オーバーロード セバスのほのぼの日常   作:きりんじ

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ツアレの言葉って私は好きですよ。

色々な人と挨拶をして、初めて会う人ばかりでドキドキしたツアレ。

(朝から色々あり過ぎだよ~・・・)

 

ただ食堂で朝ご飯を食べるだけだったはずなのに、こんなに色々な人に会っちゃった~・・・

プレアデスの方々と会うのが今日の一大イベントだったはずなのに、セバス様やら知らないメイドの方々、モンスター・・・

 

沢山の挨拶をして、ふとツアレはこんなに沢山の方々と仕事をうまくやっていけるのか心配になった。

最初はセバス様と一緒に居られたらそれで良かった。

だから、どんな場所でもいい・・・地獄でも天国でも、あの苦しみの場所から離れられるならばと・・・・ここで働くことを希望した。

 

あの頃はどうせ死んでしまうんだし、どうせ死ぬなら本当の事を言おう。

死ぬのなら思いっきり、自分の好きに生きよう!

 

などと、セバス様にお願いをしたり、アインズ様に会ったりと何でも出来た。

 

しかし、今となっては心が以前より落ち着いた為か、新しいことに出会うと怖くなってしまう自分がいる。

今より悪くなってしまうんじゃないか、うまく出来るだろうか?と。

 

またぐるぐる思考になってしまったツアレ。

考えてもしょうがないんだけれど、新しい人に会うといつも考え込んでしまう。

(この性格、直したいなあ・・・)

 

 

_______「・・・・本日は・・をして・・・ツアレ聞いていますか?」

ツアレが気づかないうちに、セバスは今日の仕事の予定を話していた。

「あ、ああ!申し訳ございません・・・聞いていませんでした・・・」

ツアレは自分の考えすぎのせいで、人の話を聞いていなかったことを悔やんだ。

 

「ごほん、ではツアレ、もう一度言いますのでよく聞いてくださいね。」

セバスは特にツアレを責める事もなく、話を進めた。

(セバス様・・・優しい・・・昔はよく責められたなあ・・・)

 

 

 

「本日は食堂で食事のあと、まだツアレが行ったことのないメイド達の休憩室に行きます。そこでシフト表という勤務表を確認に行きます。

今までは私から、本日の仕事の内容をツアレにお伝えしていましたが、これからは他のメイド達と同じように各自で確認して頂きます。

その後は、これから掃除をする場所が増えるので「エクレア」という執事助手に挨拶しに行きます」

セバスは長い話をしてしまったので、ツアレに確認を投げかけた。

 

「・・・・ツアレ?・・・・・一気にズラッとお伝えしましたが、大丈夫でしたか?」

セバスはツアレを見た。

 

「はい!セバス様、大丈夫です!食堂の次はメイドの休憩室ですね・・・ワクワクドキドキ・・・・楽しみだなあ・・・」

ツアレは話を理解したようで、自分の心境を述べた。

 

「・・・?ツアレのその表現、素敵ですね」

セバスはツアレがよく擬音などで心境を伝えてくることが、最近ひそかに気になっていた。

(ナザリックの方々は実に言葉が達者で話しやすいのですが、ツアレのような「なんとなく」の気持ちを言葉にする方はあまりいらっしゃらないので、新鮮ですね)

 

ツアレはあまり大したことを話したつもりはないので、何に対して褒められたのかいまいちピンとこなかった。

(なんだろう・・ワクワク?ドキドキ?セバス様が褒める言葉って???)

 

「・・・??? す、素敵って何でしょうか???」

自分で発した言葉なのに、褒められた意味が分からないなんて・・・と自分の鈍くささに気を取られつつも、セバスに尋ねてみた。

 

セバスはツアレの方をじいっと見て、「ワクワクドキドキですね、ツアレ」と言って微笑んだ。

それを間近で見たツアレは、初めて見るセバスの可愛い言葉に、まさに心がドキドキした。そして、ドキドキして何も表面上は反応が出来なかった。

(か、か、か、かわいいっっ!!ロマンスグレーなおじさまかわいい!!)

(かわいいいいいいいいい!!脳内で柱とか壁とか可愛すぎて殴りたい!むしろ今殴ってるな!!)

ツアレの頭の中はフィーバーした(たぶん生まれて初めてかもしれない)

 

そんなにツアレの頭の中がフィーバーをしていることを知らないセバスは、ツアレの反応が何もなくてシュンとしていた。

「こんな老輩の私が、ワクワクドキドキなんて引きますよね・・・」

 

ツアレは子犬のようにシュンとしたセバスにもキュンとしてしまって、声が出なかった。(キュンとし過ぎると声が出ないっっ・・・)

 

 

 

(ああ、可愛いわ・・・二人共・・・もっとイチャイチャしてくれないかしら・・・)

ペストーニャがこっそり柱の陰で、可愛い無自覚の二人を見て、萌えていた。

 

 

 

 

 


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