山吹色をもっと濃く   作:スタプレ

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3話 2人は幸せなキスして...

医者「君は転生でこの世界に来たらしいね。」

 

曲「はい、そうですが。」

 

医者「転生した者は長く生きられないんだよ。原因は不明だがな。」

 

曲「そうなんですね。」

 

俺は横のベッドを見る。届きそうな距離だが、カーテンで仕切られているため隣の人は当然見えない。

そして医者の顔を見ると、何か不思議そうな顔をしている。

 

曲「どうしたんですか?」

 

医者「あ、いや...大した事じゃない。ただ、何とかしてくれと怒鳴られるもんだと思って...」

 

曲「そんな輩がいるんですね。」

 

医者「ほとんどの人は生きたいと思うから当たり前の事だよ。逆に君はやりきったような顔をしているが。」

 

曲「そうですね。もう思い残すことはないですから。」

 

嘘である。

 

本当はポピパのメンバー達もう1回話したかった。元気になった沙綾とどっか行きたかった。

 

でもそれは許される事ではなく、そんな権利は自分が壊してしまったものだ。

 

自分へのお見舞いも来てくれるとは信じてない。むしろひっそり死ねるならそれでよかった。

 

医者「そう言えば君を心配してくれた患者さんがいるんだ。」

 

曲「心配してくれる患者ねぇ...え?患者?」

 

医者「今からカーテン開けるね。」

 

曲「あ、ちょっと!」

 

俺の止めることも気にせずに医者はカーテンを開ける。

 

目の前には見慣れた女子が1人。

 

曲「さーや!」

 

沙綾「曲!大丈夫なの?」

 

曲「まぁ大丈夫と言えば大丈夫...なのかな?」

 

医者はまた来ると言って病室を出て行った。

 

沙綾「有咲から聞いたよ。私たちの絶縁状態にしてたんだって?」

 

曲「だって俺が来なければさーやだって体調崩さなかっただろ?これ以上は迷惑だと思ったし...」

 

沙綾「それ本気で言ってるの?」

 

曲「え?」

 

思わず沙綾の顔を見る。

 

沙綾「じゃあ楽しかったことも迷惑だって言いたいの!?サークルの合同ライブも迷惑行為だって言いたいの!?」

 

曲「そ、それとこれは関係ないよ...」

 

沙綾「大ありだよ!野球観に行ったこと、四国に行ったこと、遊園地行ったこと全て楽しかった!!」

 

曲「......」

 

脳内に今までのことがハイライトで流れる。トラブルが色々起きたけど、全て楽しい思い出の1つだった。

 

沙綾「合同ライブも、曲がいなければ成功なんてしてない!ガルパの子達とも仲良く慣れてない!!曲は私を楽しませてくれた大切な人なんだよ!」

 

そうだ...何勝手なことを思い上がっていたんだ!

 

沙綾「そんな人が、自分のせいで私を壊したなんて言わないでよ......」

 

沙綾は大粒の涙をこぼした。

 

曲「ごめん。さーやの言う通りだよ。」

 

一生懸命体を起こして立ち上がる。

 

沙綾「大丈夫...なの?」

 

曲「まぁ何とか。」

 

そして沙綾のベッドに歩み寄る。

 

曲「ゴメンね。また心配掛けちゃったみたい。」

 

沙綾「もぅ...私も掛けまくっているからお互い様。もう自分を責めるのはなしにしよ!」

 

曲「そうだな。もう自分を責めるのはゴメンだ。」

 

初めて病室に笑い声が響いたかもしれない。

 

曲「さーや。改めて言うよ。君のことが好きだ。」

 

沙綾「うん。私も好き。」

 

この恋は実ったのか、実らなかったのかは分からない。

でも両想いを確認すると、静かに唇を重ね合う。これ以上はいらない。触れ合うだけでも今はとても幸せだ。

 

そして静かに微笑み合う。

 

曲「そろそろベッドに戻るね。」

 

どう足掻いても病人が長時間立つことは無理だ。ゆっくりと自分のベッドに戻る。

 

沙綾「そう言えば有咲のこと許してあげてね。」

 

曲「許すって何を?」

 

沙綾「なんか曲に酷いこと言っちゃったみたいで...」

 

曲「あれか...確かにショックだったからな。」

 

沙綾「多分有咲の事だから曲に八つ当たりしちゃっただけだと思う。」

 

曲「あいつの性格だからな。あれ?ところで俺ってなんで病院にいるんだ?」

 

沙綾「香澄たちが強行突破したら曲が倒れていたらしいよ。」

 

曲「それで救急車を呼んでくれたのか。」

 

その時扉をノックする音が聞こえた。

 

来たのはポピパのメンバーだ。

 

香澄「まっがりん〜具合はどう?」

 

曲「まぁボチボチだな。」

 

香澄「ほ〜ら、有咲もこっち来て。」

 

香澄に引っ張られて有咲も入ってくる。

 

有咲「曲。大丈夫か?」

 

曲「あぁ、お陰様で。」

 

有咲「......」

 

曲「?」

 

有咲が何かモジモジしているのを香澄が何か促す。

 

有咲「......ゴメンな曲...私が追い込んだせいで...体調崩しちゃって...」

 

曲「その事なら気にすんな。」

 

有咲「でも...」

 

曲「さーやと決めたんだ。もう自分を責めるのはやめようって。だから有咲も自分を責めるのはやめて。」

 

有咲「ありがと...」

 

曲「それに、本当にそう思うなら普通は見殺しにしているからね。ありがとな。救急車呼んでくれて。」

 

有咲「な、なんでそんなこと!」

 

曲「なんでもお見通しさ!」

 

沙綾「嘘だよ。私が教えたんだ。」

 

曲「あーせっかく有咲にカッコつけようと思ったのに〜!」

 

沙綾「浮気するつもりだな〜!曲のパワハラ、セクハラ、キモオタ!」

 

曲「何その3コンボ。泣きたくなるんですけど...」

 

有咲「お前らもう結婚しちまえよ。」

 

香澄「まがりんとさーやは仲良しだからね!アリだよ!」

 

やっぱり一緒にいるのは楽しい。面会時間なんてあっという間終わってしまうから。




タイトル見て「終了」と頭に浮かんだやつはホモはっきりわかんだね。ホモは帰ってどう((殴

さてこの作品も次回ラストです。楽しみに待っていて下さい!
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