まだまだこの話は続きます。
完結させますのでどうか見ていただけると幸いです。
あと、遅れて申し訳ございませんでした(土下座)
「何でどのクエストも難易度が高いんだよ!」
朝の冒険者ギルドにカズマの叫び声が木霊するが他の冒険者は誰1人としてカズマに意識を向けることなく死んだ目をして酒を飲み続けている。
少しすると申し訳なさそうな顔をしたルナさんが話しかけてきた。
「すいません、近くに魔王軍の幹部が住み着いてしまったようでここら辺いったいは強いモンスターしか出なくなってしまって…」
「始まりの街であるアクセルにいるような冒険者が出来るクエストはないと言うことですか。」
「こうなっては仕方ない。暫くはおとなしくしておいた方がいいだろう。」
ダクネスがそう締め、解散しようとした俺たちに救いの手がさしのべられた。
「少しいいか、この一撃熊とかいうやつの討伐クエストを受けたいのだが?」
声のする方を向いて見ると…
「ソラールさん!」
「おお、貴公達いったいどうしたのだ?」
「いやー、それがちょっと。俺達が出来そうなクエストがなくて途方にくれてたんですよ。」
「なるほど」
「そこで少しお願いがあるんですが、俺達をクエストに同行させてもらえませんか?」
「おお!それは助かる」
「ちょっとニートこっちに来なさい。」
アクアが手招きをしている
「なんだよアクア別にいいだろ、お前だってあの人がキャベツをどんどん倒してた所を見てただろ。」コソコソ
「いい?いくら強くてもあいつはあのクソアンデットの仲間なのよ!それにクソアンデット程じゃないけど、あいつからもアンデッド臭がするのよ。」コソコソ
「えっ!そうなのか?」コソコソ
でもまぁ考えてみたらアッシュさんの知り合いなんだから当たり前か。あんなに明るいアンデッドもいるんだな。
「話しているところ悪いが出来れば早くしてくれるとありがたいのだが…」
「あっ、すいません。」
「ソラール様、早くしなければ野宿することになってしまいます。」
…かぼたん居たんだ
その後、結局ソラールさん達と一緒にクエストをすることになった
「ここから先は私が先頭を歩こう、フフフ前から一度一撃熊の攻撃を受けて見たかったのだ。」
今回のクエストはアクセルの周りにある畑の持ち主からの依頼だった。近くに魔王軍の幹部が住み着いたことにより、一撃熊が出現し始めた、今はまだ被害は受けてないが危険だから討伐してほしいという話だ。
「でも本当によかったんですかソラールさん?自分で言うのもなんですけど俺達全員、使えないポンコツ冒険者ですよ。」
知力が低い駄女神、爆裂魔法しか使えない残念紅魔族、自分から攻撃をもらいにいくドMクルセイダー、元ニートで最弱職のこの俺。…ここまで使えそうにないパーティーは他にないだろう…たぶん。
「そうなのか?まぁ俺は別に構わないぞ。なに、これも人助けと思えば楽なものだ、フハハハ。」
なにこの主人公?
俺の隣に居る駄女神の100倍は神々しいぞ。この人のおかげで異世界に転生して初めて人の温かさというものを感じることができた………アンデッドだけど
「でも、あなたみたいに明るい人が何でアッシュさんと友達になったんですか?」
めぐみんが質問する。
それと、それ遠回しにアッシュさんをディスってないか?
