疾風に想いを乗せて   作:イベリ

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第4話:残酷な明日

館の一室、ロキがベルの背中に自身の(イコル)を塗りつけ、ステータスの更新を行っていた。

 

「…ほいっと、おし、おめっとさん!これでベルもLv2の仲間入りや!いやぁ、早かったなぁ!」

 

「…当然。成長促進スキルもあるんだし。早くなくちゃ困る。」

 

「かぁ〜!淡白やなぁ、もちっと喜び!アイズですら、こんなに早くなかったんやし、注目を一心に集められるな!」

 

「別に興味無い。」

 

ぶっきらぼうな返事を他所に、ほんの少しだけソワソワしているのが、ロキには伝わっていた。

 

「なんや、どっか行きたいところでもあるんか?」

 

「…うん。報告しに行く。」

 

「誰にや?」

 

「………内緒。」

 

なんでやー!と、ロキがベルに抱きつくが、ベルはそのまま無表情で抱き着かれる。

ロキは、だいぶ変わった新しい眷族を嬉しく思っていた。

 

本質は変わらないが、少しだが、確かに優しさを表に出すようになった。

ロキは、柔らかく笑って、ベルに告げた。

 

「…レフィーヤを助けてくれて、ありがとうな。」

 

「別に、見境なしに死んで欲しいわけじゃない。」

 

「つまり~、ベルはレフィーヤに死んで欲しないってことやな!」

 

「…別に、違うし。」

 

「照れなくて、えぇって!」

 

バシバシと背中をたたきながら、ロキはベルを思った。

このまま、この子がこのまま楽しく終われれば、どれほど幸せなのか。

 

ロキは、願わずにはいられなかった。

 

 

 

「Lv2になった。」

 

「………はい?」

 

ベルは、リューに報告も兼ねて食事を取りに来ていた。カウンターの隣に座るリューは、何を言っているのか分からないという顔をしていた。

 

(まさか…ここまで成長が早いとは…末恐ろしい。もし、私が…彼の家族を奪わなければ…彼は…英雄クラスに名を連ねていたかもしれない…)

 

ここまでの才能を腐らせてしまった。きっと、彼はもっと、自分などとは関係もない光溢れる道を歩んでいたかもしれない。

 

そんな、たらればを考えてしまう。考えずには居られないのだ。

 

「…リュー?どうかしたの?」

 

「────ッ!い、いえ!なんでもありません。」

 

暗い顔をしていると、ベルが下から覗き込むようにしてリューの顔色を伺った。

顔が、くっついてしまいそうな程の距離に、リューはたじろいで、一瞬1歩下がろうとしたが、師として冷静さを欠くわけには行かないと、すぐ様顔色を整えて、ベルの目を見ながら言葉を返す。

 

目の前にあったベルの顔を、少しだけ可愛いと思ったのは内緒だ。

 

「…そう。なら、いい。…これから、出来る?」

 

「えぇ、構いません。」

 

「じゃあ、昇華してからまだまともに打ち合ってないから、体を慣らしたい。」

 

「わかりました。準備してきますので、少々お待ちを。」

 

立ち去るリューを見送った後に、ベルはジョッキの果実水を飲み干す。

 

「これで…やっと近づいたのかな…」

 

その呟きが、何を意味するのかは本人しか知る由はないが。ベルの顔は穏やかに微笑んでいた。

 

「坊主」

 

そんな時に、不意にこの店の店主のミアに声をかけられる。

 

「…なに?」

 

「うちの娘は高くつくよ?」

 

「────は?」

 

ベルは呆気に取られた。この女は何を言っているのだ。高い?何がだ?訳が分からない。

 

ベルは高速でその言葉を頭の中で処理するが、該当する言葉がなかった。

ミアは、困惑するベルに若干呆れながら、後ろを指さすと、そこにはリューが立っていた。

 

「行きましょう、クラネルさん。」

 

