続きが書きたいけど今はちょっと無理な作品置き場。   作:PL.2G

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東方で書いてみたやつ

気が付くと俺は、幻想郷入りしていた。

 

 

「あー?ここは・・・幻想郷?」

 

ぼさぼさの頭を掻きながらぼやく。

 

「どーすっかなぁ…どうすればいいかなぁ…」

 

どうやらどこかの山の中。

鬱蒼と茂る木々から漏れる日の光。

木々の間から遠くを見れば、他の山々が青々しく頭を覗かせている。

 

「街や村みたいなのも見えない…人が歩いた形跡も無しっと…」

 

例え山の中であったとしても、人が幾度も入山している場合、踏みしめた場所に勝手に道が出来上がっていくものだ。

しかし、見渡す限りここにはそれが無い。乱雑に生えたいように草木は生え、枯葉や土が足元の土台を作り、折れ枝や木の根がこれ見よがしに地面を盛り上げている。

要は普段から登る人はいない山ってことだ。

とりあえず適当に歩いて水の確保、川なり湧き水なりをを探すとしよう。

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

「あー疲れた…」

 

歩けど歩けど木ばかり。一向に水の気配が無い。

そろそろ本気でしんどい…

 

――あらあら。本当にニンゲンだわ――

 

「んあ?」

 

虚空(・・)から声がした。

本当に何も無い、俺の目の前から声がしたのだ。

 

――よいしょっと――

 

目の前に2つの大きなリボンが出てきたかと思うと、

左右にリボンが離れて行き、ファスナーの要領で空間が裂けていき、その裂け目の中に見るからに異世界、異次元の空間が覗く。いや、中には目がたくさん在り、こちらを覗いているようにも見えた。

その空間の中から綺麗な金髪の女性が身を乗り出してきた。窓の縁に肘を掛け外を見るかのような軽い感じで。

そして縁に乗った胸が凄い。思わず凝視してしまう。

そんな俺を歯牙にもかけず扇子を拡げ、口を隠し、軽い調子で話し始める。

 

「はぁーい。ご機嫌いかが?」

 

「…歩き疲れて最悪だ」

 

「まぁ…そうね。見ればわかるわ」

 

俺の着ていた服は破れ、汚れ…

汗でピタリと身体に張り付き、さっきまでボサボサだった頭も濡れた額に引っ付きまっすぐになっていた。

 

「そこで相談なんだが(ゆかり)さんよ?申し訳無いんだがそのスキマを使って俺を近くの街なりなんなりに送り届けちゃくれないかい?」

 

「あら?アナタは私の事を知ってるのね?意外だったわ」

 

「…?そうだな。なんで知ってるんだろうな?」

 

俺は今自然にこの美人を【八雲(やくも)(ゆかり)】と認識した。

なぜ俺はそれを知っているのか?

そもそも、なんでここが幻想郷って事も知ってるんだ?幻想郷ってなんだ?

俺は頭を押さえ蹲る。

 

「アナタ・・・ちょっと面白そうな感じね。一旦ウチに来なさいな」

 

そう言って紫さんは持っていた扇子をパチンッと大袈裟に閉じる。

 

「それはありが…んおっ!?」

 

言うが早いか俺の身体にフワッとした浮遊感が襲う。

スキマが俺の足元に開いたのだ。

 

「うぉっと」

 

などと考えている内に、茶の間の座布団の上にストンと落とされた。

さすが『境界を操る程度の能力』。

 

「お帰りなさいませ、紫様…あの、そちらのニンゲンは?冬眠用の食糧ですか?蒐め始めるにはまだ少し早いかと思われますが…」

 

「ただいま。早速で悪いけどこのニンゲンに風呂と服を用意してあげて。あと食糧もね?」

 

「はぁ…。いつもイキナリですけど…今日もまたイキナリですね…。まぁ良いですけど」

 

そう言って俺の右に座っていた紫さんの式神である【藍】さんはスッと立ち上がる。

 

「ではニンゲン。こっちです。付いて来て下さい」

 

俺は無言で立ち上がり、その立派な9本尻尾を追って歩き出す。

 

「しかし…【藍】さんの尻尾は素晴らしいね。後で触らせてもらえないかな?」

 

「はぁ…別に構いませんが」

 

「お?いいんですか?」

 

予想外に良い返事がもらえた。後で触らせて貰えるらしい。

 

