僕のヒーローアカデミア:BEAST ON! 作:u160.k@カプ厨
入学二日目、午前中はプレゼント・マイクが担当する英語などの通常科目を終えた僕たちはヒーロー科の生徒のみが受けることができるヒーローについて学ぶ『ヒーロー基礎学』という授業に臨もうとしていた。
「わーたーしーがー! 普通にドアから来たァ!」
ヒーロー基礎学の担当講師である『シルバーエイジ』と言うコスチュームに身を包んだオールマイトの登場に僕は勿論、クラスメイト達が感動と興奮に目を輝かせた。
「さて、早速本日の課題を発表するぞ! そーれーはー!『戦闘訓練』のお時間だ!」
オールマイトは演習所βに着替えて集合するように指示を出すと、教室を後にした。
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「形から入るってことも大切なことなんだぜ!」
数分後、指定された場所に集合した僕たちにオールマイトが告げる。
「そして自覚するのさ! 今日から自分は『ヒーローなんだ』と!!」
身に着けているのは昨日着用していたジャージではない。『被服控除』という制度の下、各人の趣味や個性に合わせて製作された『
「良いじゃないか皆、カッコいいぜ!! それじゃあ、始めようか有精卵共!!」
「デク君、カッコいいね! 地に足が着いた感じだよ!」
「あ、ありがとうごじゃいまふ!」
緑のカンフージャケットとシューズ、黒のズボン。そして手甲の着いた黒いフィンガーレスグローブ。これらは全てマスター・シャーフーからの合格祝いで送られた品で、それを褒められるのはとても嬉しかった。
ただ、
「私はもっと詳しく書けばよかったよ、パツパツスーツになってしまった……ちょっと恥ずかしい……」
確かに麗日さんのコスチュームは身体のラインがハッキリ出てしまっているため、女子にとっては厳しいのかもしれない。けど、少しでもフォローするのが友達としての礼儀だ!
「ぼ、僕は、その宇宙飛行士を彷彿とさせるデザインはか、カッコイイと思うし、ピンクをメインとしたカラーリングは麗日さんによく似合ってて、その……か、可愛らしてくて、いいと思いますです……ハイ」
「えへへ、そっかな? ありがと!」
カミカミの噛みまくりだ……。それでもなんとか言いたいこと伝わったらしく、俯きかけた麗日さんは照れたように笑ってくれた。
「まぁ、私はまだいい方なんよ。他の子は露出度が高くされちゃってる子もいるみたい」
「通りで八百万もスゴいカッコな訳だ」
「いやいや、実はヤオモモは注文通り。むしろ逆に隠されちゃってるんだって!」
『目のやり場に困る』と同意せざるを得ないことを呟く尾白君と姿は見えなくとも賑やかな雰囲気の葉隠さんもまた希望した戦闘服を身に纏い、やる気に満ち溢れていた。
「尾白君は道着風なんだね!カッコいいよ! 葉隠さんは……ステルススーツ?」
葉隠さんがいると思しき場所にはブーツと宙に浮くグローブしか僕の目には見えなかった。
「違うよ!私はブーツとグローブだけ!」
『フンス!』と(おそらく)胸を張りながら自慢気な葉隠さんに尾白君は頭を抱えていた。
そして、昨日除籍を免れた峰田君は『ヒーロー科最高!』とサムズアップを向けて同意を求めて来たが、僕は何も言えなかった。
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「では戦闘訓練を開始するぞ!内容はヒーローとヴィラン二人ずつ分かれての屋内対人戦だ!」
ヒーローとヴィランの戦闘は屋外の方が多い。と思われがちだが、実は微妙に違うらしい。
オールマイト曰く、統計で言うなら凶悪ヴィランの出現率は屋内の方が高く、監禁・軟禁・裏商売など『ヒーロー飽和社会』と呼ばれるこの現代において、真に賢しいヴィランは屋内と言う名の闇に潜むのだという。
「基礎訓練もなしに?」
「その基礎を学ぶための訓練さ!」
ダイビングスーツ風のコスチュームの蛙吹さんの質問にオールマイトはにこやかに答えた。
「設定としては二人組のヴィランが核兵器をアジトに隠しているのを、二人のヒーローがそれを処理するって感じだ!」
オールマイトの(カンペを見ながらの)説明が一区切りしたところで、怒涛の質問ラッシュが始まった!
