俺には逃げたい人(達)がいる   作:ぽぽろ

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いよいよ本日は我が愛しの弦巻こころの誕生日!
歌えや騒げや!今日は宴じゃ!
何故かアンケートこゝろに入れた人多いけど、気にするな!そんな人にはこころの魅力を語った1万字越えの奴送ってやんよ。



こころ誕生日記念 後編

彼、昴は、適当に携帯でゲームをしながら美咲を待っていた。

20分位待てど美咲は来ず、電話でもかけてやろうと思っていた時に、待っていた人は来た

 

「あ~ごめん。待った?」

 

「あぁ、めっちゃ待った。」

 

「女の子の準備には時間がかかるんだから、男ならちょっとくらいに待っても文句言わないで」

 

「最近だと、男なら!とか、男なんだから!ってパワハラになるんだって」

 

「へぇ~次から気をつける。」

 

「まぁ、いいよ。所でこころって何を渡したら喜ぶと思う?」

 

「アンタが渡すなら何でも喜ぶでしょ」

 

「こころは誰に何を渡そうとしても喜ぶからな…その優しい所が好き…!」

 

「ハイハイ、ご馳走様。で?何買うか決まった?」

 

「こころは何でも喜ぶから逆に決めにくい…

多分こころなら、犬のフン上げても喜ぶよ」

 

「一体恋人に何をあげようとしてるの…?

ていうか黒服の人に止められるでしょ。」

 

「だな。まぁ、取り敢えず見て回るか」

 

「っていうかあたしとアンタ2人で歩いてたらこころに見つかった時に勘違いされない?」

 

「こころがここにいる訳ないだろ。買い物とかは黒服の人だろうし、多分楽しい事でも探しているんでしょ」

 

「そっか。なら大丈夫か。」

 

「こころが嬉しくて、許してくれそうなの探すか…」

 

 

 

* * *

 

 

 

「こころ様、着きました。ここが、この付近で1番大きいデパートです。」

 

「ありがとう。」

 

「こころ様おひとりで大丈夫ですか?

今すぐここを買い取って貸切に致しますか?」

 

「大丈夫よ。私もそこまで子供ではないわ。」

 

「承知しました。ではお帰りになる時にはご一報を。」

 

黒服の人は、そこでサッと何処かに消えた。

 

「さてと、どこを見ましょうか。」

 

 

 

* * *

 

 

 

それから、彼女は沢山見て回ったが、彼女の心が晴れることは無かった。

どうしても彼の事が頭から離れなかったのだ。

 

「もう、全部見終わったしどうしまょうか…」

 

そのショッピングモールに入っていたファミレスでジュースをちゅーと飲みながら考えていた。

 

その時

 

「美咲、疲れたなぁ…」

 

「そうだね。ちょっとそこで休憩しようか。ご飯くらい食べていこ。」

 

「確かにいい時間だしな。ここでご飯食べるか」

 

 

 

* * *

 

 

 

何処かから、自分の頭から離れなかった恋人と隣には、自分の親友が仲良く2人で入って来ていた。

 

その時彼女は

自分は捨てられるんだ。

そう思った。

自分より、自分の親友の方が彼にとっては大切だった。

だから、自分の誕生日を覚えていてくれなかった。

 

『お願い。もう帰るわ。迎えに来て頂戴』

 

『了解しました。そろそろだろうと思って近くに止めてございます。すぐに向かいます』

 

そして、彼女は逃げるように走り去った。

目に少しの涙を貯めて。

 

 

その姿を親友は偶然見ていた。

 

 

 

* * *

 

 

 

「本当にどうするかな…」

 

「あっ。あれこころじゃない?」

 

「いや~あいつにあれは向いてないでしょ」

 

「え?何の話?」

 

「え?あいつに夏目漱石のこゝろは向いてないんじゃないかな…」

 

「え?違うよ。さっきこころがいたような気がしたんだよね。」

 

「でも黒服の人居ないし、気の所為じゃない?」

 

「そっかなぁ…」

 

「さてと、そろそろ再開しますか。」

 

 

 

* * *

 

 

 

彼女は1人、部屋で蹲り、嗚咽をこぼしていた。

 

「スバル…スバルぅ…スバルぅぅ…!」

 

愛しい彼の名前を呼びながら、自身の身体を抱きしめ慰めるように。

 

彼を散々自分の自己中心的な事に連れ回したのが行けなかったのか。

 

そんな考えが頭を巡り、自己嫌悪に陥っていた。

彼女の従者は何をするでもなく、ただ扉の前で主人の嗚咽をずっと、ずっと聞いていた

 

 

 

* * *

 

 

 

美咲と彼女への誕生日プレゼントを買い終わり、家に帰ると、家には黒塗りの高級車が止まっていて、黒服の人が二、三人家の前に立っていた。

 

「…どうかしましたか?」

 

「昴様、お車にお乗り下さい。」

 

押し込まれるように、車に乗り、弦巻家にへと向かっていった。

 

「昴様、つかぬ事をお聞きしますが、こころ様を愛していらっしゃいますでしょうか。」

 

「……いきなり何でそんな事を?」

 

「ただの確認です。弦巻家を継ぐ方かもしれないので。」

 

「えぇ。こころの事は大好きですよ。心の底から愛してます」

 

