僕のヒーローアカデミア:BEAST ON!   作:u160.k@カプ厨

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修行其の三:バクバク!入学試験!!

 雄英高校、入学試験当日。出久はなぜか宙に浮いていた。

 

「いきなりごめんね、コレ私の個性なんよ!」

 

 声のする方に振り向けば、躓いて転びそうな出久を助けた麗かな雰囲気を纏う少女の姿があった。

 

「これから試験なのに転んじゃったら縁起悪いもんね!」

 

 彼女の笑顔をみた瞬間、出久の体に落雷を受けたかのような衝撃が走った!

 

「あれ? 君、どっかで見たような……あ!ヘドロ事件の!!」

「!」

 

 ヘドロ事件。爆豪を人質にしたヘドロマンがオールマイトにブッ飛ばされた事件を世間ではそのように呼ばれていた。そしてその中心事物となった爆豪は一躍時の人のような扱いを受けていた。

 

 片や出久と言えば、あの場にいたプロヒーローや警察官に(その後は学校の教師や母にも)お説教を頂戴し、(なぜかオールマイトが個性ではないことを証言してくれたが)獣拳を個性の無断使用の容疑を掛けられたことで、悪い意味で有名になってしまっていた。ついでにあの事件の直後に爆豪には暴言まで吐かれたのだから踏んだり蹴ったりであった。

 

 だがしかし、今の出久は目の前にいる女子に目と意識を奪われ、彼女の言葉に声にならない声でなんとか反応を返すのが精一杯だった。

 

「スゴイ人といきなり会えるなんて幸先いいかも!お互いがんばろうね!!」

 

 『それじゃ!』と去っていく女子の背中を心ここにあらずといった状態で見送る出久。その心臓は入試への緊張と(本人は気付いていないが)別の理由も含めてバクバク状態だった。

 

「女子としゃべっちゃった……」

「いやいや、全くしゃべれてませんからね?」

 

 人生で初めてかもしれない経験に感動している出久に対してツッコミを入れるものがいた。

 

「次に合う機会があればちゃんとお礼言わないとダメですよ?」

「はい……」

「さて、私はここらで一旦失礼するとしましょう。それでは試験、頑張ってくださいね」

「はい!ここまでありがとうございます」

「いえいえ、では試験が終わった頃にまたお会いしましょう!ブンブーン!」

 

 出久に激励を送ると、声の主は軽やかに飛び去って行った。

 

 

 

 

 その数時間後、出久は午前の筆記試験を無事に終了。確かな手応えを感じつつ午後の実技試験に臨んでいた。

 

「今日は俺のライヴにようこそーー! エヴェイバディセイヘイ!」

 

 午後の実技試験の説明を行うのは雄英高校の教師でありプロヒーローの一人、プレゼント・マイク。

 人気ラジオDJでもある彼のノリノリな掛け合いだが、誰も反応を示さない。と言うか突然過ぎて示せない上にノリにもついて行けなかった。

 

『こいつぁ、シヴィー! 受験生のリスナー! 実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!! アーユーレディ!? YEAHHHHH!!』

 

 またもや無反応。されどプレゼント・マイクは凹むことなく説明を開始した。強い。 

 

『実技試験の内容は10分間の模擬市街地演習だ!装備品の持ち込みは自由!!ただし、他の受験生を攻撃するなどの妨害するのはNGだぜ!』

 

 1から3ポイントが割り振られた仮想ヴィランロボットを撃破していき、合計点数を競うと言う内容だった。更に0ポイントのお邪魔ギミックが出現するらしい。

 

(かっちゃんと僕は受験番号が連番だけど試験会場が違う……同じ学校の受験生同士で協力させないためか。……まぁ、僕とかっちゃんが協力するなんてあり得ないけどね)

 

『かの英雄、ナポレオン=ボナパルドは言った!

『真の英雄とは、自身の不幸を乗り越えて行く者』と!!

