オーバーロード セバスのほのぼの日常   作:きりんじ

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セバスのお買い物(2)

ツアレがナザリック地下大墳墓内の大きなスパに驚いている、一方で____

 

 

______セバスは、人だかりのあるお店にならきっと、素敵な洋服があるに違いないと向かったお店には女性ばかりがいた。

店の看板を見ると、「銅貨3枚で洋服詰め放題!!!」と書かれていた。

 

「ここは良心的な価格で洋服が買える店なのですね・・ツアレもたくさん服が貰えたら喜んでくれるのでしょうか?」

と頭の中は、もうツアレの服の事でいっぱいだった。

 

セバスが店に近づくと、人の勢いに飛ばされ倒れている女性ばかりいた。

カルマ値が善のセバスには、そんな女性たちを放っておけるはずがなかった。

 

「大丈夫でしょうか?」と倒れた女性の手をとり、優しく微笑むとその女性は顔を赤らめて店を去っていった。

 

そしてセバスは、次に声を掛けたのは人の波に弾き飛ばされて泣いていた女の子。

「お嬢様、大丈夫ですか?お母様は?」

 としゃがんで女の子と目線を合わせた。

 

「お母さんは、この店の中にいるんだけど、はぐれちゃったの・・・」

「ふむ、私がお母様を探してきましょう」と女の子から特徴を聞いて探し出すと、また女性はセバスに見とれて顔を赤らめて去っていった。

 

「おかしいですね・・・

 なぜ皆さん私が声を掛けると逃げてしまうのでしょうか?」

セバスは人助けのつもりで声を掛けているのに、自分の顔を見ると逃げてしまう。

 

(何故でしょう・・・)

実はこの現象は、セバスチャンのカッコよさで、ほとんどの女性は自分が今、すごい形相で服を取り合っている状態を客観的に気づき、恥ずかしくなってしまったのであるが、セバスチャンはそれに気が付かない。

 

だけど、セバスは服の取り合いで倒れて傷つく女性を放っておけず、助けた。

 

ほとんど助けたところで、壮年の男性店主に声を掛けられた。

「おい、お爺さん、人助けは嬉しいんだが、客が消えてしまっては、こちらとしては商売あがったりなんだ。」

「それは失礼致しました。私は退散いたします。」

とセバスは、はっと我に返り店を後にした。

 

街中をゆっくりと歩きながら、セバスチャンは呟く。

「ふむ、人助けのつもりが、店に迷惑をかけてしまっては、本末転倒ですね。だから私は甘いと言われるのでしょうか?」

 

そんな事を呟きながら、セバスは空を見上げる。

「ツアレの服を買いに来ただけなのに、こんなに時間がかかるとは・・・

人助けもほどほどにしないといけませんね・・・」

 

そして、気を取り直し歩き始めると、街の中には美味しそうな食べ物屋さんが複数、新出店していた。

「これはツアレが好きそうですね」「こっちは珍しそうな果物だ」

「これは美味しそうなパンですね」「お土産に何か買って帰りましょうか?」

と色々なお店を見て歩いていたら、街の外れに来てしまったセバス。

 

どこかで本当に服を買わないと、ツアレに洋服のプレゼントが出来ない・・・

 


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