予告と違うのはご愛嬌
『―――塩基配列 ヒトゲノムと確認
―――霊器属性 善性・中立と確認』
『ようこそ、人類の未来を語る資料館へ。ここは人理継続保障機関 カルデア』
『指紋認証 声帯認証 遺伝子認証 クリア。魔術回路の測定……完了しました。登録名と一致します。貴方を霊長類の一員である事を認めます』
『はじめまして。貴方は本日 最後の来館者です。どうぞ、善き時間をお過ごしください』
1、
「でち……こない……じ…ゅ…れん…たれ……だけ…やめ…」
無人の廊下で一人の少女が呻いていた、夢の中で悪夢に苛まれいるのかその表情は苦悩に歪んでいる。
その姿を見かねたのか小さな白い動物が近寄って頬を舐めた。
「フォウ……? キュウ……キュウ? フォウ! フー、フォーウ!」
「あの。 朝でも夜でもありませんから、起きてください、先輩」
「……はっ!? ここはどこ、君は誰? わたしはアイドルとシャンシャンしていたはずでは!?」
10連で☆4以上が優雅たれしかこなかった? でも、それは夢や。
夢の中の出来事は実際の世界には関係ないんですよ?
「メルヘンやファンタジーじゃあるまいし夢の世界があるわけないじゃないですか」って典明がいってた。
……あれ、鏡の世界だっけ? けど鏡の世界はあったような?
「シャンシャン? ここはどこかは簡単ですが、私が誰かはいきなり難しい質問なので、返答に困ります。 名乗るほどのものではない―――とか?」
動物の鳴き声に続いて控えめでどこか無機質な声が響き目を開くと明らかに日本人ではない白衣に眼鏡をかけた少女がそこにいた。
これが藤丸立香とマシュ・キリエライトとの始まりの出会い、これから始まる長い長い旅の始まりの終わりだった。
2、
「そう、マギ☆マリは最高なんだよなんでそれがわかんないかなー!」
「まだ続くのその話、ループって怖くない?」
あの後、マシュと、なんだかサーカスとかにいそうな格好のレフ教授と話したりしたり色々あった後に全員が集まった時に眠気に襲われうっかり寝入ってしまいブリーフィングルームから追放されました。
しょうがないのでフォウくんと呼ばれる白い小動物を肩に載せて自室に割り当てられた部屋に行ったら、アメコミの眼から光線を放つミュータントヒーローみたいなバイザーを付けた黒尽くめの人物となにやら興奮して捲し立てている白衣を着た人物の二人がいた。
「あっ、誰か来た。 こんにちは、悪いね騒がしくて」
「あ、はいどうも」
「聞いているのかい! って、うえええええええええ!? 誰だい君は!? ここはボクたちのサボり場だぞ!? 誰のことわりがあって入ってくるんだい!?」
「いつもサボってる仲間みたいに言うのやめてくれない?」
白衣の男性はちらっとこちらを向いていきなり叫び出した。
あまり大声を出すと血圧が高まって血管に負担がかかりますよ?
明らかに助かったーという声色のバイザーをつけた男性はもの凄い美声の持ち主であった、顔半分が隠れているのに整っているとわかる容姿に思わず頰が熱く、赤くなった。
よく見れば騒いでた白衣の人も顔は整っていた。
「誰だってか、そうです、わたしが藤丸さんちの立香さんです」
「「誰?」」
イケメン二人に注目を浴びるというかつてないシチュエーションにちょっとテンパってネタ発言をぶっぱなしてしまった、これじゃ変なおばさんだよ!