Plus Ultra(更に向こうへ)”!! それでは皆、良い受難を……!』

 

 

 

 

 

 説明を受けた出久は他の受験生と共に試験会場に移動していた。

 

『ハイ、スタート!』

 

 その声と同時に飛び出し、最初に現れた『1P』と書かれた仮想ヴィランロボ。それを正拳打ちで撃破して次のターゲットに向けて駆け出した時、出久は周りに誰もいないことに気付いた。

 

(マズイ!フライングしちゃった!?)

 

『HEYHEYHEY!どうした!どうした!? 実戦じゃカウントダウンなんざねぇぞ! 走れやHURRY UP! 賽は投げらてんゾYEAH!』

 

 焦る出久だったが、逆に他の受験生が出遅れただけのようなので内心で胸を撫で下ろす。その後も他の受験生ともども順調にポイントゲットしていたが、突如大きな揺れが受験生たちを襲った。

 

「な、なんだ!?」

地震(トランブルモン ドゥ テール)かな?」

 

 近くにいた腹部からビームを放つ金髪少年の推測は外れた。揺れの正体、それはお邪魔ギミックこと0ポイントの巨大な仮想ヴィランロボだった!

 

 勝機がない、ポイントにならないなら戦うだけ無駄、と巨大ヴィランから逃げる受験生。そんな中、出久は逃げずに巨大ヴィランロボを見上げていた。

 

(ダメだ!これが実戦だったらなら、どうする? 逃げる? いやそれは違う!ヒーローがヴィランに背を向けてどうする! ()()()()()()が使えればいいけど、今の僕には使えない! それでも逃げるのだけは絶対に違う!!)

 

 その時だった。不意に吹いた風が砂埃を払いのけると、朝の校門で転びそうだった出久を助けてくれた少女が瓦礫に足を挟まれて動けなくなっているのを発見した。

 

(助けなきゃ!)

 

 恩人の危機に思うが早いか、すでに出久は巨大ヴィランロボに向かい走り出していた。

 

(どうする! どうすれば助けられる!? 穿穿弾、いや威力が足りない! ()()()()は足元のあの人をより危険に晒しかねない!)

 

 高速で脚と思考を走らせる出久。巨大ヴィランを見上げたその時、視界に入ってきたビルが適解への()となった。

 

「これだ!」

 

 そして出久はビルの壁を駆け昇る! 

 

(ビルの高さを越えるほどの相手。ならばビルの壁を足場に走ればいい!)

 

 屋上にまで来た時、そこから更に跳躍!

 そして繰り出すは、高めた激気を集中させた拳を相手に直接打ち込む今の出久の必殺拳!

 

「激技!穿穿拳(センセンケン)ッ!!

 

 出久の拳は0ポイントの巨大仮想ヴィランロボの頭部を殴り飛ばし、撃破した!

 

 そして、

 

『試験終了ーーーーーー!!』

 

 危なげ無く着地した出久はそのまま、倒れた少女の元に駆け寄る。

 

「あ、あの、大丈夫ですか!?」

「あ、うん……その、ありがとう!」

 

 瓦礫を退かし、無事を確認した少女の言葉に胸が熱くなった出久は安堵の笑みを返した。

 




~??の獣拳(?)アカデミー~

プレゼント・マイク「爆豪勝己!個性『爆破』!掌にある変異した汗腺からニトロのようなモノを分泌して自由に着火、爆発を起こすぜ!」
??「ド派手で優秀、ヒーロー向きの個性とされていますね!……って、出久さんはどうしたんです?」
マイク「緑谷ならあっちで放心してるぜ!」
??「ようやくメインヒロインと私が登場したと言うのにですか!?」
マイク「ドンマイだぜYEAH!」
??「それは別の彼へのセリフじゃないですか!」
マイク「試験は万全を尽くした緑谷!あとは天命を待つだけだがどうなる次回!?」
??「更に向こうへ!」
マイク&??「「Plus Ultra!!」」
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