「うーむ、強いていうならあいつが俺の夢を笑わなかったからだな。」
「あなたの夢?」
「ああ、俺の夢は『太陽になること』…だ、自分で言うのも何だが、変な夢だろ?実際俺の夢を聞いたほとんどのやつは俺のことを変人だバカだと言ってきたがアッシュだけは俺の夢を笑わないで真剣に聞いてくれた。それからまぁ、アッシュと共に色々な敵と戦って今の関係があるのだ。」
「凄くいい話ですね!」
「フハハハ何だか照れ……いたぞ。」
「えっ。」
視線を前に向けると畑にデカイ熊がいるのが見える。全長は三メートルぐらいだろうか?とにかくデカイ。なんだろう、道中は少しでも手伝えたらいいなとか考えてたが、いざ実物を目の前にするメチャクチャ怖くなってきた。てか何でこのクエストについてきたんだっけ?……金のためだった。
「まじで大丈夫なんですよね?俺達のことを戦力として考えないでくださいよ。」
じゃあ何で付いてきてるんだよ、と言われそうだがあんなのと戦いたくねーよというのが本心だ。ソラールさん達が負けそうになった時はすぐ逃げるつもりだ。
「ではまずは俺とかぼたんが戦ってみる、もし俺達が負けそうになったら貴公達は助けを呼んどきてくれ。」
「いや、私も一緒に戦おう。なに、防御力には自信がある。フフフ、話によるとあの熊の一撃は人の頭など簡単にぶっ飛ばしてしまうらしい、興奮してきた!」ハァハァ
「?まぁいい、それでは俺とダクネスで攻撃を仕掛ける、かぼたんとめぐみんは後方で俺達に当たらないように魔法を打ち込んでくれ。」
「「無理です」」
「「「えっ」」」
「ちょっと待て、めぐみんは分かる。なんでかぼたんまで。」
「私は灰の方に『お前には上級魔法を覚えてもらうからなスキルポイントは使うなよ』と言われていまして、まだ一つも魔法を覚えていません。」
俺が言えることではないけど、じゃあ何で付いてきてるんだよ
「私は最強の魔法、爆裂魔法を使えますよ!」
「おお!」
「ですが強力すぎるが故、ここら辺一帯が更地になります。」
「えーと、それじゃあアクア、確か貴公はアークプリーストだったな。確かアークプリーストは支援魔法を使え……「嫌よ」…えっ?」
「別にダクネスに支援魔法をかけてあげる分には問題ないけどあなたには絶対、死んでもかけてあげない!」
「…そうか…っ!」
「「「!?」」」
何この空気?何でみんな俺の方を見てるんだ?
「あの~カズマさん?絶対に今動いちゃ駄目よ。ほら、よく言うじゃない熊には死んだふりが効くってだからここは落ち着いてゆっくりね。」
フンフン フンフン
あれ、何か後ろから音が聞こえるぞ?おかしいなー、それに何だか背中が生暖かい。
「カズマ動いちゃダメですよ。今動いたら確実に頭がぶっ飛びます。」
「俺の後ろに何が居るんだ?なぁ、教えてくれよ頼むよ…。」
フンフン
ダクネスが呟いた。
「羨ましい」ボソ
「ふざけんな、このド変態クルセイダーがぁーー!!」
「ブオーーーー!!!」
「伏せろカズマ!」
何とか伏せた俺の頭の数ミリ上を一撃熊の巨大な手が通過していく
「危っねーーー」
何とか熊から距離を取る。
そこへダクネスが盾になるように前に出ていった
「来い、この獣め!その巨大な手で私を…『ドン』…クゥーーン!!!」
「大丈夫ダクネス?安心して今回復魔法を掛けるから!」
「お構い無く」
「この状況でふざけてんじゃねー!、このド変態クルセイダーが!」
「そんにゃ、殴られたあとに言葉責めにゃんて‼️」ハァハァ
駄目だこいつ
「ブオーー」
ダクネスに興味を無くした一撃熊が今度は俺に狙いを定めた。
「ソラールさん助けてくださいー!」
「任された。」
そんな声と共に電気の槍が一撃熊の振り上げた手に突き刺さる。
「ブオーーーー!」
そこからソラールさんと一撃熊との対決が始まった。ソラールさんは一撃熊の攻撃を紙一重で避けながらダメージを与えていく。
「カッコいいな」
やっと落ち着くことができた俺はめぐみんに話しかける
「ねぇ知ってますか?」
「何をだよ」
「紅魔族はですね」
「うん?」
「一番最後の美味しいところを持っていく種族なんです」
「ちょっと待てめぐみん!」
「いいえ待てません!むしろこんなに待ったんですよ!褒めてほしいぐらいです…紅より紅く、黒より……」
こいつマジだ‼️
「ソラールさん逃げてください!」
俺の言葉が届いたのかソラールさんがその場から逃げ出す
「エクスプロージョン!!」
ドゴォーーーーン
辺り一面が更地になった。
-どこかのギルド-
やっとクエストが終わった。
やはり、アクセルなどにあるクエストよりも数段難しいものだったがそれに見合った報酬も手に入った。
(かぼたんにお土産でも買ってやるか)
そんなことを思いながらギルド職員にクエスト報告をしていると
「そういえば!アクセルの方から手紙が届いていましたよ」
「手紙?」
職員から封筒を受けとる。
封筒のなかにあった手紙には大きな字ですまないと書かれてあった
(なんだこれは?)
そう思ったあと封筒の中にもう一枚紙が入っていることに気づく。
その紙には恐ろしいことが書かれてあった…
損害賠償請求;貴方のパーティーメンバーであるソラールがクエストの際、畑を全壊させてしまったため以下の料金を請求します。
30000000エリス
アッシュは気絶した。
頑張ります