……開き直ってネタ発言を続けることにする。
ひゃっはー!! もう何も怖くないZe★
「そういう貴方達こそ誰ですか? 今日からこの部屋はわたしだけの『世界』だぜ?」
┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……
「嘘だろ承太郎!」
「 『ウソ』は いってない皮膚と汗だ……こいつには やると言ったら やる…… 『スゴ味』があるッ!」
三人揃って、ふっと口元が緩む、ピシ、ガシ、グッ、グッ、グッ。
友情は時として時間をかけずに花が咲くこともあるのだ、彼らは分かり合えた。
藤丸の奇妙な冒険始まったな。
「それで、えぇと君は静・ジョースターくんだっけ?」
「そういう君はロマ二・アーキマン」
「いやそれはもういいですから、というか名作で海外翻訳もでてますけど日本の漫画に詳しすぎじゃないですか?」
初対面にも関わらずネタ発言をしたら同じ作品ネタで返してくるとは中々に話せる二人だが、このノリに付き合っていたらいつまでたっても話が終わらないので先を促す。
「いやぁー、ここに居るいつわくんに勧められたけど面白いね! 作品の根底にある勇気で運命に立ち向かうっていう人間賛歌が素晴らしいよマギ☆マリ程じゃないけど!」
「喜んで貰って勧めた甲斐があるけどネットアイドルと比べられてもなー」
「何度もいうけど最高じゃないかマギ☆マリ、なんでわからんかな!」
「だって女アイドルの中の人が男とかあるじゃんネットアイドル」
「マギ☆マリに中の人などいない!」
「おーい、もしもーし」
あれれぇ? おかしいなーいつの間にか立香さん蚊帳の外だよ。
初対面の女子を置き去りにするこの二人のキャラの濃さに逆に困惑してくるよ。
わたしはついていけるだろうか? わたしが眼中にいない二人の世界のスピードに。
「フォウ、フォー(いやいるよ中の人、ろくでもないクズ男だよ)」
「いや、話を最初に脱線させて悪かったけどさー結局だれだよ二人とも」
なんやかんやで今度こそ会話を進めることに成功した。
「ボクはどこからどう見ても健全な、真面目に働くお医者さん、医療部門のトップ、ロマニ・アーキマン。
なぜかみんなからDr.ロマンと略されていてね。理由は分からないけど言いやすいし、君も遠慮なくロマンと呼んでくれていいとも。
実際、ロマンって響きはいいよね。格好いいし、どことなく甘くていいかげんな感じがするし」
「栗はマロンだから甘いのはきっと錯覚」
「はじめまして、ドクター」
ゆるふわな性格でドルオタだけどなんとなくいい人みたいな気がする、ドルオタだけど。
「ええーと、そっちの頭の中をかきまわされてしまったA級ジャンパーみたいな人は?」
「名前は秋いつわ、確かに黒ずくめでバイザーつけてるけど……結構前のアニメよく知ってるね、某ロボゲー参戦ユニットの元ネタ調べるタイプ?」
「Yes、That's right.」
「おーいえー、逸材だ。 ……別にコスプレとかじゃなくてここの職員が
そういってバイザーを撫でた、表情がよく見えないが苦笑している?
「?? 目の病気なんですか?」
「どっちかというと目に病気というか、病気にさせるというかそんな感じだよね」
よく分からないがなんだか色々事情があるらしい、ドクターはフォウくんを手懐けようとして鼻で笑われたことにショックを受けていたが、こちらの会話に横から入ってきた。
「察するに君は今日来たばかりの新人で、所長のカミナリを受けたってところだろ? ならボクたちと同類だ。 何を隠そう、ボクと彼も所長に叱られて待機中だったんだ。」
「バイザーはずせといわれて外したら外したで文句言われて、邪魔になるって追い出すとかひどい話だよ」
「ボクも所長に「ロマニが現場にいると空気が緩むのよ!」って追い出されたしねー、最近荒れてるよね……しょうがない部分もあるんだけどね」
「若くして立場が得るといろいろ面倒くさい」
二人して所長のヒステリーで追い出されたらしい、もしかして昼寝してしまって所長が激おこぷんぷん丸で追い出したのはすでに追い出したこの二人がいたからでは?
「でも、そんな時にキミが来てくれた。地獄に仏、ぼっちにメル友とはこのコトさ。 所在ないものたち同士、ここでのんびり世間話でもして交友を深めようじゃあないか!」
「なにする、ゲームでもする? それともアニメ鑑賞? ネットアイドルは語らせると長いので却下ね」
「(´・ω・`)そんなー」
秋さんはガサゴソ部屋の片隅から色々と物を引っ張り出してきた、元空き部屋(現在はわたしの部屋)でサボって遊ぶためのグッズをたくさん持ち込んでいるらしい、この二人は職場に何しに来ているのだろうか?
