このカオスな世界に祝福を   作:アルさん

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 まだ読んでくれる人いますかね?


第15話

 

 ウィズとかいうアンデットらしき人物に氷漬けにされ早くも3週間が経とうとしている。いったいあいつはどれほどの魔力を使ったんだ?全然溶ける気配がしない。

 不死人としての体質のせいで何も食べずとも生きていけるため餓死することもできずに時間だけが流れていく。

 

 今思えば火防女もといかぼたんには色々酷いことをしてきたな…元の世界では火を奪っては殺して、武器の試し切りと称して新しく作った武器の性能を試し。しまいにはこっちの世界に来てからはカエルに喰われたことに気づかないまま帰宅して死なせてしまった………………あれ…?何かおかしいぞ。

 

 

 

 

 

何でかぼたんは死んだ後すぐに生き返らなかったんだ?

 

 

  

 

 

 

 

 かぼたんは確かに不死人だったはずだ。

この手で殺した後生き返ってるのをしっかり確認したことがあるから確実だ。

…だったら何でだ?

この世界に来た人間は不死人ではなくなる?……私が不死人のままだからそれはないな。

いや、それとも私が特別なのか?……ふむ、わからんな、まぁいいか。

 

「今戻ったぞ!…すまないなかなり遅くなってしまった。…いったい何があった!」

 

「ああ、まぁいろいろとな。すまないが早く出してくれないか?」 

 

「あっ…ああ、わかった」

 

久しぶりに自由になった体を伸ばす。

 

「きちんと300万エリス集めて来たんだよな?」

 

「ああ、金の方はギルドの方に渡してきた。だいぶ苦労したぞフハハハ、そうだ!そういえばなかなか腕の立つ魔法使いの少女が居てだな!友誼を結んだお礼にと無料でクエストに付いて来てくれて…………すまないが1つ聞いていいか?」

 

「何だ?」

 

「…何で武器に手を伸ばしてるんだ?」

 

「大変申し訳ないが少し、実k……ゴホン…確認したことがあってだな」

 

「待て待て待て!、今さっき確実に実験と言おうとしただろまさか俺を殺す気か!?」

 

「大丈夫だって、ほらそれに私達は不死人だろ?多少死んだ所で直ぐに生き返れるだろ?」

 

「誰でもお前みたいにポンポン死んでも大丈夫だと思うな!もし、亡者になったらどうするつもりだ!」

 

「じゃあほら犠牲の指輪貸すから、なっ?頼むよ」

 

「うっ、うーむ。しかしだなぁ…」

 

「大丈夫、大丈夫ちょっとビリッとするだけだから」

 

そう言って無理やりその指に犠牲の指輪をつける

 

「そうだ、一ついい忘れてた、もしかしたら貴公不死人じゃなくなってるかもしれないからな」

 

「えっ!ちょっ待っ……」

 

ソラールが何か言い終わる前にロングソードで首を切り落としてみる。

しかし、ソラールの死体が転がるだけで特に変化はない。死体が消えないことを見るに不死人としての体質が改善されているのは確実のようだ。

 

いや、そうとも言えないか。

 

不死人というとのは近くで死んだ敵や、ある程度の大きさの道具はソウルという物質に変化して自分の体に取り込むことができる。

私が見た限りソラールはその能力は失われてないようだった。 

 

ならば不死人から不死性のみが失われたのか?

 

「ふむ、考えてもよくわからんな、少しずつ解明していく必要があるな。しかし何故私は不死のままなのだろうか?」

 

さっき切り落したソラールの頭と体をソウルに変換して自分の体の中に取り込む。

 

 

「はぁ…復活しなかった時の事を全く考えてなかった。昔はここまでうっかりではなかったはずだが、これもこっちの世界に来た際に起きたステータスの低下のせいなのだろうか?まぁ、またあの駄女神に復活させて貰えばいいか」

 

そう言って家の扉を開ける。

 

「とりあえずギルドのほうに行ってみるか、たぶん居るだろう」

 

 

____________________

 

 

「ぶえっくしょん!!」

 

「うわっ!汚え鼻水飛ばすなよアクア」

 

「アンタって本当失礼ね!美しい女神様の体液なのよ、汚いはずないじゃない!」

 

俺達は今ミツルギとかいう勇者候補の魔剣を売っぱらった金で酒を飲んでいる。

 

「風邪を引いては大変ですよアクア様、何か羽織った方がよろしいのでは?」

 

「大丈夫よかぼたん、それよりもお酒のお代わりを貰って来てくれない?」

 

「畏まりました」

 

「お前最近かぼたんに何でもやらせすぎじゃないか?」

 

「いいのよあの子は!ほら見てあの子の人の命令を聞くときの嬉しそうな顔!」

 

「うん、あんまり表情は変わんないけどな」

 

かぼたんが俺達と行動を共にするようになってもう二週間が経つが…もはやパシリとなりつつあった。

 

「………はぁ、アッシュさんが来たらどうなるか」

 

「何よカズマ、まだあんな奴のこと心配してるの?大丈夫よ、あいつがアンデットである限り私がパパッと浄化してやるわよ!」

 

「お前そういうのは日本で"フラグ"って言うんだぞ。というか最初あったときはお前の浄化魔法で倒しても生き返ってたじゃないか、それに俺達が間違って剣を突き刺したときもケロッとしてたし、もしかしたらとんでもないスキルでも持ってるんじゃないか?それこそ"不死身"みたいな……」

 

というかキャベツのときめぐみんが爆裂魔法で吹っ飛ばしてたけどあれどうやって生き延びたんだろ?

