ぐるぐるとずっと悩む少女の様子を見たセバスは、助け舟を出した。
「ここはあなたにとっては、よほど大切な場所なのですね。では私の素性を明かしますので、それからゆっくり取引をするか考えては頂けませんか?」
今の少女には重大な決断を下せる余裕はなかった。
また人間に暴言や脅迫を受けたように、また迫害されたらどうしよう。
自動人形達が奪われるのではないか?
昔を思い出して、考え込む。
セバスは左胸に手を当てて深々とお辞儀をした後に、ゆっくりと話し始めた。
「では、私から自己紹介を致します。私は代々続く貴族のソリュシャン様に仕えております、セバスチャンと申します。セバスと呼んで頂いて結構です。そして、自己紹介が遅くなってしまい申し訳ありませんでした」
セバスチャンは、自己紹介が終わった後再度、深々とお辞儀をした。
「セバスチャン様、自己紹介ありがとうございます。私の名前はメイティと申します。裁縫と魔法が得意です。よろしくお願い致します。」
メイティはお辞儀が久しぶりなのか、ぎこちなくお辞儀をした。
「あの・・セバス様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「もちろん、どうぞ。セバスとお呼びください。」
セバスはにっこりと微笑んで答える。
「実はまだ、頭の中がまとまらなくて・・取引するかどうかは決められないので、2、3枚プレゼントするのでセバス様、今回はお試し期間ということでお願い出来ませんか?」
両手のこぶしをギュッと握ってメイティが話す
「もちろん。お試し期間を頂けるなんて、こちらとしても服の効果が試せるので嬉しいです。ありがとうございます」
セバスは、ツアレ用に回復魔法の効果アップと即死無効化率アップの服をそれぞれ選び、最後の一枚はアンデット用に光魔法耐性アップを選んだ。
やっとセバスはナザリック地下大墳墓に帰ることに・・・
________本日は長々と失礼致しました。そして服のプレゼントありがとうございます。」
玄関でセバスは一礼をした。
「いえいえ!私の方こそ、当初は荷物を運んでもらうだけだったのに、突然に秘密暴露したり、プレゼントしたりと長い時間、引き留めて申し訳ありませんでした」
もはや残像が見えるんじゃないかぐらいの速さで、ペコペコとメイティは謝る。
「____人助けはやっぱりするべきことですね。こんな素晴らしい服に出会えるなんて・・・」
プレゼントされたセーターを見ながら、しみじみとセバスは喜んだ。
(今日は、人助けが迷惑になってしまうと思う出来事ばかりで大変でしたが、良かった、良かった)
メイティとは服の感想を伝えるため、また会う約束をした。
メイティは家の外に出て、セバスの姿が見えなくなるまで大きく手を振っていた。
「ありがとうーーー!また会いましょうーーー!!」
セバスはメイティから見えなくなるところまで歩き、それからはゲートの魔法を使用して、ナザリック地下大墳墓に帰った。
メイティは久しぶりに、人と会って話す楽しさと、別れる寂しさを体感した。
(ああ~こんなに雑談を話したのは久しぶりだったな~。また会いたいな~。久しぶりに、おばあさんに変身しないで街に出掛けてみようかなあ・・・)
___とある場所に住んでいた、おばあさん(美少女)の人間嫌いがちょびっと治った。