沙綾「いらっしゃいま...あ、曲じゃん。」
曲「いつものやつ。」
沙綾「ふふっ、なんかバーに来る常連さんみたい。」
曲「実際数え切れないほどここのパン食べてるからな。」
そうなのだ。あまりにも来る回数と食べるパンの種類が決まってるから自分で取る訳でもなくすでに沙綾が準備をして待ってくれているのだ。これは完全に常連だけ(それ以上に親しい仲)の人限定の特権。
いつものお金を払ったら沙綾が聞いてきた。
沙綾「ねぇ曲。昨日言ってたこと。」
曲「あぁあの件かぁ。」
あの件とは合同ライブの会議で俺は考えをまとめてくると言って部屋を後にしたことだ。
曲「正直まとまったけど、具体的にどうすればいいのか分からないんだ。」
沙綾「そうなんだ...ありがとね。一緒に悩んでくれて。」
曲「仮にもスタッフだからな。当然のことだよ。じゃあまた。」
沙綾「うん、またね。」
シフトは夕方からだ。それまで一休みしよう。
夢を見た。過去の夢を。1回目は小学生ぐらいの時だった。
何かの話し合いで自分の意見を言ったらクラスの団結に繋がった。
曖昧だからどんなきっかけでこんな事が起きたのかは忘れた。しかし当時の俺は自分の意見を言えばまとまる。そんな自信があの頃はあった。
しかし中学生は違った。これは2回目の夢の話。クラスの男子がいじめられてた件について教頭の指示の下で話し合いが含まれた。
「こんな事はよくない、くだらない。もうやめるべきだ。」
これで丸くおさまるはずだった...でもバカには通用しない。
いじめグループが気に食わなかったのかイジメの度を過ぎることを受けた。最初肯定してた奴らも結局裏切り。いい子ちゃんを演じるがために困った振りをしていたのだ。
担任もクズなことにイジメを加担していて、二度と知られないようにするために隠蔽を率先してやってた。
これをきっかけに人を信用しなくなり、自分の意見を言うのが怖くなった。
トラウマを覚えてから目は覚めた。
意見を言うのが怖い。でも、彼女達は本当に困っている。あんな奴らと一緒にいてはいけない。
勤務開始の1時間前の今はただベッドに座っているだった。
あーでもない。こーでもない!
前との間違い探しをしろと言われても無理ゲーですと言うぐらいなんにも変わってない。
このままじゃ誰もよくない。重い口を今開けようとする。ポピパのメンバーが救いを求める顔をしていると思うが、そんな顔を見る余裕はない。
曲「なぁ、あんたら唐揚げにレモンをかける派?かけない派?」
あんだけザワザワしていたのに1秒で静かになった。そりゃ当然の反応だ。
友希那「あなた何言ってるの?今は音楽の話をしているのよ。真剣にやらないなら出て行ってちょうだい!」
沙綾「そうだよ!期待していたのに...空気を乱すことを言うなんて...」
当然怒るわな。でも長年意見を言ってないから例えるのが極限に下手になっている。
内心ビクビクしながらも冷静を装って、「いいから質問に答えろ。」と低めの声で言った。
初めて見た威圧的な態度に少し驚いたのか、数秒後に「私かける〜」や「かけるなんて有り得ない」と色んな声が飛んだ。
曲「こんな感じで割れるんだな。本人にとってそれは重要なことだろ?でも唐揚げを食べない人はそんなの関係ない。どっちも変わらんと言う人が出てくる。」
「何が言いたいの?」
この人はパスパレの千聖さんだっけ?芸能好きの人なら知らない人がいないぐらいテレビ出てるなぁ。
目の前に芸能人いたのか。
曲「音楽も同じなんだよ。興味がない人はジャンルは違えど全て同じに思える。1つのバンドしか興味がない人達もね。」
蘭「はぁ!?意味分かんないし!」
紗夜「音楽に携わる者が言う事ではありません。今すぐ辞退して下さい。」
アフグロとロゼリアは本格的なバンド。自分達のバンドが否定されたと思ったのだろう。
でも俺の言いたいことは違う。
曲「俺も同じだと思うけど、そんな意味じゃない。『楽しさ』なんだ!どんな音楽でも聞いている人みんな楽しんでいる!だからみんな同じなんだ!」
こころ「あなたの言う通りだわ!だって、ライブを開くとみんな笑顔で楽しんでくれているもの!」
曲「合同ライブを開いて観客に教えようよ!違う音楽でも楽しいこと!みんなとやると更に楽しくなること!まだ具体的な案は出てないけど、それをみんなで今から考えないか?」
俺の言いたいことは全て行った。全て自分で考えるのは違う。ヒントみたいなのを教えてあとは要望に答えれるように動くだけだ。
(ここからが課題だな。)
と思っていたその時、1人の少女がバッと立ち上がって、こう言った。
香澄「みんなで1つの曲を作ろうよ!」
なんかバンドリというか曲の物語になっていますね...
でもこれはあくまでも最初に過ぎないから辛抱強く待ってくれるとありがたいです。
それでは次回もお楽しみに