「――――別にわたし、ぼっちじゃないけど」
「な……来たばかりの新人なのにもう友人がいるなんて、なんてコミュ力なんだ……! あやかりたい!」
「ドクター友達いないしね」
「ひどい! 自分はぼっちとは違うみたいにいうけど君だって友達いないだろ!」
「と、友達はペペとキリシュタリアいるし、なんだか他に避けられてるのは性格関係ないし……(震え声)」
ついぼっちという言葉に反発してしまったが二人のトラウマを切開してしまったらしい。
やだ、この二人わたしと同じ目をしている……。
違うし、友達いたし、ただ付き合いが浅く広かっただけでぼっちじゃないし(謎の言い訳)
献血からの拉致されて始まったこのアルバイト、なんとかやっていけるような気がしてきました。
3、
「――いま医務室だろ? そこからなら二分で到着できる筈だ。」
だらだらと雑談に混じってカルデアのことを聞いていたら突然入ってきたレフ教授の要請にドクターがあわあわしていた、秋さんは漫画を読んでいる。
「ここ医務室じゃないですよね、サボってるから……」
「あわわわわ、そ、それはいいっこなしだよ、……まあいいやボクみたいな平凡な医者が少しくらい遅れても問題ないし、それよりBチームのいつわくんはレイシフトの実験開始だからサボりはここまでだ」
「はいはい」
マイペースに漫画を読んでいた秋さんはパタと漫画を閉じて巻数順に並べ始めた。
聞いた話によるとドクターのようなサポートスタッフではなくわたしと同じ実験メンバーの立場らしい。
しかもわたしのような飛び入り一般枠ではなく選抜チームのメインメンバーに選ばれているエリートだとか。
……それなのに堂々とサボるって図太すぎィ!
「いいんですか? ゆるゆるというかぐだぐだな感じでレフ教授に怒られません?」
「おや、彼と面識があったのかい?」
「マシュと話してたら声をかけられて雑談しました」
「ああ、友達ってマシュのことだったのか、まあそうだね呼ばれたならいかないとね、落ち着いたら医務室を訪ねに来てくれ。今度は美味しいケーキぐらいはご馳走するよ。 いつわくん連れてってくれ、そうすれば間に合う」
「はいはい」
秋さんが指を開いて閉じてを繰り返しながらドアを開けると、急に明かりが落ちた。
「なんだ、明かりが消えるなんて……」
「始まったか…」
ドクターが呟くと轟音が響き渡り館内放送がながれた。
『緊急事態発生。緊急事態発生。 中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。
職員は速やかに第二ゲートから退避してください』
『繰り返します。 中央発電所、及び中央―――』
「今のは爆発音か!? 一体なにが起こっている……!? モニター、管制室を映してくれ! みんなは無事なのか!?」
「……ひどい…………管制室って、あの娘は……?」
映し出された映像はあちこちが焦げ付き瓦礫が散乱しているという正に災厄に見舞われたといわんばかりに惨憺たる有様であった。
そして管制室という場所にはあの少女がいたことを思い出す、自分を先輩と呼ぶなんだか浮世離れした雰囲気を持つあの子……。
「これは―――立香くん、すぐに避難してくれ。 ボクたちは管制室に行く。 もうじき隔壁が閉鎖するからね。その前にキミだけでも外に出るんだ! いつわくん出してくれ!」
「了解」
そういってドクターは秋さんの腰に抱きついた、よくわからないが何らかの手段で秋さんは早く移動する手段を持っているらしい。
なんとなく視線を感じて肩に乗っているフォウくんの方を向くと、もの言いたげな目でこちらをじっと見ているような気がした。
………うん、そうだ。 このまま逃げだすのは多分違う、わたしは何だか、……そう思った。
「――わかってるよフォウくん。 マシュを助けに行こう!」
「フォウ!」
そういってわたしもフォウくんを片腕に抱いてドクターの反対側から秋さんの腰に抱きついた。
「まさかボクたちに付いてくるつもりなのか!? そりゃあ人手があった方が助かるけど……ああもう、言い争ってる時間も惜しい! いつわくん、早く連れてってくれ!」
「はいはい、落ちないようにね」
そういうと身体がふわっと浮いてジェットコースターに乗ったかのように視界が後ろに流れていく、高速で移動し始めて髪が後ろに靡いた、なんだこれ怖い! どうなってるの!? いきなりの理解不能な状況に秋さんにぎゅっと抱きつき、腕に抱えたフォウくんが潰されて「むぎゅ」っと悲鳴を上げた。
「うわぁぁぁぁぁ! 原理は聞いたけど、やっぱ怖いぞこれーーーーーー!」
「声がでかい…」
ドクターが悲鳴を上げて、耳元で叫ばれている秋さんは五月蝿そうに憮然としていた。
4、
蒼天が人の心に希望をもたらすとするなら、吹雪が止む気配のない場所にいる現状は希望とは無縁なのであろうか?
