転生したらバーサーカーのマスターになりました。   作:兵庫人

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剣の戦争は、もう少し本編が進んで設定が固まったら書くかもしれません。


013

「はぁ……。どうしてこうなったんだろう……」

 

 サーヴァントの召喚が終わり「黒」の陣営の戦力が全て揃った日から数日後。俺は車の中で小さく溜息を吐いた。

 

 この数日間は、聖杯大戦中だというのにとても平和でのんびりしたものだった。

 

 せっかくだから頼光さんに剣の稽古をつけてもらったら、張り切った頼光さんのバスターアタック一段目の衝撃波で吹き飛ばされたり、

 

 アーチャーにパンクラチオンを教えてほしいと頼んだら、アーチャーは意外とスパルタで「短期間でパンクラチオンをマスターするには実戦しかありません」と言い出してボコボコにされたり、

 

 キャスターと一緒に○ンダムを観たら、それに影響を受けたキャスターが魔術師搭乗型のゴーレムの試作品を造り、何故かその搭乗試験に付き合わされた結果、ゴーレムの暴走に巻き込まれたり、

 

 ライダーと近くの街で食べ歩きをしていると、どこからかライダーがマグマのように紅くて熱い麻婆豆腐を買ってきて、勇気を出してそれを一口食べたら丸一日気絶するはめになったり、

 

 アヴェンジャーとチェスをしてみたら一時間もしないうちに十連敗……それも見事なまでの完敗となって、それなら今度は聖杯チェス(アニメ版でダーニックとキャスターがやっていたサーヴァントの駒を使ったゲーム)で挑んだら、それでも十連敗して心が根本からへし折られたり、

 

 それなりに平和な日々を送っていたら突然、俺と頼光さんにダーニックとランサーから直々の命令が出されたのだ。そして現在、俺達はその仕事の現場に車で向かっている最中である。

 

「……マスター。マスターが経験したその数日間は、本当に平和と言えるものなのか?」

 

 どうやら途中から心の声が声になって出ていたようで、それを聞いていた車を運転している人物、ジークが質問をしてきた。

 

 勾玉に封じていた聖杯の魔力を与えたことで、ジークは無事に回復して、その後俺はダーニックとキャスターに直訴して、彼を自分専用の従者扱いにしてもらったのだ。そういった事情もあって、ジークは俺のことを「マスター」と呼んでいた。

 

 原作ではジークは、キャスターの宝具を完成させるための最も重要なパーツで、本来なら俺の直訴は通らなかっただろうが、この世界では違う。

 

 何故ならこの世界では「キャスターの宝具に必要な材料は全て揃っている」のだから。

 

 原作知識を持っている俺は、聖杯大戦が始まる前から「黒」の陣営が敗北する要因を一つでも減らそうと、色々と策を考えていた。

 

 その内の一つが、ダーニックの宣戦布告時に魔術協会が送ってきた懲罰部隊の対応だ。

 

 ユグドミレニア一族を滅ぼして、大聖杯を奪取するために魔術協会が送ってきた懲罰部隊。それがまさか全て二流三流の魔術師とは思えなかった俺は、ダーニックとランサーに「懲罰部隊全てをただ殺すのは勿体無い。何人か生きたまま捕らえたら、何かの役に立つのでは?」と進言し、それを聞いてくれたランサーは懲罰部隊の半数程を生きたまま捕らえてくれた。するとその中に一流と言える魔術師がいて、キャスターはその魔術師を、原作ではジークにするつもりだった自身の宝具のパーツに使い、残った魔術師は魔力の供給源として使うことになった。

 

 次にこのルーマニアに運び込まれている「赤」のアサシンの宝具の材料の奪取。

 

 原作では「赤」のアサシンの宝具である、空中要塞の持つ機能によって大聖杯が奪われ、それが「黒」の陣営の最大の敗けフラグとなったのだ。しかしその空中要塞は「赤」のアサシンの魔力ですぐできるものではなく、この世界で年代物の土や石、遺跡の残骸などの材料を集めて造るものであった。

 

 だから俺はダーニックの許可を取ってから、ユグドミレニアに協力している魔術師達に、この国に年代物の土や石、他に遺跡関係の物が運び込まれていないか調べて、もしあれば可能な限り奪取してほしいと依頼したのだ。その結果、この国に運び込まれるところだった「赤」のアサシンの宝具の材料は、ミレニア城塞へと届けられて、これらはこちらのキャスターの宝具の材料として有効活用させてもらった。

 

 こうして俺は、ジークを犠牲にすることなくキャスターの宝具の材料を揃え、「赤」のアサシンの宝具の完成を遅らせることに成功したのである。

 

「平和に決まっているだろ? 少なくともこれからする仕事に比べたら断然平和」

 

 ジークの言葉に俺は返事をした。

 

 これから俺と頼光さんが行う仕事とは、聖杯大戦の裁定のために聖杯が呼んだサーヴァント、ルーラーとの接触と、同じくルーラーに接触しようとする「赤」のサーヴァントの排除だ。

 

 そう、原作におけるジークフリートとカルナの一騎討ちイベントである。

 

 それなのに何故、ゴルドとジークフリートではなく俺と頼光さんがこれに参加するはめになったかと言うと、それは以前ジークフリートの真名を暴露したせいだった。原作知識を使ってジークフリートの真名を暴露した俺を、ダーニックとランサーは洞察力の優れたマスターだと勘違いしたらしく、少しでも「赤」のサーヴァントの情報を得るために俺を使うことに決めたらしい。

 

 ……まさかあの感情に任せた暴露がこんな結果になるとは夢にも思わなかった。

 

 本当に参ったよな……。「赤」のランサーことカルナっていったら、原作の最強格なんだよな。でもダーニックとランサーの命令を拒否することもできないし……。

 

 頼光さんだったらカルナにもダメージを与えられるし、一応俺もカルナに多少なりのダメージを与えたり意識をそらせたりできる切り札が二つあるけど、それもどこまで通用するか……。

 

 俺、本当に生き残ることができるのかな?

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