「っ!?」

 

咄嗟に身体を右に反り捻り捩り傾ける。ビキビキと嫌な音を発て、痛みに耐えかねて俺はそのまま廊下に倒れこむ。

 

「おや?殺す気で撃ったのですが、良く避けれましたね?アナタ本当にニンゲンですか?」

 

クスっと含み笑いをしながら見下してくる藍さん。痛みが柔いで来たので、ゆっくりと立ち上がる。

 

「いちちち…偉い情熱的な挨拶だな」

 

「まぁ、あんな事言われれば当然の反応だと」

 

「じゃあ、触らせるなんて言うなよ」

 

身体の彼方此方を動かし、異常がない事を確認する。

 

「しかし、私の弾幕を躱し生き残れたので後で少しだけ触らせてあげる事にしましょう。その前にその汚い体を綺麗にしてからですけど…さ、着きましたよ?ここが風呂です」

 

「それはそれは、ありがとうございます」

 

藍さんは引き戸を開けた後、丁寧に頭を下げる。

 

「終わりましたら脱衣所にある喚鐘をお鳴らし下さい。では、ごゆっくり」

 

言い終えると、藍さんの後にスキマが現れその中にスッと消えていった。

 

「さて、と」

 

脱衣所に入り服を脱ぎ始める。

 

「でっかい風呂だな…まるで銭湯だ。これはゆっくり出来そうだ」

 

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

風呂から上がりいざ着替えようかと思ったが、さっきまで着ていた襤褸切れ(ふく)が無いことに気が付く。

 

「喚鐘を鳴らせって事か…」

 

脱衣所のど真ん中。木製の台の上に喚鐘は鎮座していた。台の上の鐘木を持ち、鐘を叩く。

思ったより甲高い音が脱衣所に響き渡る。

 

脱衣所の外からドタドタと足音が聞こえてきた。

誰かが走って来ているのだろう。

そう思った矢先、勢い良く脱衣所の扉が開かれた。

 

「お待たせしました!!何用ですか!?にゃーーーっ!?」

 

騒がしく(ちぇん)が入って来たかと思うと、

俺の姿を見て騒がしくドアを閉め立ち去っていった。

 

「一体俺はどうすればいいんだ…」

 

その後、3度目の喚鐘の音で藍さんが現れ、

用意してくれた、全く着慣れない作務衣を着るのだった。

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

また茶の間に戻り、季節はずれの炬燵に足突っ込む。

暫くすると藍さんが湯飲みに茶を淹れ持って来てくれた。

 

「ありがとう」

 

「いえ、一応紫様のお客様ですので」

 

「その客に殺す気で撃って来たのは何方でしたっけ?」

 

「あれは正当防衛の一種です」

 

「そうですか」

 

ズズっと音を発て茶を啜る。

 

――お待たせ――

 

左側からくぐもった紫さん声がする。

 

「よいしょっと…」

 

スキマから座布団に移り、炬燵に足を突っ込む。

 

「ふー、藍。お茶をちょうだい」

 

「はい、どうぞ」

 

紫さんの前に淡い紫色の光沢を放つ湯飲みが置かれる。

 

「で、アナタは一体何モノ?」

 

「あー」

 

俺は頭をボリボリと掻く。

 

「名前は【四阿(あずまや)二十九(ひずめ)】」

 

「ふむ、【ひずめ】ね…良い名前じゃない」

 

「そうかな?自分で解り難い名前だと思っているけど」

 

「自分の名前をそんな風に言ったら良くないわ」

 

「そんなもんか?」

 

「そんなものよ。話が逸れたわね、続けて頂戴」

 

「まぁ後は良くわからない。気付いたら幻想郷に居たってこと位か?」

 

「あとは、なぜ私達の事を知っているか(・・・・・・・・・・・・・)…ね」

 

声のトーンを意味有り気に下げる。

 

「確かに。なんで知ってるんだかさっぱりだ」

 

「と、言うわけで今回は先生をお喚びしました。どうぞー」

 

そう言って俺の対面、目の前にスキマが現れそこから人がポトンと落ちてきた。

 

「痛いっ」

 

座布団の上に叩き付けられる様に落ちてきた少女。

【パチュリー・ノーレッジ】

歩く大図書館様か…

 

「いたたたっ…ちょっと紫、もっと優しく扱いなさい。私は全体的にひ弱なのよ?」

 

