この世界の言語を使えるようになった俺達はギルドに来ていた。そこで酒を飲んでいた冒険者に金を恵んでもらいステータスを写してくれる登録者カードというものを作成した。
「あれ?名前が書かれてませんね。」
名前などあの世界ではほとんど意味を成さなかったのですっかり忘れてしまっていた。
「私達の生まれた場所では名前をつける文化がなかったからな。」
かなり苦しい言い訳だったがあまり詮索してこなかったので助かった。
「そうですか、随分変わったところから来たのですね。それとこちらがあなたのステータスになります。」
受付が渡してくれたカードには私の能力が書かれていた。
「これは…」
「すべての能力値が平均もしくはそれよりも低いため職業は冒険者しか選ぶことができませんね。」
まさかこれほどまでに弱くなっているとは思わなかった。ステータスは初期の頃のものになっているようで筋力が他より少し高いだけで、後はすべて低い。…と思う。
「その冒険者という職業の特徴はどのようなものなのだ?」
「職業が冒険者の方はすべてのスキルを習得することができますが習得するスキルを他人から教えてもらわなければいけませんそれに消費ポイントも他の職業の方に比べて多く掛かります。」
「そうか。」
私が落胆していると
「大丈夫ですよ!レベルが上がればジョブチェンジできるので。」
「そうか。」
そう言ってその場を立ち去り、これから受けるクエストを選んでいると後ろから声が聞こえてきた。
「知力が高く魔力量が多いですね他の能力値は平均ですね、これならウィザードをオススメします。」
「わかりました、ではそれでお願いします。」
なんだと?嘘だろ、火防女も何の取り柄もないものと思い込んでいたがまさか俺よりも強いのか?いやそんなわけが無い、火防女よりも弱い不死人など聞いたことがない。
「灰の方只今終わりました。」
「ああ、すまないがギルドカードを見せてくれないか?」
「わかりました。」
そうやって見せてきた登録者カードには恐ろしい真実がかかれてあった。
(筋力が私と同じだと!!)
嘘だ、ありえない、まさか何一つ彼女に勝てていないとは
「火防女よ、私のレベルを上げることはできるのか?」
もしできるのであれば今すぐ手持ちのソウルをすべて握り潰しレベルを100程あげてやる。
「すみません、それはできません。世界が変わった影響なのかもしれませんがソウルを感じることができないのです。」
「…そうか」
落胆した私だったがそれならばするべきことは一つ
レベル上げだ。
そう言ってジャイアントトード討伐のクエストを受けた。
ーーーーーーー
(なる程デカイな。)
大きさは冷たい谷のボルドと同じぐらいか。受付嬢が言うには初心者には丁度いいぐらいの強さらしい。
「私が試しに戦ってくる、危ないと思ったら逃げて応援を呼んでくれ。」
「わかりました灰の方、お気をつけて。」
手にとったのは炎派生のロングソード+10だ。最初から最後まで使ってきた武器であり、最も手に馴染んでいる。それに他の武器に比べて軽いので問題なく振るうことができる。
『静かに眠る竜印の指輪』を着け後ろに回り溜め攻撃をする。
(弱いな)
無事一撃で倒すことができた。
同じ様に2匹倒し、レベルが上がったことを確認した私は火防女を呼んで雷派生のロングソードと指輪を渡す
「私でもできるでしょうか灰の方?」
「大丈夫だ、お前の筋力はほとんど私と変わらない、一撃で倒せるはずだ。」
そう言ってレベル上げに戻る。これこそが私の得意分野だ、クエスト期間は後5日あるがあと10匹程倒したら今日の所は帰ろう。色々と試したいことがある。
「すいません灰の方、助けて下さい」
後ろを見ると顔から下がカエルの口に入っている火防女が見えた。私は急いで彼女の元に走っていった。
ーーーーーーー
「ジャイアントトード六匹の討伐ですね」
結局火防女が粘液塗れになってしまったので今日の所は終わることにした。
「確認が取れました。こちら報奨金の30000エリスです。」
「わかった、それと体を洗えるような場所はあるか?」
「それでしたら街の銭湯をオススメします。場所は…」
というわけで銭湯に火防女を連れていき、火防女が風呂に入っている間に何処か拠点を探す。
すると街外れに古い教会があったのでそこを調べる。
(誰かが住んでる気配も無い、金が貯まるまでここを拠点にするか)
真ん中に不死の遺骨と大量のソウルを置き『螺旋の剣』
をつきたてる。するとそこから火が燃えはじめた。
(簧火は使えるのにレベルは上げられないのか、変な世界だ。)
簧火の近くに腰を下ろし体を温める。するとこびり付いた血や汚れが落ちていく。
(もうそろそろ迎えに行かないとな)
早く彼女には魔法を覚えてもらわなければならない
登録者カードを取り出し上がったステータスを確認する。やはり火防女の筋力を上回っていた。
ウィザードの筋力を上回ったことに対し狂喜して太陽のポーズをきめる不死人の姿がそこにはあった。
はい、次はだいたい2ヶ月経ったくらいから始めたいと思います。間違い等ありましたら教えて頂ければありがたいです。