何もかもダイスの女神に任せたらとんでもない主人公ができた   作:塩谷あれる

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バトル書きたい…なんなら蓮田にSAN0ムーブさせてみたい…だめ?(当分後)


委員長と学業の敵

──オールマイトの授業はどんな感じです?

 

「え!??あ…えと、すみません、僕保健室行かなきゃいけなくて…」

 

──“平和の象徴”が教壇に立っているということで様子など聞かせて!

 

「様子!?えー…っと筋骨隆々!!です!」

 

──教師オールマイトについてどう思ってます?

 

「最高峰の教育機関に自分は在籍していると言う事実を殊更意識させられますね。威厳や風格は勿論ですが、他にもユーモラスな部分等我々は常にその姿を拝見できるわけですからトップヒーローとは何をもってトップヒーローなのかを…(以下省略)」

 

──オールマイト…あれ!?君『ヘドロ』の時の!!

 

やめろ

 

──オールマイトの授業はどんな…あ、ちょっと、コメント下さいよ!

 

「邪魔なんで勘弁して下さい」

 

──オール…小汚っ!!なんですかあなた!?

 

「彼は今日非番です。授業の妨げになるんでお引き取り下さい」

 


 

(あらら、まだ張り込んでるよ…全く、元気なこって…)

 

 教室の窓から雄英の校門を──正しくは、校門に蔓延っているマスコミ諸兄を眺める蓮田。

 

(いくら手前の飯の種が目の前に転がってるからって学校としての機能潰しかねん真似しちゃいかんでしょうに…やっぱ昨今のマスコミのモラルも悪くなってんなぁ…)

 

 いや、割と元からか?と考えを改める蓮田。そして丁度良いタイミングと言うべきか、直後に相澤が教室に入ってきて口を開いた。

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ、Vと成績見させて貰ったよ。爆豪、お前もうガキみてェな真似するな。能力あるんだから…」

 

 相澤は戦闘訓練で特に行動が目立った爆豪、緑谷に声を掛け、さて、と話を切って本題を話す。その本題とは…

 

「学級委員長を決めて貰う」

「「「学校っぽいの来たー!」」」

 

 前例があるためか、聞くからに普通な本題に拍子抜けと同時に安堵するA組一同。そして安堵も束の間、その後に起こるのは立候補の嵐だった。

 

(学級委員長か…まぁ俺の柄じゃないし、良さげな奴に入れるとしますかね)

 

 蓮田はほぼ我関せずと言わんばかりにそんな歓声を聞いていた。

 


 

「僕三票───!!?」

 

 飯田の提案による厳粛な投票の結果、学級委員長は緑谷、副委員長が八百万となった。本人が一番驚いている。そしてもう一人驚いている者がいた。

 

「な、何故俺に票が…!?」

「いや飯田お前自分に入れてなかったのかよ…」

「他に入れてたのね…」

(何がしたいんだお前…)

 

 飯田である。どうやら別の人に票を入れていたらしく自分に票が入っていたことにかなり驚いていた。因みに票を入れたのは蓮田である。

 

(まぁ、多少の堅さを除きゃ生徒としては模範的だしな…真面目で良識がしっかり備わってる、って意味じゃ、多分八百万辺りよりも適任だったろうし…まぁ過ぎたことか)

 

 ドンマイ、と飯田を心の中で励まして、思考をリセットし、授業に取り組む蓮田であった。

 


 

「よう蓮田!メシ行こうぜ!」

「……切島か」

 

 時間は進み昼休み。昨日同様にパンを買って何処かで時間を潰そうと考えていた蓮田は、予想外の相手に捕まったことに若干の動揺を覚えていた。

 

「あー、っと、悪いな、遠慮する」

「え?何でだ?別に良いじゃねえか」

「…もしかして、その仮面?」

 

 頭の上辺りに疑問符でも浮かんでいそうな雰囲気で、切島が尋ねる。そこに、どことなく察したような顔を浮かべて耳郎が仮面を指さす。

 

「ま、そんなところだ。この仮面がないと、俺ァまともに道も歩けやしないんでね」

「そりゃキツいな…」

「誘いは嬉しいよ、いやホントに。だが、メシ食ってるときにいきなり気絶やら錯乱やらしたかねぇだろ?俺だって、そんなことさせたくない。だから悪いな、飯とかは無理だわ」

「そっか…何かごめんな?」

 

 蓮田の話を聞き、切島が申し訳なさそうな顔をする。それを見て蓮田は、できるだけ声を明るめにし、いかにも気にしていないといった風に言う。まぁ実際あまり気にしてはいないが。

 

「気になさんな、飯は一緒には食えんが、イベントやら何やらそう言うのは荒事じゃなけりゃ大好物だ。もしなんか面白げなことがあったらそん時誘ってくれ」

「おう!」

 

 蓮田の言葉を受けて、快く返事をする切島を見て、なんとか沈んだ空気になるのは防ぐことはできた、と安堵する蓮田であった。

 


 

「うめ…うめ…いや、カレーパンも美味いとは…」

 

 食堂でカレーパンを買い、またも少し離れたところで頬張る蓮田。嫌にならない程度の爽やかな辛さとサクサクのパン生地が何とも絶品の一品だった。満足して教室に帰ろうか、と考えているところに、

 

ウウウウウウウウウウウウウウ!!!