「ゴメンゴメン。それで、貴女の目の前に座っているニンゲンがさっき話した問題児よ」

 

頭をさすりながら、まるでパジャマみたいな格好をしたパチュリーは俺をまじまじと見つめる。

 

「…ふーん?至って普通のニンゲンに見えるけど…」

 

「ねぇひずめ?彼女の名前は?」

 

「パチュリー・ノーレッジ?」

 

「????!!!!」

 

「能力は…?」

 

「火水木金土日月を操る程度の能力、でしたっけ?」

 

「これは…」

 

「ね?面白いでしょ?」

 

ニヤニヤと笑う紫さん。

 

「紫様…このニンゲンは一体…?」

 

藍さんも驚きを隠せないと言った感じだ。

 

「さぁ?私にも解らないわ。気付いたら幻想郷の大結界を抜けて山にいたんですもの」

 

「大結界を抜けた?何時もみたいに迷い込んだんじゃないの?」

 

「間違いなく大結界を通過したのよ、このニンゲンはね」

 

「博麗の巫女の大結界を通過するなんて…」

 

「そろそろ霊夢が来る頃かしらね…」

 

霊夢か…主人公じゃないか。

主人公?

 

「ゆかりー!!異変はどこ!?」

 

障子戸を勢い良く開け放ち、幼さの残る紅白な印象の少女が慌ただしく入って来た。

 

「このニンゲン自体が異変よ」

 

「へ?この人間?」

 

脇がモロ出しの紅白巫女。

博麗神社の貧乏巫女こと【博麗霊夢】。

 

「また【外】から迷い込んだのね?もう、迷惑ったらありゃしないんだから」

 

「霊夢、外から迷い込んだ事自体は間違いではないわ。

 ただ、問題なのはそこじゃなく大結界を通り抜けてきたことよ」

 

「はぁ!?そんな事ありえる訳無いじゃない!!

 先代様が命懸で張った大結界…何人だって通り抜けられるわけ無いでしょ」

 

「でもこのニンゲンは通ってきた。しかもいとも簡単に。

 至って普通に…霊夢だってそれを感じとったからここに来た…そうでしょ?」

 

「…まぁ、そうね…いいわ、話を聞きましょう。

 ありがたいことにこの異変様は無害っぽいしね」

 

霊夢はそう良いながら頭を掻き、炬燵に足を突っ込む。

 

「藍、お茶。あとお茶菓子。煎餅みたいなのが良いわね」

 

「まったく図々しい」

 

ほとほと困ったような顔で立ち上がり、

茶の間を後にする藍さん。

 

「で、貴方は何者なの?なぜ幻想郷に?」

 

「彼の名は【ひずめ】。正直それ以外何も解っていないわ」

 

「本当?」

 

霊夢は俺の方に顔を向け小首を傾げる。

ちょっと可愛いとか思ってしまった。

 

「彼の特技を霊夢にも見せてあげようかしらね?じゃあ、霊夢の知っていることを話して頂戴」

 

「えーっと、博麗霊夢。空を飛ぶ程度の能力」

 

 

(思いついてない)

 

 

「じゃ、私の気になる所を解明し行きましょうか?」

 

「紫の気になるところ?」

 

「ひずめの知識」

 

「?」

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

「ふーん…」

 

「これは一大事ですね」

 

パシャパシャと音を発て俺を写真に収めまくるカラス天狗の【写命丸文】

 

「さて、次はどこに行こうかしら?」

 

先ほどから紫さんに連れられ、妖怪・怪物・神様・人間の場所へ案内をされる。

そして後は八雲邸で行っていたのと同じ事の繰り返し。

その相手の名前と能力を言って廻っている。

 

「そろそろ休みません?」

 

「それもそうね。最後の方にしようかと思ったけど、先にあそこ行きましょう」

 

そう言ってスキマに落とされる。

 

「よっと」

 

スキマ落ち移動にも大分こなれて来て、着地もスムーズにできるようになってきた。

落ち着いてきた所で辺りを見回す。

とても綺麗な枯山水のある縁側だった。

 

「白玉楼…」

 

ポツリと呟く。

 

「正解」

 

「四方や場所すらも知識に入っているのね。感服だわ」

 

「紫、いらっしゃい」

 

声の主は自身の周りにユラユラと薄青い火の玉を漂わせながら紫さんを歓迎する。

 

「この子がさっき連絡で来てた子?」

 

「そうよ。ひずめ」

 

「どうも【四阿(あずまや)二十九(ひずめ)】です」

 

「あらあらご丁寧に、私は…」

 

話の途中で言葉を止める白玉楼の主【西行寺幽々子】

 

「この子は私を知っている?」

 

「おそらく、今までの流れで貴女を知らないって事にはならないと思う」

 

「西行寺幽々子、死を操る程度の能力…」

 

「あらあら…正解です。この子は一体何なんでしょうね?

