お待たせしまっていたこと、誠に申し訳ありませんでした。
リハビリテーションとして投稿していますので、何度か修正を入れるやもしれません、どうか御容赦を。
「はぁ・・・」
「何溜息なんか吐いてるのよ、辛気臭いわね」
「謂れもないのに何で、ここに呼ばれてるのかと思うとな。憂鬱でな」
放課後、俺とアリアはなぜか
教務科棟の比較的豪華な応接室に通され、ソファに座って大人しくしている。
「あ、お待たせしました。神崎さん、三条くん」
「・・・いえ、全く」
「それなら良かったです。それはそうと転校初日のクラスの雰囲気はどうでしたか。
二人とも大丈夫そうですか?」
「使えそうなヤツはあまりいなかったわね」
不満そうにそっぽを向いて即答するアリア。
そこまで表情に出さなくてもいいと思うんだけどな、彼らはまだ学生なのだし。
即戦力になるような逸材はまだ育ってなくて当たり前だ。
「そうですか。三条君は?」
「そうですね、やはりこちらにも原石はいました。
あとは各個人に訓練メニューが合っているかによるかなと」
「そうですか。やっぱり三条君が
「滅相もない。半ば強制だったことを考えれば好条件ですよ」
ゆっくりと手を合わせて機嫌良く微笑む高天原女史。
「ちょっと待って、リョウシ。
アンタ、
「ん? いや。そんなことはないけど」
「ならどうして、アンタが他人の訓練のメニューのことなんか気にしてるのよ?」
「それはですね、神崎さん。私たち教務科が三条君に対して
「先生、それはどうしてですか?」
「彼が福岡武偵高校に去年まで在籍していたのは聞いてますか?」
ええ、とアリアが首肯するのを見て、高天原女史は話し始める。
「その時に、彼は自身はもちろん、全校生徒の平均武偵ランクを一年もたたずに2個も上げたんです。
その手腕と生徒の三条君への過度な信頼をリセットさせるために東京武偵高校に任務という形で編入してもらったんです」
「純粋にアンタってすごかったのね。見直したわ」
「見直したって、まだ会って数時間じゃないか・・・。まあいいけどさ」
「本当にすごいんですよ、三条君は。強襲科の卒業率を99.8パーセントにまで向上させたんですもの」
「そんなに褒めないで下さい。結局100パーセントにはできなかったんですから」
「いえ、この偉業は相当なものですよ。他国の武偵校から色々と打診があったんですものね?」
「イタリア、アメリカ、ロシア……、私が会話できる言語の国からは大体あったんじゃないですかね?
まあ、何があっても成人するまでは日本から出るつもりはありませんが」
「そうなんですか」
そこまでは聞き及んでいないのか、俺の言葉に純粋に驚く先生。それに俺は首肯する。
「ええ。母はまだ父の殉職から立ち直れてないので、それが心配で」
「そうですよね。燎士くんはお母さん思いの良い子ですね」
「それほどでもありません。結局のところ俺は母に甘えてしまっていますから」
「それでも三条くんは家族思いの良い子です。年上の言うことは素直に受け取るべきですよ?」
「父親の殉職? リョウシ、なにそれ」
「有名な話ですよ神崎さん、三条くんの父君は――」
「先生。申し訳ないですが、それ以上はご容赦を」
憧れのアイドルでも語るように頬を上気させた先生に待ったを掛ける。
それ以上は、あまり他人においそれと聞かれたくはない。それに俺自身もまだ吹っ切れてはいないので、辛くなってしまう。
「……え? あ、あら、ごめんなさい。うっかり話過ぎてしまいました。
神崎さんも、三条くんも、今日は転校初日で疲れているのに、遅くまでごめんなさいね?」
「気にしないで。こんなの疲れるうちに入らないわ」
「いえ、こちらこそ忙しい合間に時間を作って頂いてありがとうございます」
「じゃあ、また明日。気を付けて帰って下さい。さようなら」
高天原女史が立ち上がるのと同時に俺たち二人も立ち、職員室から退室する。
「じゃあな、アリア。気を付けて帰れよ・・・って、どうした?」
教務科棟の昇降口を出た辺りで別れようとアリアに声をかけたが、彼女は俺を見つめたまま動かない。
「リョウシ、アンタ、さっきの話のこと、もう少し詳しく聞かせなさい」
「すまない。日を改めさせてもらってもいいか?」
「どうして?」
「どうしてって・・・家の近くのスーパーのタイムセールがもうすぐなんだ」
今日は確かキャベツと牛乳が安くなってたはずだ。それ以外にも米と食パンとかを買わないといけない。
「はぁ?」
「ーーああ! もうこんな時間じゃないかっ、じゃあなまた明日!」
「ちょっと!? 待ちなさいよ!」
「じゃあな!!」
アリアに向かって一度手を上げ、俺はバイクを走らせた。