白いシャツ、ショートパンツにロングブーツ。いつもの鍛錬をする時の格好をしたリューが。ベルはそれを視認すると、立て掛けていた大剣を肩に担ぎ、金を置いて店を出た。

 

「坊主!」

 

そうすると、また後ろからミアが声をかけた。

 

「…なに?」

 

「使いな。きっと、お前さんを強くする。」

 

投げられたのは、ある本だった。古ぼけた本は、なんだか不思議な魅力があった。

 

「…わかった…ありがとう。」

 

ベルは本を受け取って、リューと共にダンジョンに向かった。

 

 

 

 

「シッ!!」

 

「レベルが上ったと言うのは本当のようですね。基礎能力が段違いだ。」

 

「…嘘だと思ってたの?」

 

「……流石に三週間は早すぎますからね…」

 

「…そんなに弱くない…」

 

「えぇ、それは私が一番わかっているかと。」

 

大剣を振りかざし、ベルはスピードを上げた脚でリューに接近。器用にリューの懐で下から上に突き上げる。しかし、リューは涼しい顔のままベルの攻撃を弾き返していく。

 

「良い攻撃です。しっかりと人との戦いに慣れてきていますね。」

 

「こんなに毎日やってたら、嫌でも慣れる…ッ!」

 

「いい傾向です…ッ!?…今のは、驚きました。駆け引きも上達している。」

 

「…まだまだ…っ!」

 

「しかし、まだ甘い。」

 

「アグッ…!!」

 

ベルが大剣を振り抜いた僅かな隙きをついて、ベルを弾き飛ばす。ごろごろと転がりながら吹き飛ぶベルに、リューは木刀を突きつける。

 

「まだ振り終わりが甘い。大剣を使ったことはありませんが、武器に通ずる真髄は最小の動きで強力な攻撃を放つことです。まだ力で扱っている癖がある。無駄な力は抜きなさい。」

 

「はぁ…はぁ…はぁ…!なる、ほど…ハァ…ふぅ…まだ、遠いね…」

 

「……いえ、見違える程の進歩です。」

 

(いや…既に進歩の域を超えている。最早存在進化としか言えない。)

 

ベルの進歩は飛躍的だった。同じLv2であったとしても、完全と言っていいほどに突き放している。実力だけならば、既にLv3下位と言ったところだ。格上殺し(ジャイアントキリング)も夢ではない。

 

(この調子で行けば…あと1ヶ月…いや、もう少し欲しいが、その程度で彼は、復讐を達成できる。)

 

ベルの目的────リューの殺害は、着々と近づいていた。

そんな思考を回していた時に、ベルがリューに尋ねた。

 

「ねぇ、リュー。」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「…シルに、言われたんだ。これが終わったら、誰かを頼ってくださいって…」

 

「そう、なのですか…」

 

シルがそんな事を言ったことが意外だったが、粗方の予想ができた。恐らく、止めようとしたのだろう。しかし、それが無理だとわかって静観する事に決めたようだ。

そんな考えを巡らせる次の瞬間に、ベルは予想外なことを口にした。

 

 

「リュー…頼みがあるんだ。」

 

「…私でよければ。」

 

リューは、安請け合いした事を、少しだけ後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君に、僕の終わりを見届けて欲しい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「────」

 

 

なんて、残酷なのだろうか。

 

「僕は…君に、見ていて欲しい。」

 

なんて、悲しいのだろうか。

ベルの目的が叶った時。それは、即ちリューの死を意味する。なのに、リューは断れなかった。

 

「…はい、わかりました。」

 

「────ありがとう。」

 

ベルが、微笑んだ。

意識的に、初めてエルフに向けた笑顔は、綺麗で、澄んでいた。

 

リューも、笑ってみせる。

 

2人は寄り添いながら、それと同時に、何かが2人を交わらせまいとしている。

 

確実に、ゆっくりと、終わりの時間が近づく。

 

 

 

 

 

「────リュー、どこ行くの?」

 

