…私にはなんの事やら…?」

 

「(いやさっきガッツリ怪しい格好で宅配便受け取ってただろ!私の前でよくしらばっくれるなこの男…)」

 

「なんか怪しい反応だな…君、名前は?」

 

「わ、私は…」

 

く、あのしっくりこない名前を認めるしか無いのか……だが、下着泥棒のレッテルには変えられん!!

 

「西です!よろしく!」

 

私はお巡りさんへできる限りの笑顔を見せて敬礼する。

今の私は西だ、それ以上それ以下でも無いし下着泥棒でも無い。

 

「よ、よろしく…お嬢さん、ひょっとして勘違いだったんじゃないかな?」

 

「え?」

 

「まぁ本当に下着泥棒ならお巡りが来て堂々と対応する事も無いだろうね…」

 

「あ、ちょっ」

 

「それじゃぁ、本官はパトロールに戻らせて頂きます。」

「悪かったね時間取らせて」

 

「勝利の栄光を君に!」

 

何とか乗り切った…念の為に服とヘルメットは押し入れにしまい込んだが必要なかったかもしれないな、お巡りさんも行ったし、部屋に戻るとs

 

「ん?あんた、部屋の奥にある箱はなんだい?」

 

「何か赤い物がチラついているような…」

 

……………えぇい!運が悪いとこんなものか!!

 

「あ、あれは!えっと」

 

「ちょっと失礼するよ」

 

私の抵抗も虚しく大家さんが横をすり抜けて部屋へ入っていく。

終わった…

 

「これは…」

 

「お、大家さん!これには訳が…!」

 

「なんだ私が注文した荷物じゃないか、届かないと思ったら間違って届いてたのかい」

 

「あ、さっきの宅配便…」

 

「どうやら本当にタダの勘違いだったみたいだね。」

 

「すいません西さん…」

 

「い、いや、わかってくれればそれでいい…」

 

お嬢さんの勘違いなど気にする程の事ではない。

 

 

大家さんが凄いニコニコした顔で近づいて来る事に比べたらな。

 

 

 

「ま、疑いも晴れたところで…来月の家賃、しっかり頼むよ?(箱の中身をバラしたら…わかってるね?)」

 

「は、はい!もちろんです!!」

 

「全く、あたしのアパートには訳ありそうな奴ばっかり入ってくるね…なんか損な役回りを押し付けられた気分だよ…。」

 

「…………ふふ、それは君が…大家だからさ。」

 

「(しっかり大家さんが立ち去るのを待ってから言ったなこの人)」

 

 

こうして、私は晴れてこのアパートに「西」として事となった。

 

『本日のニュースです、世間を騒がせていた下着泥棒が現行犯逮捕されました。』

 

『まて!離すんだ!そうだ、私にいい考えがある!』

『現行犯逮捕のクセして何言ってるんだ!大人しくしろ!』

『ホワァァアアアア!!』

 

 

後日、下着泥棒は無事に逮捕された。




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