曲「野球のチケットですか?」
まりな「そうそう。巨人対阪神戦のチケット。野球興味ないかな?」
これは本格的な暑さを感じるようになった日の夜。俺はスタジオの掃除をしている時だった。
曲「そもそもなんでここにチケットが?」
まりな「オーナーが現役の時によく東京ドームで公演をしていたらしいの。それでオーナー宛に今でも数枚か野球のチケットを送られるの。オーナーは野球に興味がないからスタッフに渡しているというわけ。」
曲「野球は興味がありますけどチームが...」
実は前世は巨人と阪神の間にある中日の熱狂的なファンだった。だから戸惑っている。これが中日戦だったら喜んで行くんだけどなぁ。
曲「せっかくだし両立の立場で観るのも面白いかも。」
チームだけだったら少ししか困らないからいいか。
曲「まりなさん。僕に一枚下さい。」
まりな「あ、これペアチケットだから2枚渡すね。」
.......え?それめっちゃ困る。
曲「こっちに来て女子しか知り合いいないのに野球好きの子いるか?大体男ですら野球離れが目立っているのにこんな低確率いるのか?」
翌日の朝になって朝ごはん(山吹ベーカリーのパン)を買う道中でチケットをヒラヒラしている。
曲「ダメ元で聞いてみるか。ダメだったら1人で行きゃいいや。」
カランカラン
曲「おはようさーや。」
沙綾「おはよう曲。いつもありがとね。」
曲「突然だけど、さーやの知り合いに野球好きいる?」
沙綾「や、野球好き?さぁ?ど、どうだろうね?」
なんでそんなに挙動不審なんだ?
曲「いや〜いたら今度の土曜日の巨人対阪神戦なんだk...」
沙綾「行くー!」
曲「え?今なんて?」
沙綾「行く!野球行こう!」
マジですか。
土曜日。この日も暑い。
それにしてもまさか低確率でレアを引けるとは...。しかも沙綾が...
沙綾「おまたせ!こんな装備で良かったかな〜」
曲「充分を超えてるよ。」
大阪で見そうな光景を東京で見るとは。沙綾は黄色のはっぴにハチマキ。手には太い応援バットを持っている。
曲「でもさーやが阪神ガチ勢とは...なんで阪神ファンなの?」
沙綾「え?私の中の人が阪神ファンだから?」
曲「やめようね。」
そうこうしてるうちに東京ドームに着いた。こんなド派手な衣装をしているが、座るのは三塁側の席。流石に公演の恩でビジター応援席のチケットを寄越すわけがない。
にしても選手が誰1人分かんねぇ。横の沙綾はど太いバットで応援している。ただ奇跡なことに汎用応援歌とチャンステーマは知ってるやつだからかろうじて付いて来れた。
そして阪神が点が入ると沙綾や周りのおっちゃんと喜んだりした。まるで阪神ファンになったみたいだ。そして沙綾の顔が眩しい。ドームのライトのせい。そう思いたかったが、沙綾が可愛いと思えて仕方がない。
終わってみれば阪神の圧勝だった。
最寄り駅から歩いている時はすでに暗かった。昼とは違って風も吹いている。
曲「今日はありがとうさーや。」
沙綾「こちこそ誘ってくれてありがとう。」
沙綾が真っ直ぐこっちを向いている。風が沙綾の髪を乱している。これがまた心をくすぐってくる。
なんかまだ別れるのが惜しいなぁ。
曲「もう暗いから、送ってくよ。」
沙綾「ふふっ、ありがと。」
いつもの沙綾なら最初に遠慮して断るが、今日は何故かすんなり受け入れてくれた。
でもそんなことよりも、沙綾に恋をしてしまったことの方が阪神の勝ちも沙綾の熱狂的なファンだったことよりも一番印象が強かった。
マジでサボってすんません。
沙綾は野球観戦も趣味という設定があります。しかし何ファンか分からないため、中の方のプロフィールを取り出しました。沙綾の設定は中の人と同じなので問題ないでしょう。
さて、平和な話はあと3、4話ぐらいにしようと思いまぁす。
それでは次回もお楽しみに。多分また空く