オーバーロード セバスのほのぼの日常   作:きりんじ

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写真集を探しに来た二人

 

 _____________馬車で偽のナザリック地下大墳墓の近くまで行き、途中からゲートを使用し帰還する。

理由はもしかすると、尾行されているかもしれないので、念のための処置だ。

 

ナザリックに帰還した2人は、両手に大荷物だった。

 

「ツアレ、そんなに沢山の荷物を持っていて大丈夫ですか?私やシャドウデーモンで全て持つことは出来ますよ?」

セバスが心配そうに尋ねる。

 

「だ、大丈夫ですっ・・・セバス様。これくらい下っ端の私がしなくてはっ・・・。まだ掃除と調理ぐらいしかお手伝い出来るものがないので、色々と手伝える事は手伝いたいのでっ・・・・おっとっと」

 

2つの大きな紙袋を、必死に両手で持っているツアレが辛そうに答えた。

 

「あまり無理はしないでくださいね、ツアレ。貴方もナザリック地下大墳墓の大切な一員なのですから」

とセバスは言って、ツアレの持っている2つのうち1つの紙袋をサラッと奪い取り、シャドウデーモンに渡した。

 

 

「わざわざ苦労しない事を選べる能力も、仕事においては大切ですよ?」

セバスはニッコリとそう言った。

 

「そうですね、承知致しました」

ツアレは心をバキューンと射抜かれたのだった。

 

 

 

 

 

 

2人は玉座の間を目指して歩いていると、

「ツアレ、アインズ様はどうして今回お土産を購入してきなさいと仰ったと思いますか?」

セバスがツアレに質問する。

 

「そうですね・・・アインズ様は慈悲深い方なのできっと人間の好みが知りたかったのだと思います。アインズ様は本当にお優しい方です」

穏やかな顔のツアレは、ナザリック地下大墳墓で働く人間として完璧の返答をした。

 

(・・・・この調子ならツアレはナザリック地下大墳墓内で、馴染んでいけそうですね。万が一にもアインズ様を責めるような事を話すようでは、ツアレの命はいくらあっても足りませんね)

 

この時セバスはツアレに内緒で、いつもアインズ様を尊敬する発言が出来るか調べていた。

 

 

 

それを知らないツアレは、「どうかしたのですか?セバス様?」ときょとんとしていた。

「いいえ、何もありませんよツアレ」

セバスは笑顔で返した。

 

 

 

 

 

 

 

「只今帰還いたしました。アインズ様」

お土産を両手に持った状態で玉座の間に現れたセバスとツアレ。

 

「偵察ご苦労だった、セバスとツアレ」

玉座に座って堂々と話すアインズ。

 

 

アインズはお土産に飛びつきたいのだが、そんなに興味ない雰囲気を醸し出す。

(本当はおかえりなさいと言いたいけれど、支配者らしくないからな)

 

「アインズ様、私は人間が購入するお土産というものを、詳しく存じ上げませんでしたので、ツアレや店員のおすすめを購入して参りました」

 

セバスはお土産をアインズに献上する。

ツアレも、渡す瞬間にお辞儀をする。

 

 

「帰る直前になって急に頼んで申し訳ないな、セバス。高級ホテルといえば色々なお土産売っているから人間が何を好むのかの調査をしたくなってな・・・」

(いや、実は人間時代に高級ホテルに泊まれないから欲しかったなんて言えないけどね!)

 

 

アインズはお土産の紙袋を受け取ると中を覗き込んだ。

 

すると紙袋の中には、温泉マンジュウと書かれたお菓子や何かの生き物が乾燥して平べったくなった食べ物、カラフルで怪しい色をしたゼリー、果実を模したクッキーなどが入っていた。

 

(この怪しい色のゼリー状のものと、乾きものがすごい怪しいんですけどっ!!本当に店員さんのおすすめなのっ!?)

