シャアの(非)日常   作:原作愛が足らぬわ!

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ニジソ・サク…残業(たたかい)の中で、投稿(たたかい)を忘れた。


シャアの援助

しかし、大家さんには感謝しなくてはならないな…私の記憶喪失を受け入れてくれたどころか私に足りない常識をお使いやお手伝いという形で教えてくれ、今では私も立派なアルバイターだ。

…記憶の手掛かりは未だに見つからないが安定した生活が遅れる程度に貯金の余裕ができてからでも遅くは無いだろう、少なくとも来週末までに家賃を支払わなくてはならないしな。

 

そんな事よりも今週のお給料を…「どうして私がクビなのですか!?」

 

何やら騒がしいな…っ!あの娘は…お隣さんじゃないか

 

「織斑くん…調べさせてもらったが君はまだ14歳、我が御出砂建設の社内規程には高校生以下の年齢の者は採用できないと書いてある。年齢を誤魔化した事実もあるし、この話は決定事項なのだよ。」

 

「そうですが…」

 

「それに初犯でもなく、あちこちで同じ事をして追い出されているようだな。君が入って来て直ぐにタレコミがあったよ…何か事情があるのかもしれないが融通を聞かせられるほど私に余裕がある訳では無い…これが今日までのバイト代だ、受け取りたまえ」

 

「っ……今まで、ありがとうございました…。」

 

……どうしよう、ドアから出てきた彼女と入れ違いで給料を貰いに行くなんて………凄く行きづらい、というかアルバイトって年齢制限あったのか…適当に17歳と言ってしまったが大丈夫だろうか…。まぁ給料は彼女が行ってから貰うとして、私はトイレで時間を潰すとしy

 

「…西さん、聞いていたんですね」

 

…………な、気づかれただと…

 

「いや、驚いたような顔をされてますが、ヘルメットが壁からはみ出てましたよ…というかアルバイト中ずっと思ってましたけど服はちゃんと作業着なのにそこは頑なにいつものヘルメットとマスクなんですね…。」

 

「ふっ…私は仕事へ向かっても必ず帰ってくる主義なのだよ…帰宅したい一心でな。だから作業用ヘルメットだの安全帯などは着ないのだよ。」

 

「そうですか……(建設会社のアルバイトでそんな事してたらいつか帰らぬ人になりそうだと思うが)」

 

「………場所を変えようか、外で少し待っていてくれ。」

 

そう言うと彼女は頷いてその場を後にしてくれた、よしこれで安心してお給料を貰いに行ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は彼と共にアパートへ戻るとそのまま西さんの部屋へ入った…

 

西さん…金髪に青い瞳、顔つきを見るにおそらく日本人では無いだろう…「西」という名前もたまたま持っていた麻雀牌から付けたらしい。本人は記憶喪失だと語り、気がついたら隣の部屋に居たと言っていた…本当かどうかはわからないが少なくとも彼が現れてからのこの一週間、日頃の言動や態度を見る限りは悪い人ではないと思う。

………まぁ、常に真っ赤な服に黒マントとヘンテコなヘルメットとマスクで身を固めているという点においては充分怪しい人物なのだが。

 

悪い人ではない……でも…

 

「それで、よければ話を聞かせては貰えないだろうか?」

 

ただのお隣さんというだけで家庭の事情とか話せる程親しい間柄でも無かった気がする…なんかその場の雰囲気で来てしまった…。

普段ならこんな事はしないのだが…ひょっとして私は騙されているのでは…?

 

「コーヒーを入れよう、砂糖とミルクはいるかね?」

 

「い、いえ…大丈夫です。」

 

ダメだ、マスクで表情がわからん…というかこんな格好してる奴に私は何を相談するつもりなんだ…これなら大家さんに今月も家賃の先延ばしを頼む方がマシな気がする、しかし先延ばしして貰った所でもう私を雇って貰えそうな所も無い、貯金も直ぐにそこを尽きてしまうだろう…アイツを頼ってもいいが…金と引換に何をさせられるかわからないし正直後の人生がおかしくなりそうな気がする。

 

………どうせ、まともな宛も無いんだ、本当の事では無いが話すだけ話して見よう。

きっと藁にもすがる思いというのはこんな気持ちなのだろうな…。

 

「実は…」

 

 

 

 

 

 

 

「そうか……両親が…」

 