「…すぐに分かります。私の、とっておきの場所です。」

 

リューとベルは、2人寂れた街道を歩いていた。周りには、余り綺麗とは言えない様な建物から、廃墟のような教会まであった。そんな道を、かれこれ10分程歩いていると、小高い場所にある教会にたどり着いた。

 

その場所からは、オラリオの広域を見渡せた。

 

「────凄い…」

 

「…えぇ。私が始めてきた時も、同じ様な感想を持ちました。」

 

「こんな場所があったなんて…」

 

「…コレ以上高くても、低くても駄目。街にいる人々の息遣いが感じられるたった一つの場所だと、シルが言っていました。」

 

シルに連れてこられ、荒れていたあの頃のリューを諭した。リューはそこで生きる希望を見出した。しかし、今はベルに対しての罪悪感のほうが強くなっていた。

 

(私は…彼に殺されるために生きてきた。もう、私に未練はない…)

 

リューは、身辺整理も既に済ませていた。酒場の二階にあるリューの部屋にあるものは既に纏められ、いつでもすてるだけになっている。

 

それほどの覚悟が、リューは決まっていた。

 

「少しだけ、貴方の敵について触れましょう…」

 

「…!」

 

リューは、ポツリポツリと語りだす。

 

「私は、ある神の元で冒険者をしていました。正義を司る神の名のもとに、オラリオの治安を守っていました。当時は、闇派閥と呼ばれる悪神の眷属に属する集団が跋扈していました。私達は、それを取り締まるのが主な仕事でした。順調に軌道に乗っていた私達でしたが…悲劇が起きました。」

 

5年前に起こった悲劇。闇派閥による嵌め殺しで、リューのファミリアは壊滅した。彼女だけを残して。

 

「その事件で、私と彼女だけが残りました。彼女は、復讐に燃えてあらゆる手段を使って、疑わしい人物の全てを殺しました。私は…止められなかった。」

 

「…その過程で、僕の村が…皆が襲われたのか…」

 

「…はい、その通りです。」

 

ベルは、手すりに肘をかけながら、過去を思い出すように目を細める。

 

「そいつは、今どうしてるの…」

 

「このオラリオに居ます。」

 

「…そう…そいつも、リューも…僕と同じなんだ…」

 

「…クラネルさん…?」

 

少し、様子の変わったベルにリューは首を傾げながら問いかける。

ベルは、街を眺めながらポツリと呟いた。

 

「…泣いてたんだ。」

 

「…え?」

 

「僕の村を襲ったそいつは…僕を見て泣いてた。」

 

リューは目を見開いた。

ベルは覚えていた。あの日の惨劇の最中、目が合ったあの瞬間を。

 

「今でも覚えてる。炎に包まれた村、血を流して倒れる…みんな。それを見る僕と、涙を流す奴…忘れない。忘れられない。」

 

「………」

 

やはり、彼は変わることなく復讐に真っ直ぐに突き進む。愚直なまでに殺意を漲らせる。

 

ほんの少しだけ…その勢いを弱めていた、黒い復讐の焚き火に、また()が焚べられる。

 

「同じ苦しみを知っている癖に。お爺ちゃんを、お兄ちゃんを、おじさんを、おばさんを…皆を殺した。僕からしたら…闇派閥と同じだ…っ!」

 

「……っ…えぇ…許されることではない…」

 

苦しい。なぜそんな事を。いいや、当たり前だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の世界(日常)を奪った自分への罰。

 

 

 

 

 

 

 

「リュー。僕は、君の仲間を殺す。手を引くなら、今だ。関わらない事も出来る。」

 

真っ直ぐに、ベルはリューを見つめる。それは、リューに送ったせめてもの気遣い。しかし、リューは首を横に振った。

 

「────いいえ…約束は違えません。それが、私にとってもケジメになる。」

 

リューの覚悟。ベルのために死ぬ。今彼女は、そのためだけに生きていた。

 

 

