僕のヒーローアカデミア:BEAST ON! 作:u160.k@カプ厨
ミストヴィランの攻撃により視界が暗転した次の瞬間、僕は眼下に広がる水面とそこに浮かぶ船に見覚えがあったことから、USJ内の水難ゾーンに飛ばされたらしいことを理解した。
しかし僕の
「へへ、来たぞ!」
「ワリィがここでサヨナラだ!」
水に落ちた僕が目を開くと、周囲には水中行動に特化したヴィランが複数で待ち伏せていた。
その中の一人が襲い掛かる!
(水中戦は苦手だけど
「死ィ、へぶっ!!?」
その牙が僕に届くことはなかった。ヴィランの顔面を誰かが蹴り付けたのだ。
(蛙吹さん!)
「緑谷ちゃん、しっかり掴まっててね」
水底に沈み行くヴィランを一瞥もせず、蛙吹さんは僕をそのまま近くにあった船まで引き上げてくれた。
「ゲホッ! ありがとう蛙吹さん、助かったよ」
「どういてしまして、それと梅雨ちゃんと呼んで」
「どどど、どうすんだよ、これぇ!?すっかり囲まれちまってるぞ!?」
どうやら峰田君も一緒にここまで飛ばされ、蛙吹さんに助けられていたようだ。彼の言う通り、僕たちが乗る船はヴィランが押し寄せていた。
しかし、船が大きいだけに船体をよじ登ってくるような気配は今のところない。
「それにしても大変なことになったわね」
「うん。でもさっき轟君と話してた通り、情報が敵に流れているのは事実だ。けど、みんなの個性や僕の獣拳についてはその限りじゃないみたいだよ」
「どういうこと?」
蛙吹さ「梅雨ちゃんと呼んで」つ、梅雨ちゃんが首をかしげる。
「さっきのミストヴィランは僕も獣拳のことも知らなかった。それにあs、っ雨ちゃんが火災ゾーンじゃなくて、得意な水難ゾーンに転移させられている。つまり彼らは
これは大きなアドバンテージになるハズだ。相手の意表を突くことは拳法でも常套手段だ。
「これからどうするか、今の状況を打破するカギは私たちの個性と緑谷ちゃんの獣拳、ということね」
「たぶん……いや、きっとそうだ」
さっきから思ってたことだけど蛙吹さんはスゴイ。
冷静なだけでなく、常にどうすればいいか、自分がどう動くべきかを取捨選択するスピードが速い上に正確だ。
もしここが僕だけだったら、変に気を急いて、誤った選択をしていたかも知れない。
「つーか、オマエらなんでそんな冷静なんだよ!? 今の状況わかってんのか!? 対人戦闘なんざ訓練で!それもまだ一回しかやったことないオイラたちが!周りをヴィランに囲まれてんだぞ!?」
涙目で半狂乱状態で叫ぶ峰田君。ある意味、自分が置かれている状況を正しく理解できている。
「わかってるよ。周りのヴィランやミストヴィランの言っていたことからも、ヴィラン達は僕たちを生きて返すつもりはないっていうのも」
ヒュッと息を飲む峰田君の目が「マジかよ? ウソだ、と言ってくれ」と雄弁に物語っている。ジッとしていても相手は本物のヴィランである以上、僕たちを排除しようと動くのは明白だ。
「誰かが助けを呼んでくれて即座に駆け付けてくれたとしても、僕たちが捕まって人質にされてたらダメだ。救助にきた人たちまで危険に晒すことになる」
なら少しでも相手の計画を狂わせるべく行動すべきだ。目標はヴィラン達の撤退。あわよくば制圧・捕縛できればいいけど、それは難しいだろう。
「けどよ、
確かに希望的観測が過ぎるきらいはあるが、峰田君の意見も
けど、ヴィラン達の狙いはそのオールマイト。数を頼りにしているとは考えにくい。何らかの策があると見るべきだ。
「あのヴィランは『オールマイトに死んでもらう』つまり『殺す』って宣言したわ……しかもあの口振りからして、確実にそれを成す算段があるのよ」
蛙s、っ雨ちゃんの言う通りだ。ミストヴィランの言葉には、普段かっちゃんが吐く暴言とは違った底知れないどす黒いなにかを感じさせた。
希望にしていたオールマイトが危ない、と聞いて峰田君の表情が絶望に染まる。
「とりあえず、ここを突破することを先に考えよう」
「そうね。じゃあまず私の個性だけど、蛙っぽいことは大体できるわ。跳躍、壁にくっつくことができて、舌は20メートルくらい伸びるの。胃を取り出して洗えるのと、毒性の粘液を出せるけど、ちょっとピリッてするくらいだから使い勝手は良くないわね」
「オイラのは超くっつく。体調によっちゃ、一日中くっついたままになる。もぎった傍から生えて来るけど、もぎり過ぎると血が出る。オイラ自身にはくっつかずにブニブニ跳ねる」
峰田君はもぎった球状の髪の一房を船体の壁にくっ付けた。体力テストや戦闘訓練の時は解らなかったけど、蛙s、っ雨ちゃんも峰田君もスゴい個性だ。
特に峰田君の個性はこの場面を突破するには持ってこいだ!