 でもまぁ、一先ずお昼ご飯にしましょう」

 

「そうね。そうしましょう」

 

「ご馳走になります」

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末さまです」

 

そう言って食器を片付ける、白髪の半人半霊【魂魄妖夢】

 

「気になったのだけれど、ひずめは弾幕ごっこは出来るの?」

 

「…っつ!!」

 

弾幕ごっこ…この単語を聞いた瞬間頭が痛くなった。

硬いもので何度も何度もガンガンと叩かれているような衝撃を覚える頭痛。

頭を抑えのた打ち回る。

 

「一体どうしたと言うの!?」

 

「うがああぁぁぁぁぁ…!!!!」

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

「…ん…?ここは…?」

 

病室みたいな場所で目が覚める。

上半身を起こす。

 

「痛っ!!」

 

ズキッと左の顳顬辺りが痛む。

 

「たしか白玉楼で…」

 

「おや、目が覚めたかニンゲン」

 

出入り口と思われる所に人が立っている。

 

「八意…永琳…って事は、ここは永遠亭…か…?」

 

またも頭部にズキッとした痛みが襲う。

 

「その通り。君が寝ている間に色々調べさせてもらった」

 

「なんかわかりましたか?」

 

「一つ、君が至って普通なニンゲンである事、二つ、記憶喪失であること」

 

出入り口から机の方に移動し、椅子に腰掛け、机の上に置いてあった燈台に灯を入れる。

 

「そのお陰でわからない事が増えたがな」

 

そんな事を言う永琳さんは困った様子は無く、

寧ろ楽しそうにケラケラと笑う。

 

「君には少し私の実験台になって貰いたいと思っている」

 

「実験台?もっと包み隠した言い方が良いと思いますけど?」

 

「生憎嘘は好きでは無くてね。策を持って人は騙せど、誠を持って人は騙さず…だ」

 

「そうですか。別に構いませんよ、実験台」

 

「うむ、感謝する。ではこの薬を飲んで今は寝てくれ。明日、詳しい話をしよう」

 

気味の悪い色をした液体の入ったガラス容器を手渡される。

 

「これも実験の一環?」

 

「いや、普通に体調を良くする為の生薬だよ。味は保障しないが効き目は保障しよう」

 

「良薬口に苦し…だね」

 

しかし思った以上に不味くは無かった。

さて、睡魔が襲ってきたし深く考えずに今は寝よう。

紫さんと霊夢、パチュリーに白玉楼の人達はどうしたんだろうか…

変な心配とか無駄にかけてたら嫌だな…

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

「うん…?」

 

目を開ける。

どうやら朝が来たみたいだ。

昨夜?は暗くてよく見えなかったけど、

窓から覗く竹林が日を浴びてとても綺麗だった。

 

「お、起きたねひずめ君。私は輝夜。永遠亭の主だよろしく頼む」

 

「これはこれは姫様。わざわざ挨拶に来て下さるなんて光栄です」

 

「ふむ…姫…か。永琳、ひずめ君に何か言ったのか?」

 

「いいえ、姫。紫様の話ですと、彼は幻想郷の情報をいくらか持っているようです。【外からの住人】だと言うのにも係らずに…」

 

「ふーん。…ひずめ君よ、私に関して知っている事を手当たり次第言ってみてくれないか?」

 

「今、姫様に関して頭に思い浮んでいる事全部?」

 

「全部ではない。手当たり次第だ」

 

「はぁ…」

 

俺は頭をボリボリと掻く。

そして頭に思い浮んでいる事を口にしていく。

 

「ええっと【蓬莱山輝夜】。月人。永遠と須臾を操る程度の能力――」

 

「さてさて、どんな面白い情報が出るかな」

 

「姫、既に一般の情報量は超えているかと」

 