 

 

ベルは食堂の隅っこで1人、ある本と睨めっこをしていた。

ミアに手渡された本で、よく分からない不思議な本だった。

 

手に取って、中を見る。

 

瞬間、グニャリと視界が曲がった。しかし、ベルはパニックにすらならずに、ボーッと空間を眺める。すると、頭の中に何者かの声が流れてくる。

 

『汝、力を欲し、炎を燃やすならば答えよ。』

 

ここで、ベルはあの本について思い当たった。

あれは、魔導書だったのだと。

 

『汝にとって、力とは?』

 

────目的を成し遂げる為に、必要な物

 

『汝、力に何を欲する?』

 

────雷の様な衝撃を

 

『汝、力に何を求める?』

 

────あの人の様な、疾風が如き速さを

 

夢想するのは、自身に戦いを叩き込んだ、あの疾風の様な女。ああなれたなら────ベルは、思い続けた。

 

『汝を突き動かすものは?』

 

────苛烈な迄の復讐心

 

『死ぬとしても、果たしたいか?』

 

ベルは、そこで初めて言葉に詰まった。

あの日から5年。復讐の為だけに生きてきたベルだったが、初めてこのオラリオに来て、楽しいと思える時間が出来たのだ。

 

このファミリアのアマゾネスの少女、酒場にいる2人の少女、ギルドにいるお節介なハーフエルフと気さくなヒューマン。全部、全部を失ってしまっても、本当にいいのか?

 

ベルは、一瞬の逡巡を見せたが、答えは変わらなかった。

 

────構わない

 

『ほぉ?全てを失っても構わないと?』

 

 

 

 

 

────僕の命が輝く時が刹那だったとしても、構わない。猛々しく吹き荒れる疾風に、苛烈に轟く雷霆に…!復讐が叶うのなら…もう何もいらない(全部捨ててやる)!!!

 

 

 

 

 

 

僅かな沈黙、しかしすぐに返答が来た。

 

 

 

『美しい迄に純粋な復讐心────流石、僕だ。』

 

 

 

瞬間、バチンと言う弾けるような音と共に、ベルは覚醒した。辺りを見回すと、皆がこっちを見ていた。不思議に首を傾げると、焦げ臭い匂いが鼻をついた。何かと手元を見ると、魔導書が焦げていた。

 

ベルの手に迸る、漆黒の雷を残して。

 

ベルはすぐさま武器を手に取り、自身の主神の部屋に駆け込んだ。

その駆け足の速さは、その場にいた3級冒険者達に残像だけを残して、消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ベル!今日一緒に……あれ?」

 

翌日の早朝。

ベルが寝泊まりをしている部屋を、ティオナが突撃すると、既にそこはもぬけの殻。武器や装備もいつもの場所にはなかった。

 

なぜ、ティオナが装備の配置を知っているかと言うと、だいぶ前からベルの部屋に入り浸っていたからだ。ベルの部屋には結構な数の本がある。文庫本から図鑑、ダンジョンについての事や、医学本まで様々ではあるが、1番多いのがティオナが大好きな英雄譚だった。

 

本人は大して興味はなさそうにしている。だが、なんでも死んでしまった祖父が読んでいた本を全て買い揃えたのだそうだ。形見の様に大切に扱っている事から、余程のおじいちゃん子であったことがわかった。

 

「ベル、いないの?」

 

「いないみたーい。もう行っちゃったのかな?」

 

後ろからひょこっと顔を出すアイズは、ほんの少しだけ残念そうな顔をしていた。

 

「折角18階層に誘おうと思ってたのに〜。」

 

「…もしかしたら、ダンジョンで会えるかも…」

 

「確かに!それもそうだね!フィン達も誘ったし、早速出発だ!」

 

 

 

 

 

 

 

「…だいぶ調子がいい。」

 

ベルは、ダンジョンの15階層にて、ステータスアップの感触を確かめていた。

ベルは、絶好調のまま下へ下へと降りていく。

 