 

「ププックック、プハハハハハハハッ!あなた本気で言ってるの?冗談でしょ、私を笑い死にさせる気?たかがアンデットごときがそんな凄いことできるわけないでょっププッ、いいカズマ?世の中に死なないなんて能力はないの、わかった?今までの件だってどうせ変な魔法道具でも使ってただけに違いないわよ」

 

「だからそういうのはフラグだって言ってるだろ、まぁいいか、じゃあ俺はめぐみんと爆裂散歩しに行っ来るからな」

 

「動けないめぐみん相手に変なことしないようにねぇ〜」.

 

「しねーよ!」

 

『緊急事態、冒険者の方々は直ぐに正門の前に集まってください』

 

 

「いったい何だ?」

 

「とりあえず行ってみるか」

 

「そう行ってらっしゃい気をつけね〜」

 

「お前も来るんだよ!」

 

 

 

 

 

_______________

 

 

久しぶりにギルドに来てみたが誰もいない。

いや本当に誰もいない。何だろう?私が居ない間に冒険者は全滅したのだろうか?

誰もいない席に座り特に意味はないがソラールの頭を取り出してみる。

 

「いいよなーお前は簡単に死ねて」

 

喋りかけてみるが当然言葉は返ってこない。

 

「はぁ…普通に歳を取って、いろいろ嫌な事とか良い事とかある人生をお前は送れるかもしれないんだろう?」

 

私の人生の9割…いや、9割9分9里は燃えてた、もしくは牢屋の中でボーッとすることしかできなかった。何もできずに時間だけが過ぎていく。私はそれが何よりも嫌だった。そしてついには死ぬことしか考えることができなくなった……

 

この世界に来てからは楽しいと思える時間が増えた。できることならこのような一日がずっと続いほしい。

 

だが、それはあり得ない  

人間は死ぬものだ。

そして滅びる。

いつか、私はまた一人になるのだろう。

 

そうなる前に…

 

 

 

「お前は私に殺されるときどんな顔してたんだろうな?私だったら死ねるかもしれないと喜ぶだろうが、お前のことだから心底驚いた顔をしてるんだろうな」

 

そこでふと気づいた。今ならソラールの素顔が見れるんじゃね?

そのことに気づいた私の手は自然とソラールの兜に手が伸びていく。

 

「大丈夫だよな?まぁバレなきゃ犯罪じゃないとよく言うし」

 

少しずつ兜を上に上げていく、少し髭が生えている顎が見える…戦士らしい角ばった輪郭、真一文字に結ばれた口あと少しで目元が見え…

 

「あっ名無しの人」 

 

その瞬間手に持っていたソラールの頭を直ぐに体の中にしまう。

 

(ヤバイな、てか今まで私はいったい何をやってたんだ?親友がき返るか実験したいから首を切り落とした後暇だったから生首と会話してましたってか?何だろうこう……、胸の下あたりと頭の方が痛くなってきたな…、クソ少し前の自分をぶん殴ってやりたい気分だ。というバレてないよな?)

 

「あのー聞こえてますか?」

 

私に声をかけた人間の顔を見れば私が冒険者カードを作った際の受付嬢だった。

髪がボサボサで顔の半分が隠されており、そのうえかろうじて見える目の下には濃い隈があり、愛想もよくないので同業の冒険者(男)からは信じられないほどの人気の低さを誇っている。

 

というか受付嬢なのにその髪は許されていいのか?

 

 

まぁ、そのおかげで自分は家に帰れる時間が30分ほど早くなっているので文句は言えないのだが。

 

「ああ、すまないボーッとしていてな。ところで他の冒険者達がどこに行ったか知らないか?」

 

「あれ、聞いていなかったんですか?冒険者は全員城門前に集合していますよ?」

 

「そうか」

 

相手の反応を見る限りソラールの生首は見られてないみたいだ。

 

「それでは私も向かうとするか、教えてくれたこと感謝する」

 

「いえいえ、これも仕事ですから。気をつけてくださいア()()()」 

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時アッシュは受付嬢が自分のことを灰の方と呼んだという異常事態に気づくことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 この主人公の死生観は元の世界のせいでかなり歪んでますが本人はそのことをこのすばの世界に来て生活してきたことにより多少理解してます。
なのでこっちの世界の住人に対しては自分の感覚を押し付けることはしないように気をつけてますが、同郷の人間に対しては少し容赦がありません。
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