なんか場の雰囲気につい流された結果、挨拶する程度のお隣さんのとんでもなく複雑な事情を聞いてしまった…。

どうやら彼女…もとい千冬女史は幼い頃に両親が失踪してしまい、頼れる親族も無く弟の一夏くんと2人だけで生活してきたらしい、両親の残した貯金も尽き生活費を稼ごうと年齢を偽ってアルバイトをするも直ぐにバレてしまいもう働けるところもなく家賃も支払えていない…と。

うん、正直、私には手に負えない……だが…幼くして両親を失い頼れる存在も無く二人きりか…不思議と他人事として放って置くことができない、どうにかして助けてやれないものか…1番手っ取り早いのは私の給料から今月分の家賃だけでも貸してやることだろう、しかし私の主観だが彼女が手放しにそれを良しとするとは思えん…。

 

「どうしたものか…。」

 

 

 

 

ほれみろ、相手を困らせただけじゃないか…そもそも1部は嘘だし…だが、誰かに打ち明けただけでも心が楽になったような気がする。

 

「すいません、こんな話を聞かせてしまって…ですが1人で抱え込むよりも少しだけ楽になりました。」

 

私も女だ、選り好みさえしなければ金を稼ぐ手段は幾らでもあるだろう、それが嫌でも最悪アイツに頭を下げれば少なくとも一夏が真っ当に暮らせるだけの額は手に入る、どんな事をやらされるかわかったものでは無いが…。

 

「ありがとうございました、失礼します」

 

「あっ、ちょ…」

 

ひとまず明日の朝に大家さんに頭を下げるとしよう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだいお嬢ちゃん急に改まって…」

 

「志麻さん、本当に申し訳ないのですが…今月のy」

 

「織斑姉弟を私の部屋に同居させたいのですがダメでしょうか?」

 

「西さん!?」

「…いきなり何を言い出すんだい?」

 

 

 

ふふふ、昨日徹夜で考えた甲斐があったな。

そう…私の出した結論、すなわちルームシェア…家賃を貸しても千冬女史のような性格ならそれを良しとしない、彼女達の生活費を私が稼ぐ代わりに千冬女史に家事をしてもらう言わばハウスキーパー…これなら等価交換な筈、彼女も遠慮なく頷いてくれるはず…!

 

 

 

 

「あんた、いきなり家族でもない中学生の女の子を自分の部屋に住まわせろだなんて……本当に何言ってるんだい?」

 

「えっ…」

 

 

深夜テンションが脳を支配していたと後に語る。

 

 

 

「……話したのかい?」

 

「…はい」

 

西さん、いきなり何を言ったかと思えば…そうか、昨日の話を聞いて西さんなりに私を手助けできないか考えてくれたのか確かに西さんが生活費を稼ぐ代わりに家事をやれと言われればただ金を与えられるよりは対価が発生している分…………でもその結論に至るとは思わなかった。客観的に女子中学生と男子小学生が身元不明の男と1つ屋根の下は色々問題視されると思うのだが…あ、よく見たらマスクがズレて目の隈がちらっと見えてる。

 

「……はぁ……まぁ、毎月毎月雨に打たれた子犬みたいな目で家賃の先延ばしを頼まれにくるよりはマシかもしれないね…それもお嬢ちゃんがよければだけどね」

 

「志麻さん!?」

 

OK出ちゃうのかよ、いや私の嘘の事情を知っているとはいえそれでいいんですか志麻さん…いや、逆に考えてみよう…もし本当に西さんと暮らすとして、言い方が悪いが西さんのアルバイトの収入でも家賃は充分払えるだろう…このアパートで暮らす分には生活費の問題はクリアできる…私は今までアルバイトで一夏を1人で家に残してしまっていた分これからは一緒にいられる時間が増える…あ、これは結構嬉しいメリットだな、私も高校生になれば堂々とバイトができる、なんなら学校に行かずに働くことだって…だから一夏がちゃんと学校へ行く為の費用もなんとかできるはずだ…問題点は、西さんへの負担が大きいこと、それと……学生の年齢の私達が西さんと一緒に暮らすのは法律的に不味い気がすること位か…そこら辺はまぁ、なんとか誤魔化そう。

 

「………わかりました、よろしくお願いします。」

 

「良い答えが聞けて安心したよ、これからはよろしく頼む。」

 

 

 

今思えばこれが運命の分岐点だったと男は後に語る。




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