山吹色をもっと濃く   作:スタプレ

19 / 22
話重くなるよ!注意


3章 君の色をもっと濃く
1話 滴る水は1秒ずつ


ポン、ポン、ポン、ポン、

 

なんて言う機械か分からないが、医療ドラマでよく見る機械がリズムよく鳴る。

 

二人きりの病室の注ぐのはどんよりとした天気でも明るくする太陽の光だ。

 

そこに会話は欲しかった。実現したければ一人二役をやるしかない。

 

曲「さーや......」

 

彼女は応えてくれない。眠り続ける姫には手を握るしかできることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医者「最近山吹さんにおかしなこととかありましたか?」

 

曲「えーっと、体調は分かりませんが、性格なら真反対に変わったぐらいに。」

 

全てが解決したと思ったら沙綾は倒れた。すぐに救急車を呼んで病院に搬送された。

 

あの時一番冷静だった俺が同行して今にいたる。他のポピパは家族とかに連絡してくれているらしい。

 

曲「さーやは...さーやは大丈夫なんですか!?」

 

医者「落ち着いて下さい。」

 

曲「す、すみません...」

 

確かに焦っても状況がよくなる訳じゃない。

 

医者「山吹さんの体は弱っている状態です。正直病原的な原因が分かりません。」

 

曲「そんな...!」

 

医者「あくまでも仮説ですが、人間と世の中にあるものは驚くほど似ています。」

 

曲「それとなんの関係が...」

 

医者「例えばある機械の負荷を余計にかける。または限界超える使い方をしたとしましょう。機械はその後どうなりますか?」

 

曲「性能が悪くなります。最悪の場合壊れますね。」

 

医者「人間も同じです。余分に飲酒すれば肝臓が悪くなる。糖分を過剰摂取したら糖尿病になります。恐らく性格が変わったことで、山吹さんに何らかの負荷がかかってしまったのでしょう。」

 

曲「......!」

 

医者「もちろん最善を尽くします。それでは失礼します。」

 

医者は自分の持ち場に帰った。

 

そして今は二人きりでただ目を覚ますのを待つだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「りー......がり......曲...」

 

誰かが呼んでいる?ここはどこだっけ?

 

あぁ...病院だったな...寝落ちしたのか...

 

看護師が起こしてくれたのか?

 

 

目を開けると沙綾が起きてこっちに呼びかけている。

 

曲「さーや!体の調子はどうだ?」

 

沙綾「なんとも...言えない感じ...」

 

以前の元気ハツラツとした声の張りが今はない。

 

沙綾「ごめんね曲...また迷惑を掛けて...」

 

曲「病人がそんな心配するな。今は治すことが大事だからな。」

 

沙綾「ありがと...それにずっと居てくれたんだ...」

 

曲「ま、まあな...香澄達もそろそろ来るだろう。着替えとか持ってきてくれるはずだ。」

 

そこでタイミング良くドアが開けられた。

 

香澄「さーや!大丈夫!?」

 

有咲「おい香澄。病院だから静かにしろって!」

 

りみ「お見舞いに来たよ。」

 

沙綾「みんなありがとう。」

 

たえ「私はお肉を持って来たよ。」

 

曲「病院に肉はダメだろ。」

 

笑いが病室に広まる。蔵と同じ風景だ。

 

曲「有咲、ちょっといいか?」

 

有咲「どうした?」

 

盛り上がっているところを隙に有咲を病室の外に連れ出す。

 

曲「さーやのことだけど...」

 

有咲「医者はなんて言ったの?」

 

曲「それは......」

 

医者のやり取りを有咲にも同じことをした。

 

有咲「そうか...沙綾...」

 

曲「今は俺たちで全力でサポートしよう!」

 

有咲「当然だな!」

 

病室に戻ってもまだ盛り上がっている。

 

曲「おーい、そろそろ帰るぞ。」

 

香澄「えー!まだいたい!」

 

曲「さーやがゆっくり休めないだろ。」

 

たえ「それもそうだね。じゃあまた夜中に来るよ。」

 

曲「せめて明日にしろよ...」

 

りみ「また来るよ。」

 

曲「お大事に〜!」

 

沙綾「うん、ありがとねみんな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

曲「そういえばバンド活動はどうするんだ?」

 

ポピパ「......」

 

曲「と言っても急だから決めれないか...活動休止をする事は分かるが、それをどうやって伝えるのか。」

 

ポピパ達はどうしよっか?という感じで見合わせている。

 

曲「まりなさんには俺から話す。担当から外されることはないと思うが、もしそうなっても俺が交渉する。」

 

有咲「ありがとうございます。色々と...」

 

曲「これもやるべきことだ。もし休止最後のライブをやるならいつでも開けておく。じゃあサークルによるね。答えは焦らなくていいからな。」

 

香澄「うん。ありがとまがりん。」

 

ポピパと別れて俺はサークルに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まりな「あ、曲くんどうしたの?」

 

曲「実はさーやが倒れて...」

 

まりな「え!?大丈夫なの!?」

 

沙綾の状態やポピパの担当から外れたくないこと、休止告知のライブをするかもしれないこと全てまりなさんに話した。

 

まりな「分かったよ。それに曲くんもしばらく仕事を休んでもいいから。」

 

曲「そんな!迷惑になりますよ。」

 

まりな「沙綾ちゃん曲くんのこと好きだから、できるだけそばに居てあげて。」

 

曲「ありがとうございます。それじゃお言葉に甘えて。」

 

でもなんでまりなさんは沙綾が俺の事好きなの知ってるんだ?

 

まりな「それに曲くんも悩まないでね。」

 

曲「...なんの事ですか?」

 

まりな「私の間違いだったらごめんね?でも君は今悩んでいるっていう顔だから。」

 

曲「まだ自覚がないだけかもしれません。心配してくれてありがとうございます。」

 

いざってなる時にまりなさんは頼りになる。頭が上がらないよ。

 

曲「それじゃこれで失礼します。」

 

まりな「うん。また困ったことがあったらいつでも来てね。」

 

悩みか...なんか悩みといつより後悔している気がする。それは自分でも分からない。

嫌でも気づくから焦る必要はないだろう。

 

明日お見舞いの時にフルーツでも持っていこう!

 

 

 

 

ちなみにポピパの休止告知ライブはクライブで知り合いのみに開かれることになった。機材はサークルの貸し出しでドラムは第1回クライブと同じように打ち込みで行ったらしい。




そろそろ新しい作品の事を考えていますが、ギャグに走るかまた鬱系のものにするかで悩んでいます。
いっそ両方出すという手があるからそうしようかな?

それでは次回もお楽しみ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。