「不死の体を持つ蓬莱人。過去に蓬莱の薬を使用。

 その為、月から地上へ流刑にされる。

 しかしその実、流刑を望んだが故の不老不死。

 永琳さんに蓬莱の薬を作って貰い流刑に至る」

 

「私のファンなのではなかろうか?どう思う永琳?」

 

「基本的に全員これ位の情報量は持っていると聞きましたよ」

 

「む、そうか。少し残念だ」

 

「【東方永夜抄】六面Bルートボス。」

 

「む?」

 

「今のは…」

 

「おい、ひずめ君。今の情報は何だ?」

 

「えっと…【東方永夜抄】は東方Project第八弾の作品…さく…品…?」

 

「作品?」

 

「う…うがあぁあああぁぁぁぁ!!!」

 

頭が痛い!!!痛い痛い痛い痛い!!!

 

「永琳!!!」

 

「はいっ!!」

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

「はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」

 

余りの寝苦しさに目が覚める。

頬を伝い落ちる汗。

作務衣は着ておらず、白衣のようなものを着ていた。

 

「またこの病室か…」

 

「良く寝ていたな。具合はどうだ?」

 

「あぁ、姫様。最悪です」

 

「そうかそうか」

 

絶世とも呼べる美しい顔に似付かわしくないケタケタと言う笑いを浮かべながら俺に近付いてくる。

そのまま俺が寝転んでいる寝台の上に腰掛ける。

ふわっと、姫様の方から心地の良い香りが風下いる俺の鼻腔に運び込まれる。

 

「ふむ。どうだ?私は美しいであろう?」

 

月光を反射する艶やかな長く綺麗な髪を右手で大袈裟に掬いあげる。

 

「えぇ。絶世の美女とは正にって感じですね」

 

「抱いてみるか?」

 

俺の首に両手を回す。

姫様の綺麗で潤んだ双眸を見据える。

 

「とりあえず八雲さん家の藍さんの尻尾を触り終わった後でお願いしてもいいですか?」

 

「ふふふ、ひずめ君はやはり面白いな。とりあえず私の誘いを断った罰だ。鈴仙は居るかっ!!鈴仙っ!!!」

 

「はいはいここに居ますよー?姫様どうしました?」

 

「鈴仙、このひずめ君と弾幕ごっこするんだ」

 

「はぇ?この男の子ですか?あのーもしかしなくても人間ですよね?」

 

「そうだ」

 

「下手したら死にますよ?」

 

「そうなったらそうなったで構わん。いいからやれ」

 

ウドンゲの方を向かずに低くくぐもった声で命令をする姫様。

 

「ひっ!!わっわっわわわわかりました!!!」

 

そう言うと、ウドンゲは俺の首根っこを掴み外へ飛び出す。

 

「ふぅ・・・なんかゴメンね。姫様ガチギレ状態だから逆らえないんだ。なんの恨みも嫉みも無いけど・・・弾幕ごっこ開幕だよ!!ルールに則り私が使うスペルカードは一種類を一回!!」

 

イナバは右手を銃のように構え、握りに左手を添えた。

 

「バンっ!!」

 

冗談めいた声とともに右手の人差し指から銃弾の形をした何かが発射された。

 

「えっ!?」

 

それを俺は紙一重で首だけ動かし避ける。

頬を掠めた銃弾の様な何かは傷を付け血を流させた。

 

「避けた?」

 

「みたいですね」

 

「『みたいですね』じゃ無くてさ…普通の人間があの速度の弾幕避けるってどんな反射神経してんのさ」

 

「さぁ?俺も無我夢中だったから良くわかんない」

 

「そう、でもまぐれはこれで終わり。姫様も見てるし、飛ばすよ!!!」

 

【幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)】

 

「行き成りラストワード!?まじかよっ!?」

 

何故か俺の心は歓喜している。

理由がわからない。【ラストワード】の意味はわかる事の意味が解らない。

根底が全くわかってない。

 

「「【さぁ、狂気に踊り果てなさい】」」

 

「…」

 

物凄い量の弾が正に幕を張って迫ってくる。

逃げ道は見当たらない…事も無いっ!!

 

「見えるっ!!」

 

「だからっ!!なんで躱せてるのよっニンゲン!!!」

 

「知らんがなっ!!」

 

心が踊っている。

この状況を楽しんでいる。

俺は一体何モノだ?

 

――続く?




――――――――――――――――――――――――――

終わりです。
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