白い結晶はなおも嵐のような風と共に吹きすさび、周囲を覆い尽くさんとばかりに建物の壁に叩きつけられ続けていた。
荒れ狂うただただ白い景色に時々交じる他の色が雪以外のものがあるという証明だった。
そんな風景をただ窓からじっと眺め続ける黒ずくめの少年がいた、名を『秋いつわ』。
いわゆる転生者と呼ばれる神と言う名前の超越存在に見初められた人間の一人である。
生前のことは何も覚えていない、山深い場所で特殊な技術を持つ人間たちが作った集落で育ったいわゆる『山育ち』といわれる環境で生を受け、物心がついた頃に自分が『そう』と気づいた、否、思い出した。
生来的に
「型月世界のどの作品に転生した?」
TYPE-MOONは『月姫』の外伝である『MELTY BLOOD』から入って『月姫』、『月姫PLUS-DISC』、『歌月十夜』セットの『月箱』、『Fate/stay night』、『Fate/hollow ataraxia』、『空の境界』etc と一通り経験済みの歴戦の型月ファンだったが実際に行くことになるとは思っても見なかった。
能力やキャラクターは好きだが生きるのには難易度が非常に高い世界なのだ『ここ』は。
なにせ後に世界屈指の実力者になる特殊な才能の持ち主である主人公、
『月姫』の『遠野志貴』、『Fate/stay night』の『衛宮士郎』。
この二人でもゲーム版だと死にまくってバッドエンド劇場が開けるレベルである。
下手な才能があるとみんな大好きケイネス先生みたいになるので、モブとして穏やかに生きればいいと思うかもしれないがモブも登場すると容赦なく死ぬので、関わるなら『幸運EX』のスキルでもないと安心できない。
単に才能だけでなく幸運と常人離れしたメンタルがないとこの先生きのこれない世界である、
更に言うとモブとして生きるのには山育ちの時点でも厳しいのだが、一番の問題は……。
「うーん、この顔じゃ絶対無理」
鏡に映る顔を眺めて呟いた、そこに映るのは見るものを陶然とさせる天工が作り出したとしか思えない
あらゆる者を魅了する美貌と1000分の1ミリのチタン鋼を操る魔界都市ブルースの主人公、『秋せつら』の容姿である。
古い作品なので知らない人がいると思うのでわかりやすく言うと『HELLSING』に登場するウォルターの元ネタである。
……『HELLSING』もちょっと古いか?
『輝く貌』『魔貌』と言われる美貌で人生狂わされたディルムッドもびっくりの顔で普通に生きるのはどうあがいても無理ゲーなので、なぜだか里で伝わってる妖糸の技を磨きまくって必殺な仕事をする家業を続けてコネを広げ情報ネットワークを形成して。
「どの作品に転生かわからないけど知ってる原作の要素が出たら回避すればいいじゃん!」と思い至り。
妖糸の腕を磨き続け(転生者補正なのかやはり天才だった)、早十数年。
「ようこそカルデアへ。歓迎するよ。」
南極大陸にある人理継続保障機関フィニス・カルデアに就職しました!
……なんでさ?(正義の味方感)
淫獄都市ブルースから独立しましたよろしく。
最近仕事であまり時間がない!ので優先して見たい作品を教えて下さいそれを書きます
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淫獄都市ブルース
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性春姫
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ポルノ13
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悪性隔絶魔界都市<新宿>
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その他 別の新作