 

アインズは嬉しい気持ちと、不安な気持ちが心の中に広がった。

しかし、アンデットの為に感情はほとんどないので、その気持ちもすぐ消えてしまった。

 

「では、私達は通常の仕事に戻りますのでこれにて失礼いたします」

セバスとツアレはお辞儀をして、玉座の間から退室する。

 

 

そして、誰もいなくなった玉座の間でアインズは呟く。

 

「あ、俺は食べられなかったんだ・・・まあ、カルネ村の村人に配ってもいいし、モモンとして活動時に配っても良いし、活用方法は後で考えるか・・・」

アインズは高級ホテルのお土産への憧れが強すぎて、食べ物以外を買ってくることを伝える事をうっかり忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

_______執務室に戻ったセバスは、スケジュールを確認する。

「さて、本日はデミウルゴスは外出。コキュートスはリザードマンの村に出かけている・・・プレアデスたちもほとんどが人間の街へですか。ツアレにはペストーニャと一緒に調理の練習の続きをしてもらいましょうか・・・・」

と独り言を言うとセバスは事務作業を始めた。

 

そして、ツアレはメイドたちが集まる休憩室にいた。

 

「ツアレ、本日は料理長と共に調理の練習の続きをするワン」

ペストーニャはフリルのかわいいピンクのエプロンをしていた。

 

「はい!かしこまりました。ペストーニャ様、よろしくお願いします」

一緒のデザインのエプロンを着用したツアレが答えた。

 

ペストーニャとツアレはキッチンへ向かった。

 

二人はキッチンへの途中の道のりで、備蓄倉庫の大きな扉の前を通り過ぎた。

(ここ備蓄倉庫って書いてあるけど、何が保存してあるんだろう・・・いつか入るかもしれないから覚えておこう)

 

 

 

 

_______そして、ナザリック地下大墳墓内の倉庫内である騒動が起きていた。

 

「どうしてこうなったのかしら~!!もう早くアインズ様にお会いしたいのだけど!!」

 

アルベドはイライラしながら、右に左に行ったり来たりしていた。

 

「わたしだってこの部屋から早く出たいでありんす」

 

シャルティアもアルベドと同じく行ったり来たりと、ソワソワ落ち着かなかった。

 

 

二人がなぜこの倉庫にいるかというと、この倉庫にアインズ様の秘蔵写真アルバムがあるらしいとの噂を聞いたからだった。

 

「まったくパンドラズアクターの話を信じた私たちが馬鹿だったわね、シャルティア?」

 

「まったくでありんす、よくよく考えれば倉庫にあるはずがないでありんす。アルバムだったら最古図書館(アッシュールバニパル)にあるはずなのに、何で私たちそれを信じてしまったのでありんすかね」

 

珍しく二人は話が合った。

 

そして、この備蓄倉庫は、防衛のため魔法やスキルが使えないような設計になっている。

しかも扉は故障中らしく、一度扉が閉まると中から開けられないようになっているらしい。

 

二人はどこからか出られないか探った。

しかし、食べ物や事務用品、武器しか見つからなかった。

 

「魔法さえ使えれば、出られるのに・・・ゲートが使えないシャルティアなんて役に立たないわね」

 

「そのゲートすら使えないなんて、アルベドのほうが役立たずでありんす!」

 

喧嘩してもまあまあと喧嘩を収めるアインズ様がいないせいか、いまいち喧嘩が盛り上がらない。

 

閉じ込められて、喧嘩しても何も状況も変わらないことに対して、シャルティアがため息をついた。

 

「はああ~。しょうがないでありんす。ここは一旦休戦という事でアインズ様の素敵なところでも語って、誰かが来るのを待つでありんす」

 

「そうね、休戦にしましょ。アインズ様の素敵なところを久しぶりに語りたいのよね~うふふふ♡」

 

うっとりとした顔のアルベド。

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、ツアレはキッチンに着いた。

 

「本日は料理長直伝のデザートを作ってみるワン!」

 

「デザート!!!楽しみです!!ペストーニャ様、よろしくお願いします!」

 

ツアレは腕まくりをしてワクワクしていた。

 

「デザートは繊細な技術が必要だワン!慣れてきたら魔法でデザートが作れると良いんだけど、ツアレは魔法が使えるかしら?あ、ワン!」

 

料理をする準備をしながらペストーニャは尋ねた。

 

「私は、魔法の勉強や訓練を今までにしたことがないので分かりませんが、いつか魔法で作ってみたいです!!私でも魔法は習得できるのでしょうか?」

 

不安げに聞くツアレ。

 

「魔法は相性があるから、セバス様やアルベド様、デミウルゴス様などに相談してみないと分からないわね~ワン。本日の練習が終わったらセバス様に聞いてみましょうワン」

 

ペストーニャはそう言いながら、冷蔵庫を開けて卵を取り出した。

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