「チームメイトと対戦相手の選出はどのように行われるのでしょうか?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか?」
「また除籍とかないですよね?」
「勝敗のシステムはどうなっているのですか?」
「分かれ方はどのような方法ですか?」
「巨大戦はありますか?」
「このマント、ヤバくない?」
「ンンンーッ!!!聖徳太子ィッ!!!」
マスコミによるインタビューなどで慣れていそうなオールマイトでも、同時に複数人を相手にした質疑応答ができるわけではないようだ。
『喋りの中に修行あり』ってマスターが言ってたっけ……僕も結構口下手だから頑張らないと!
「勝敗についてだが、制限時間は15分! それ以内にヒーローチームは核兵器の回収、もしくはヴィラン二名の確保。対するヴィランチームは核兵器を守りきるか、ヒーロー二名の確保。これらが勝利条件となるぞ!」
ちなみにチームメイトと対戦チームの選出はくじ引きによって行なわれた。
なんか、聞き覚えのある声で変なことを聞いた人がいたような気がしたけど……、気のせいだと思うことにしよう。
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ヒーロー:Aチーム 僕&麗日さん。
ヴィラン:Dチーム かっちゃん&飯田君。
第一回戦から、しかも対戦相手がかっちゃんであることに『くじ引きって、ランダムってなんだろう?』と変なことを考えてしまうが、すでに賽は投げられた。ならば腹を括るしかない。
その5分は互いに作戦を立てたり、罠を仕掛けるなど事前準備のための時間だ。しかし、かっちゃんは勿論。飯田君も罠を使った策を取るタイプではないので、必然的に正面からぶつかり合うことになるだろう。
『それでは時間だ!AチームvsDチーム、屋内戦闘訓練……スタート!』
オールマイトのスタート宣言に従い、行動を開始した僕たちはビル内に潜入してすぐにかっちゃんの奇襲を受けた!
しかし抑える気配すらない濃すぎる殺気のおかげで、麗日さんを横抱きに抱えながら間一髪で回避に成功した。
「コラ、クソデク……避けてんじゃねぇよ」
ヴィラン顔負けの殺意ダダ漏れな目付きに怯まず、視線を外さない。もし外せばその隙に致死レベルの攻撃を仕掛けて来るからだ。
「麗日さん」
「ひゃい!?」
「悪いけど、先に行っててくれるかな……」
「う、うん!わかった!頑張ってね、デク君!」
サムズアップを向けて走り去って行く麗日さん。ヤケドをしてしまったのか耳や頬が赤かった気がするけど、心配は後だ。
制限時間もある以上、早目に合流したい。けど、目の前にいる爆豪勝己と言う男はそれが易々と叶う相手じゃない。
「死ねェーーーッ!!!」
掌で起こした爆破で飛び上がり、それを推進力にして突っ込んで来る。
そして
「ぐあっ!?」
苦痛に声をあげて壁に背中を打ち付けるかっちゃん。恐らく僕に動きを読まれて動揺したのだろう、防御どころか受け身もまともに取れていなかった。
「いつまでも、『ザコで出来損ない』のデクじゃないぞ、かっちゃん! 今の僕は『頑張れ』って感じのデクで……」
訳あっていなくなる前、僕は
それは師が弟子の力量を認めた時、その者のあり方を誇示する肩書き授ける。という風習に従ったものだ。
『出久よ、オヌシは頑健な『体』もなければ、『技』も『心』も未熟……。しかし『無個性』故に降りかかる数多の困難にもめげずに己の夢を貫こうとする強い『志』を持っておる。故にオヌシが獣拳使いとして戦うことがあればこう名乗るがよい。オヌシは……』
「『不撓不屈、己が決意に迷いなし! 『
師から授かった肩書きを叫び、獣拳の構えを取る僕を見たかっちゃんはさらに怒りを滾らせる。爆発寸前の火薬庫の前に立つとしたらこんな感覚なのだろう。
「何チョーシくれてやがる……クソナードの分際でカッコつけてんじゃねぇ……そういう所もムカつくんだよ!!!」
爆破で跳躍したかっちゃんが空中から放った回転式ミドルキックを防ぎ、仕込んでいた捕縛テープを巻き付けようと試みる。が、その前に蹴り脚を引かれて失敗に終わる。
再度爆破で加速しながらの攻撃。その軌道を見切り、回避しつつ跳躍。無防備な背中に叩き込んだ浴びせ蹴りは会心の一撃となって、かっちゃんからダウンを奪うことに成功した!
