続きが書きたいけど今はちょっと無理な作品置き場。   作:PL.2G

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非常に短いです。

ただ、こう言うの偶に書きたくなります。

※注:)これを読むにあたり、前提条件として『ぷちます!』を知っていないとまったくわからないので、ご注意ください。
知っててもわからない場合は、私の表現力の無さでの所為ですので、諦めてくださいますようご承知置きください。




ぷちでれます。

――ふみか――

 

 

「・・・ふみ」

 

ふみかが本を持って俺の所に歩いてくる。

 

「・・・ふみ、ふみ」

 

本を両手で持ち、俺に差し出す仕草をする。

 

「今日は、太宰治・・・」

 

「・・・ふみ♪」

 

胡坐をかく足の上にチョコンと乗り、本を俺に渡す。

 

「寝る前に読むにはちょっとボリュームがあり過ぎじゃないか?」

 

「・・・ふみぃ・・・」

 

俺を見詰めながらふみかは目をうるませる。

 

「わかったわかった・・・ふみかが寝たら終わりだからな?」

 

こうは言ったものの、正直ふみかが寝るとは到底思っていない。

現在が22時12分・・・読み終わるのは大体5時間と考えて・・・

 

「・・・ふみ♪・・・ふみ♪」

 

脚の上で上機嫌に左右に揺れるふみか。

 

「はぁ・・・」

 

溜息を一つ吐く。

本をめくり読み始める。

 

「本州の北端の山脈は・・・」

 

今日も寝不足だ。

 

 

 

 

――くるみ――

 

 

「うわぁ・・・」

 

仕事から帰ると部屋が散らかっていた。

 

「ふぇぇ・・・」

 

散らかっている部屋の中央には、顔中の穴と言う穴から色々な水分を出し顔をくしゃくしゃにして泣いているくるみがいる。

部屋に散らかっているティッシュを拾いつつ、泣いているくるみの近くに屈みこみ頭を撫でる。

 

「今日はどうした?」

 

「ふぇぇ・・・」

 

すっ・・・と、空になったポケットティッシュの袋を差し出すくるみ。

 

「あぁ・・・無くなっちゃったのか」

 

くるみの足元を良く見ると同じような空き袋が6つ落ちている。

 

「んー・・・あっ!」

 

俺は持っていた鞄の中を漁る。

目当てのモノを見つけ取り出す。

 

「ほら」

 

どこかで貰った某コンタクトレンズメーカーのポケットティッシュを差し出す。

さっきまで泣いていたのが嘘の様な物凄いスピードでひったくる様に俺の手から奪い取っていったくるみ。

 

「でゅー♡しゃー♡」

 

ポケットティシュの中身を一枚ずつ抜き取り空へ放る。

 

「あー・・・」

 

この後の予測可能回避不可能な事態を思い描きながら夜食の準備に取り掛かる。

 

 

 

「――ふ・・・ふぇぇ・・・」

 

 

 

 

――のの――

 

 

「おーい!ののー!!どこだー?」

 

ののがまた(・・)いない。

 

のー・・・のー・・・

 

「ん?」

 

今、めっちゃちっちゃい声だが、ののの声が聞こえたぞ?

 

「ののー。出てこないとご飯の手羽先は無しだぞー」

 

むー・・・りぃー・・・

 

んー?手羽先で誘っても出てこない・・・

ちなみにここは俺の部屋。1DKで一人暮らしとしてはそこそこ手広い部屋だ。

ののはこの部屋で何度も隠れている常習犯。

大体『もりくぼぉ!!』って怒鳴るか、手羽先をチラつかせれば、机の下やコタツの中、引き出しの中から顔を出して居たんだけど、今日のように全然出てこないのは初めてだった。

 

「おーいののー。どこだー?」

 

「むー・・・りぃー・・・」

 

ウロウロしながら呼び掛けていたら、少し声が大きく聞こえた。

 

「押し入れ?」

 

押し入れを開くと枕棚に頭を抱え震えているののを発見。

 

「むー・・・りぃー・・・」

 

「どうやって登ったのか・・・」

 

見ると押し入れの中の箱類が所々に散っている。

重ねて登って、登りきって足場が崩れたってところか・・・

 

「ほら・・・おいで」

 

両手を差し出しののを抱える。

 

「のー・・・のー・・・」

 

フラフラとしつつも俺にしがみ付き、そのまま這いずる様に襟口から服の中に侵入していく。

 

「やめろっやめろっ!!くるしっ!!のびるのびる!!」

 

「のー・・・のー・・・」

 

晩御飯の手羽先が出て来るまでの間、服の中で丸まり続けたコアラみたいなののでした。

 

 

 

 

――みちる――

 

 

「いいか、みちる?今日こそ言う事を聞いてもらうぞ?」

 

「ふご!!ふごご!!」

 

バゲットを齧りながら凄い勢いで首肯する。

 

「既に言う事を聞いていないじゃないか・・・」

 

みちるはパンが好きだ。

あり得ないくらいパンが好きだ。

自分の大きさの100倍くらいパンを食べちゃうくらいパンが好きだ。

 

俺はパン屋だ・・・

 

「ふご!!ふご!!」

 

既に商品であるバゲットがバスケットから消え去り、隣にあったパン・ド・カンパーニュに齧りついていた。

 

「みちる・・・本当にやめてって・・・」

 

「ふご・・・」

 

「あとでお前用にパン造るから・・・商品には手を出さないでって・・・いつもいつも言ってるだろ・・・?」

 

「ふごぉ・・・」

 

パン・ド・カンパーニュを齧りながら店の奥に入っていくみちる。

 

 

――開店

 

「いらっしゃいませー」

 

いつも通り開店から客足は悪くない。

 

「毎度ありがとうございまーす」

 

袋に入れたパンを渡す。

 

「今日はみちるちゃんは居ないの?」

 

来た・・・

 

「・・・みちるは、商品に手を出すんでいつも通り奥に・・・」

 

「みちるちゃーん!!」

 

「ふごー!!」

 

お客さんに呼ばれて凄い勢いで奥から現れるみちる。

 

「はい、みちるちゃん」

 

そう言ってお客さんは買ったばかりのうちのパンをみちるに躊躇い無く与えはじめた。

 

「ふごふご!ふごふごご!!」

 

「んふふふ、かわいいわねぇ」

 

凄い勢いでパンを頬張るみちるを撫でる。

このお客さんはうちのパンを買ってはみちるに与える。

いや、このお客さんだけではない、大体(・・)のお客さんがそれ目当てで買って行く。

これが日常だった。おかげさまで売り上げは落ちることはない。

でも、俺はみちるの為にパンを造っている訳では無いのだ・・・

みちるを見つめる。とても良い笑顔で俺を見つめる。

 

「ふご~♪ふご?」

 

しかし、きっと俺の悩みはみちるに伝わる事は無いのである。

 

 

 




本当に短いですね。

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