 

 耳をつんざくような鈍い警報音が鳴り響く。そしてその直後、機械音によるアナウンスが流れた。

 

『セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい。繰り返します。セキュリティ3が突破されました──』

「セキュリティ3?高いのか低いのか…」

 

 蓮田が疑問に思っていると、食堂の方からわらわらと人が流れてくる。その声を拾っていくと、どうやらセキュリティ3とは、雄英のセキュリティシステムの中でも上位のものらしく、早い話が雄英の敷地内に誰かが侵入してきたと言うことらしい。

 

「雄英に侵入?一体誰が何だってそんな命知らずな真似を…」

 

 移動途中の窓から校門の近くを覗いてみると、そこには人集りができている。恐らくは件の侵入者だろうが、その姿に蓮田は見覚えがあった。手に持ったマイク、カメラ、欲望にギラついた目、そう、あれは─

 

「マスコミか、ありゃあ?」

 

 バカな、と蓮田は考えるが、同時に遂にそこまで落ちたか、と呆れを通り越して失望すらしていた。

 

「雄英のセキュリティブチ抜いてまで手前のおまんま手に入れたいとか…もう最早ヴィランだろ、あれ…っどお!?」

 

 教師達に詰め寄るマスコミ共を最早別の生物を見る目で見ていた蓮田だったが、いきなり後ろから押しつぶされて意識を引き戻される。

 

「なにやってんだ!さっさと逃げんだよ!」

「いや、侵入者ってマス()ミ共だから別に危ねぇ訳じゃ…」

 

 何とか説明しようとする蓮田だったが、勢いは止まらず、もみくちゃにされていく。そして、ついに逃げる生徒の一人の腕が蓮田のマスクに当たり、マスクが少し上の方へずれてしまった。

 

「っお、てめ、危ねぇなオイ!」

「言ってる場合か!突っ立ってんのが悪いんだろ!」

 

 自分から当たってきておきながらの言い草に、流石の蓮田もカチン、と来たようで、ずれて口元が見えた状態のままで思わず声を出してしまった。

 

いい加減にしろ!ただのマスコミだっつったろうが!

 

 すこし怒気が見える低い声で怒鳴られたからか、少し静かになった周囲。侵入者がマスコミであったということもちらほらとは伝わったようで、若干は騒ぎも収まってきている。しかし、それは一瞬のもの。蓮田の声を聞いていなかった者には、それが伝わるはずもなく──

 

「何止まってんだ!早く移動しなきゃ──」

「いや侵入者はマスコミだって──」 

 

 事実を知っている者と知らない者で、更に混乱を招き始めてしまった。と、その時、

 

「大丈────夫!!!!」

「……飯田ァ!?」

 

 ビタァン!という何かが打ち付けられる音と、その直後に、聞き慣れた飯田の声が聞こえた。

 

「ただのマスコミです!何もパニックになることはありません大丈ー夫!ここは雄英!!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」

 

 飯田の声が響く。先程まで混乱していた生徒達が、その声によって静まりかえっている。マスコミが原因と言うことも伝わったようだし、これならもう騒ぎになる心配もないだろう。

 

(普通に声張り上げたんじゃあ誰もわからない…よっぽど目につく何かをしたのか…この状況でそれをしでかすとは、なんて胆力(メンタル)だよ飯田…!)

 

 この状況で事態を一手で解決する方法を叩き出した飯田に、蓮田は関心と同時に驚愕を覚えた。

 


 

 最終的に、マスコミ騒動は教師陣の必死の説得と警察の到着により鎮圧された。翌日には、とあるネットニュースサイトで『雄英にマスコミが押し入り、報道のモラル低下か』という記事が掲載されていた。まさか自分達が飯の種になるとは、マスコミ一同も予想だにしていなかっただろう。

 そして、学級委員長の座が緑谷の推薦により飯田へと明け渡されることになった。“副委員長”と言う立場でありながらスルーされた八百万が不憫に思えた蓮田であった。




次回からUSJ編…オリキャラ出そうか、ステイン編に持ち越そうかちょっと迷ってます。
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