「その言葉が聞けて私共は満足です。

さぁ、着きましたよ。」

 

 

 

* * *

 

 

 

黒服の人に、通されたのはこころの部屋だった。

 

トントンとドアを叩く。

すると中から声が聞こえてきた。

 

「スバル……?」

 

いつもからは考えられないくらい弱々しい声だった。

 

「中…入っていいか?」

 

「えぇ…」

 

ギィィと普段は、何とも思わない扉を開ける音が、今はとても重々しく感じられた。

ぼすっとベットに腰掛ける

 

「スバル。ごめんなさい。スバルと美咲が付き合ってたのに気づかなかった私が」

 

「え?俺と美咲が?付き合ってないぞ。」

 

「嘘よ、私見たわ。スバルと美咲がショッピングモールで楽しそうに買い物してたのを。」

 

「あれは、こころの誕生日プレゼント買うのを手伝ってもらってただけだぞ?」

 

「え…?覚えてくれたの…?」

 

「まぁ、美咲に教えてもらったんだがな。」

 

そして、今日買ってきた物を渡す。

 

「お誕生日おめでとう。こころ。」

 

「…開けていいかしら?」

 

「勿論。こころの為に買ってきたんだから。」

 

開けると、あったのは太陽のブローチであった。

 

「俺にとってさ、こころは太陽なんだよ。

俺が落ち込んでても、いつも明るくて、こっちが元気を貰う。いつも笑顔で周りにいる人もいつの間にか笑顔になってる。ハロハピの世界を笑顔に!だっけ?あれもこころなら出来ると思うんだ。離れたくない。別れたくない!」

 

「誕生日忘れてたのに、何言ってるんだ!って思うかもしれないけどさ、俺はこころが心の底から大好きなんだ。愛してるんだ。

だから、ずっとこころの隣を歩きたい。隣にいたい。」

 

「私…スバルに嫌いって言ってしまったわ…」

 

「しょうが無いよ。あれは俺が完全に悪い。

恋人の誕生日忘れるなんて、恋人失格だ。」

 

「私…本当にぃ…このままお別れしてしまうんじゃないんかって…本当に…不安だったの…」

 

ポロポロと涙を零すこころ。

 

「私だって、別れたくない。ずっとスバルと、一緒に楽しい事を探したい。そして、将来は私のお父様とお母様みたいにずっと仲良く過ごしたい…」

 

「俺だって別れたくない。もう忘れない。忘れたら死ぬ!って勢いで忘れないから。そして、ずっとこころを大好きでいる。」

 

「だからさ、俺が言えないけど、笑おう!こころ。

こころに、泣き顔は似合わない。」

 

「笑顔…えぇ…そうね!笑顔だわ!」

 

「もうすっかり、遅くなったな…

この件は本当に俺が馬鹿だった…」

 

「もう過ぎてしまった事はしょうがないわ。

本当に反省してるなら、私の願いを聞いてくれたら水に流すことにするわ!」

 

「何でもお望みの通りに」

 

「2人だけで私の誕生日を、過ごそうと思って、パーティの準備をしたの。2人だけのパーティよ。それに付き合ってくれるなら、許すわ。」

 

「そんな事なら喜んで。」

 

「夜はこれからよ。沢山楽しみましょう?」

 

「あぁ。」

 

 

 

* * *

 

 

 

そして、暫くすると、部屋からは、

互いを求める声、ベットの軋む音、艶かしい嬌声、快感に喘ぐ声

それらが、部屋に響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………訳でもなく、ただ恋人との時間を、恋人との食事を楽しんでいた。

 

 

 

* * *

 

 

 

「……た?…なた!あなた!」

 

「んあ?何?」

 

「ずっと呼んでいたのに返事がないんだもの。心配したのよ?」

 

「ごめんな。ちょっと昔を振り返っていたというか…」

 

「色々あったわよね…」

 

「喧嘩もした、辛いことも沢山あった。でもそれ以上に楽しい事が沢山、本当に沢山あった。」

 

「あなたが浮気した事もあったわよね。私の誕生日を忘れちゃって!」

 

「あの時は本当に自分で馬鹿だと思ったよ。一応言っておくと浮気はしてないからな。昔も今も。」

 

「ふふっ。勿論分かってるわよ。したら、即効私が動くもの。そして……ね?でも秘書の人と距離が近いのはちょ~っと許せないわね。」

 

「俺の妻って意外と独占欲強かった…?」

 

「…嫌いになった?」

 

「全然。むしろ大切に思ってくれてる感じがして、嬉しい。」

妻の夜に輝く月の様に綺麗な金色の髪を撫でる。

サラサラとしていて、とても心地が良い。

相手も気持ちよさそうに目を細めた。

 

外の庭からは、2人の元気な子供の声が聞こえている。

 

そして、妻の胸には、太陽のブローチが昼の暖かな日差しを受け、キラキラと輝いていた……

 

 

 

弦巻こころ Happybirthday!!!

 




今好きなアニメは可愛ければ変態でも好きになってくれますか?とダンまちとありふれた職業で世界最強です。
可愛ければ変態でも好きになってくれますか?は小春ちゃんめっちゃ好き。あれでヤンデレを書きたい所存

☆10 浅田零さん
☆9 シュークリームは至高の存在さん おみつらさんさん
その他お気に入り登録、感想、誤字報告等ありがとうございます!

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