丁度18階層に差し掛かった辺りで、ベルは背後にある複数の足音を捉えた。

敵かと、油断なく大剣に手を掛けて、暗闇をジッと見つめる。

 

「あっ!ベルいたぁーー!」

 

「ぶぎゅ」

 

とんでもないスピードで突っ込んできたのは、鉄骨の様な武器を持ったティオナだった。熱烈なハグは別にいい、別にティオナだから構わない。しかし、重い。ティオナではなく、武器が。

 

ティオナの下でじたばたしていると、ヒョイとティオナが持ち上げられる。

 

「お馬鹿!アンタは別として、ウルガなんて凶悪な重さの武器をベルに押し付けるんじゃないの。死ぬじゃない。」

 

「…さすがに、死んじゃう。」

 

「…ケホッ…ありがとう、ティオネ。アイズ。」

 

「ううん、気にしないで。」

 

「いいわよ、別に。それにしても、よくここまで無傷で来れたわね?」

 

「…?みんなだって無傷。」

 

「あんたねぇ…私達と一緒で考えるんじゃないの!」

 

無表情のベルに、ティオネは若干呆れる。そんな時に、後ろからまた誰かが歩いてくる。

 

「やぁ、ベル。久々だね。よもやこんなところで会うなんて。」

 

「もうこんな所にいるのか…」

 

「ベル!ようやく捕まえました!」

 

「…フィン…団長、…リヴェリア……レ…エルフ。」

 

「前から言っているけれど、フィンで構わないよ。」

 

「ん…わかった。」

 

ロキ・ファミリアの団長であるフィンと、副団長であるリヴェリア、そしてその弟子であり、最近何故かやたらと絡んで来るレフィーヤが現れた。

 

「ほら、ベル。レフィーヤです!あの時みたいに呼んでください!」

 

「…うるさい、喧しい…呼んでないし…」

 

「え〜?呼んでたじゃん!すっごい焦った顔してさ、レフィーヤァ!って。」

 

ティオナがベルの脇腹をつんつんと突っつきからかう。ベルは無表情のままそっぽを向くが、もう意味は無い。

 

「耳真っ赤〜!」

 

「うるさい…!」

 

「照れなくていいんだぞ〜?ホレホレ〜!」

 

「バカにして…っ!」

 

「お!珍しくベルが掴みかかってきた!可愛い〜!」

 

いくら強いと言ってもLv2。そのベルが掴みかかるのはオラリオでも最高峰のLv5のティオナ。いいようにあしらわれ、結局ハグをする形で押し倒される。

 

「……メスシルバーバック……」

 

「言ったなぁ!このぉ!」

 

「ぐぎぎぎ」

 

ベルがボソリと呟いた言葉に、ティオナがヘッドロックを掛けて、ベルがじたばたと藻掻く。

そんな様子は、元気溌剌な姉と、無愛想に見えて、実は優しい弟の触れ合いのようで、どうにも微笑ましかった。

 

リヴェリアは、その様子を眺めながらも、やはりベルの成長に目を見張った。

 

「ベル…無理はしていないか?」

 

「…してない。魔法も使えるようになったし。」

 

「え!?嘘!聞いてないよ!」

 

「昨日の夜にステータス更新したら、あった。」

 

「どんな魔法なの?教えて!」

 

そうやって詰め寄るティオナだったが、フィンによって止められる。

 

「それは気になるけれど、とりあえずは街に入ろう。折角だ、ベル。僕達と一緒に行ってみるかい?」

 

「…わかった。」

 

ベルは、無表情でフィンの言う事に頷くと、ティオナの横に立ってトコトコと歩いて行く。なんだかんだ言って、1番懐いているのである。

 

そのまま7人は、ワイワイと街に進んでいく。

 

 

 

ベルは、その先に待ち受ける、圧倒的な迄の闇を

 

 

 

 

 

まだ知らなかった。

 

 




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