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緑谷と爆豪の戦いの様子を俺たちは地下にあるモニタールームで観察していた。
「あれが獣拳の動きか……」
「獣拳?」
「知ってるのか、尾白君!?」
獣のような緑谷の動きに関心して呟いた言葉は、近くにいた常闇とどこぞの塾生のような合いの手を入れる葉隠さんに聞こえていたらしい。
「あぁ、俺も詳しいわけじゃないけど、己の内に獣を感じ、その力を手にする拳法らしい。超常黎明期以前よりは学ぶ人が少なくなっているけど、プロヒーローの中にはこの流派を修めている人も少なからずいるそうだ」
「おや、獣拳について知ってくださっているなんて、感動ですね!」
突然どこからともなく聞こえた声はこの2日間では初めて聞いた。少なくとも俺に聞き覚えはなかった。しかし、その声の主を探してモニタールーム内を見回すが、その姿は確認できない。
「誰だ!?」
「ここですよ、こーこ」
モニタールームの出入口付近の物影から虫が飛ぶような羽音と供に現れたのは20センチ程の人の型をしたハエだった。
「で、でっかいハエ!?」
「ハエじゃありません! 私、出久さんのお目付け役で激獣
「ど、どうも」
その大きさに驚く葉隠さんに抗議するバエと名乗る人物(?)は、確かにランニングシャツとサスペンダー付きのジーンズ、そしてメガネを着用している。そして何よりも気になるのは口がマイクになっている所だ。あまり昆虫に詳しくない俺でもそんな生物が自然界にいないと言うことはわかる。
そして彼もまた激獣拳と言う流派の獣拳使いである以上、ただのハエではないことは明らかだった。
「待つんだ、爆豪少年!本気でそれを使うなど……殺すつもりか!? 」
『なぜここにいるのか?』と聞こうとしたのだが、オールマイトの不穏な叫びにその疑問は思考から消えてしまっていた。
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出久の抵抗に業を煮やした爆豪は籠手に仕込まれたギミックを起動させる。それを見咎めたオールマイトからの制止すら今の彼を止めるブレーキには成り得ない。
「うるせぇな……、当たらなきゃ死なねぇよ……!」
爆豪はそう言うと手榴弾のピンのようなモノを外す。篭手の中に溜め込まれたニトロ・スウェットが起爆、全てを飲み込むような爆炎が放たれた!
「避けろ!」
そう叫んだのは誰の声だったのか。それでも回避行動を取ろうとしない出久に当人である爆豪すら驚愕に目を開く。そして、この後に広がる凄惨な光景を予想した数名が固く目を瞑り、顔を反らした。
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「激技!」
僕は爆炎に怖じ気づいて動けなかった訳じゃない。
かつて憧れ、目標としていた幼馴染みに勝つため。真正面から挑むためにそこから動かなかったのだ!
「穿穿弾!」
かっちゃんの爆炎に対して、己の中にある激気を放つ!
その牙を『
正面からぶつかり合った爆炎と獣の気弾は互いに相殺しあい、虚空の中に消えていった。
「なっ……!?」
かっちゃんの表情が驚愕に固まる。混乱の極み状態に陥ってるのだろう。
己の攻撃で一歩間違えれば僕を本当に殺しかけたこと。
その相手が放った攻撃に己の爆炎を消されたこと。
様々なことがこの短時間で起きすぎたことで、脳内の処理が追いついていないのだ。
故に隙を突いたタックルによって押し倒され、捕縛テープを巻き付けられたことに気付いたのは走り去る僕の姿が見えなくなった後のことだった。
「ックソがぁあぁーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
かっちゃんの悔恨の怒声を聞きながら僕は麗日さんと合流すべく、上階の階段を駆け上った。
その後、僕と麗日さんは即席とは言えども、連携して僕が飯田君を足止めしている間に麗日さんが核兵器を確保。制限時間ギリギリで勝利することが出来たのだった。
~バエの獣拳アカデミー~
バエ「いよいよ私も本編に登場できました!」
出久「良かったですね!これからベランベランな実況をお願いします!」
バエ「お任せください!激獣
出久「そして今回から登場した僕の
バエ「これはゲキレンジャーの初期メンバーのお三方の内、男性メンバーが着用されていたモノの色違いになりますね!」
出久「オリジナルの設定として、激気を通しやすい特殊な布で出来ていて、激気によって防御力を向上させることが出来ます!」
バエ「そして手甲つきのグローブですが、これは勿論ゲキチェンジャーです! 激気を増幅して激技の精度や威力を向上させることが可能!」
出久「さらに高次元圧縮収納機構により、災害救助用の器具や応急セットなどのアイテムを多数収納できる優れモノです!」
バエ「さて次回は?」
出久「戦闘訓練が終わった僕たち、だけどまだもう一悶着ありそう?」
バエ「さらに向こうへ!」
バエ&出久「「Puls Ultra!!」」