「だから大人しく待とうって言ったんだよぉ!オイラの個性は戦闘にゃ不向きなんだよぉ!!」
感心していたのだが、峰田君には僕たちはリアクションに困っているように見えたらしい。
「ち、違うよ!峰田君のおかげで今の状況をクリアできる手段を思いついたんだよ!」
「マジか!?」
泣き叫んでいた峰田君が再び落ち着きを取り戻すのを待ち、作戦を説明する。
「そんなことホントにできんのか!?」
「でも、他にいい作戦も思いつかないわ……やるしかないわね。けど本当に大丈夫なの? 緑谷ちゃん」
「うん!峰田君の個性と
手甲付きグローブの高次元圧縮ポケットから取り出した
ーーーーーーーーーー。
「お、ようやく顔出しやがった……か?」
「ブッ殺してや……る?」
僕を視認して、異口同音の挑発的な言葉を放っていたヴィラン達が鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。原因は解らないけど動きがない今が好機!
「激技!激激砲ッ!!」
どことなく
「に、逃げろぉー!!」
ゲキバズーカの砲口に、牙を剥く猛獣の姿を見て怯えていたであろうヴィラン達が我に帰って散開し始めるがもう遅い。
着弾した気弾は巨大な水柱と波紋を発生させながら、水面に大穴を開ける。すると、そこに周囲の水が流れ込み、大きな渦潮が発生する。
「峰田君!」
「オイラだって!……オイラだってぇ!!」
僕の合図で峰田君がもぎもぎ球を次々に大渦に向かって投げ込むと、もぎもぎが大渦に飲み込まれたヴィランにくっつき、そのもぎもぎがさらにヴィラン同士をくっ付ける。
「な、なんだこれ!?」
「くっついて取れねぇ!」
「おい、オマエ離れろよ!」
「オマエこそ離れろ!」
「ヤベェぞ、これ!」
「う、動けな……」
くっつき合う数が増える度に動きが取り辛くなる。
なんとかその情況を脱しようとしていたヴィラン達だったが、やがてムダと悟ったらしく、もがくのを止めた。
ーーーーーーーーーー。
「第一関門突破ね。スゴいわ、二人とも」
なんとか岸まで到着した僕たちを蛙s、っ雨ちゃんが労いの言葉を掛けてくれた。それが嬉しくて、峰田君と拳をぶつけ合う。
「……ねぇ、緑谷ちゃん。私、思ったことは何でも言っちゃうの」
「う、うん」
何だろう?
「バズーカを使うのは拳法と言っていいのかしら?」
「それはオイラも思った!」
「……」
マスターは昔、竹筒で使ってた
~バエの獣拳アカデミー~
バエ「ゲキバズーカ!獣拳奥義、《激激砲》の発動に必要な武装です!」
出久「未熟な僕では激気を集めるのに2分ほど掛かってしまうのと、破壊力が強すぎるので中々使う場所が限定されてしまいます……」
バエ「出久さんの先達は《激激砲》を使うための真髄を豚の角煮に見い出していましたね」
出久「ぶ、豚の角煮ですか!?」
バエ「はい、ちなみに掛け声も「豚の角煮!」でした」
出久「掛け声もですか!?」
バエ「はい。豚の角煮はじっくり煮つめないといい味が出ません。それと当初は出久さんと同じく先達の方々も激気を集めるのに時間を要したこと。その双方を引っ掛けたようです」
出久「なるほど!料理の中にも修行あり、というワケですね!!」
バエ「そうかも知れませんね!あ、ちなみに掛け声が「豚の丸焼き」だったりしたこともありましたよ!」
出久「!?!?!?」
バエ「さて次回!USJに強襲したヴィラン達、出久さん達はこの情況を脱することができるのでしょうか!?」
出久「さらに向こうへ!」
バエ&出久「「Puls Ultra!!」」