オーバーロード セバスのほのぼの日常   作:きりんじ

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プジングのお味は?

カチャカチャと食器を並べる音が響く。

 

キッチンには、ペストーニャとツアレ、セバスがいる。

 

「あれ?ペストーニャ様、先ほどまでいた料理長はどちらに?」

 

「料理長は、俺は寿命があるから常に料理をしたいという考えの方なので、隣の部屋で料理してますワン!だから気にしなくて大丈夫だワン」

 

「そうなんですね・・。寿命かあ・・。ある事に対して一生懸命な事は素晴らしい事ですね!」

ツアレは明るく返答したが、「寿命」という言葉を聞いて心がざわついた。

 

 

「ツアレは今お茶会するのが、大事なミッションだから食べる事に集中するのだワン」

 

「かしこまりました!ペストーニャ様」

 

2人で食器やお菓子、作ったプジングを並べ終わると、セバスが手袋をした状態で拍手をした。

 

「さすがですね、ツアレ。ペストーニャと2人だけでこの速さでお茶会の準備が出来るなんて素晴らしいですね」

セバスはニッコリと笑顔でそう言った。

 

「ありがとうございます。セバス様」

褒められたツアレは照れながら、一礼をした。

 

「さて、準備も終わった事だし、食べるかワン!」

ペストーニャは椅子を引くとツアレに座るように勧めた。

 

「失礼いたしますっ・・」

座ったツアレは周りを眺めた。

(あと1人誰が座られるのかしら・・・)

 

ペストーニャはツアレの隣に座る。

「ああ、もう先に食べちゃおうかなワン!お腹すいたワン〜」

食べ物に対して、犬のように鼻をクンクンさせて早く食べたいペストーニャだった。

 

 

「さて、私はどちらに座りましょうか・・・」

セバスはペストーニャとツアレのどちらの向いに座るか悩む。

 

 

その時、ツアレは心の中でこう思っていた。

(出来れば私の前に座って欲しい。でも目の前に座られたら緊張でお菓子が食べられないかもしれないし、ああでも、目の前でずっと見ていたいし・・・セバス様とお話したいし・・・)

 

 

ツアレがああだこうだと考えていると、セバスが何か気づいたらしい。

「ツアレ、大変申し訳ありません。急ではございますが、ある用事を思い出しましたので、先にお茶会を始めていてくださいませんか?すぐ戻ります」

 

「分かったワン。ツアレと適当におしゃべりでもしてお菓子を頂いているワン!ね?ツアレ?」

 

「っはい!そうです!かなり残念ですが、私達で食べていますのでお気遣いなく!ゆっくりで構いません」

 

ツアレはこのままセバスとのお茶会が出来ると思っていただけに、かなり残念だった。

(心境としては、何でー!!と叫びたい気持ちである)

 

 

ペストーニャとツアレの話を聞いたセバスはニコッと微笑み、そそくさとキッチンから出て行った。

 

 

「・・・・・・・・・あの、ツアレ~?残念だったワンね・・・。セバス様、すぐ戻ってくるわよ〜安心なさいワン・・・」

 

事情を知っているペストーニャは、ツアレを慰めるように背中をポンポンと触った。

 

「あ、はははは・・・。大丈夫です!セバス様とかそんなに興味ないですし、そもそもペストーニャ様の紅茶が楽しみでしたし!大丈夫です!私は何も興味ないので!あははは!」

ツアレは心の中が、かなりのがっかりでいっぱいだったが、思いっきり強がった。

 

 

「じゃ!気を取り直して、食べるワン!」

ペストーニャは、先程作ったプジングを一口パクッと食べた。

 

「うん!甘くて美味しいワン!さすがツアレ!良く出来ました!ワン!」

 

「え、そうですか!良かったです〜!また新しいデザートに挑戦してみたいです!」

ツアレの心は少し晴れた。

 

 

 

 

 

 

その頃セバスはというと、

(まったくタイミング悪く、アルベド様とシャルティア様からメッセージが来るとは・・・ツアレの作ったプジングとやら食べて差し上げたかったですね・・・)

 

とセバスにしては珍しく心の中でぶつぶつと言っていた。

早足で歩くセバスは、2人に呼び出された場所へ向かう。

 

 

 

「あら?セバス。早いわね」

「さすが、セバスでありんす。仕事が早いでありんすね〜」

 

「いえいえ、お呼びであればすぐさま向かうのが執事の責務でありますので。そして、お褒めの言葉有り難く頂戴いたします」

そう言って一礼したセバス。

 

 

「今回呼んだのは、他でもないわ。アインズ様の(下等生物の人間に優しくしよう月間)の為に、あのメイドの人間をお借りしたいのだけど、良いかしら?」

 

「アインズ様の為にも人間に優しくしないといけないんでありんす。見ず知らずの人間だと食べてしまったり、殺してしまう可能性があるでありんすし、メイドの人間を借りてちょいと夜などに可愛がりたいのでありんすえ?セバス?」

 

2人はさも借りられるのが当たり前かのように、セバスに尋ねる。

 

 

「はっ。ツアレがアルベド様やシャルティア様にそんな事をお声がけ頂けるなんて、至極光栄でございます。ですが、ツアレは人間であるため、負担にならないようにある程度の打ち合わせが必要だと存じます」

 

 

 

「う〜面倒くさいでありんすが、仕方ないでありんすね。打ち合わせを近日やるでありんす」

 

「それもそうね。アインズ様が採用した初めての人間が死んでしまっては、アインズ様に申し訳ないですし、打ち合わせやりましょう」

 

 

2人はアインズ様の事しか考えてなかったようだが、最終的にツアレの為になってセバスは一安心した。

 

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