暗殺者のうちが何でハンターにならなあかんねん   作:幻滅旅団

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大変お待たせしました(__)

少々メンタルをやられておりまして、パソコンの前に座ってもモチベーションが出ず(-_-;)
ようやくモチベーションが回復してきたので、ちゃんとエタらずに最後まで頑張ります!


#119 ラミナ×ノ×デシ

「よよぉい!!」

 

 スタグロウは跳び上がり、右脚を振り上げて勢いよく振り下ろす。

 

 カルトは軽やかに後ろに跳び下がって躱すも、スタグロウはすぐさま摺り足でカルトへと詰め寄って鎌の腕で斬りかかる。

 

 カルトは退屈そうな表情を浮かべながら僅かに頭を仰け反らせるだけで躱し、反撃に出ようとするがスタグロウが棘の生えた右腕を振り下ろしてきたので大きく後ろに跳び、距離を取らざるを得なかった。

 

(……面倒だな。腕が多いから思ってたより隙が少ない。あの足の爪も油断できないし……。けど、ラミナに比べたら遅くて弱いしな……)

 

 扇子を口元に当てながら、眉を顰めるカルト。

 ラミナ達旅団員との組手をやり過ぎて、感覚と実際のギャップが生じていたのだ。

 

 スタグロウはダン!と手足を広げて歌舞く。

 

「あ! すばっしけぇなぁ(わっぱ)よよい! だがぁ! 逃げるばっかじゃあっしは倒せねぇよよい!!」

 

「……はぁ」

 

 カルトは小さくため息を吐いて、扇子を開きながら前に出し、左手を掲げる。

 そして、左手から大量の紙切れを降り散らし始める。

 

 開いた扇子の上に大量の紙切れが積もり、それを見たスタグロウは訝しむ。

 

「……なんのつもりだよい?」

 

「紙吹雪。……風ッ!!」

 

 カルトは不敵な笑みを浮かべながら扇子を振って、紙吹雪を舞い飛ばす。

 

 風がうねり、紙吹雪が生きているかのように舞い踊る。

 カルトが扇子を振る度に紙吹雪は向きを変えて、スタグロウを囲むように動く。

 

「これはぁ……!?」

 

 目を丸くするスタグロウ。

 

 そこにカルトが扇子を振り下ろし、スタグロウの全身に紙吹雪が叩きつけられる。

 だが、紙吹雪はスタグロウの身体にかすり傷1つ付けられず、表面で受け止められて地面へと舞い落ちる。

 

「あ! 何がしてぇんだよよい! こんな紙切れで傷つくほど、あっしの身体は柔くねぇんだよよい!!」

 

 しかし、カルトはスタグロウの言葉を無視して、再び扇子を振り紙吹雪を舞い上げる。

 

 舞うように扇子を振り、紙吹雪は蛇のようにうねりながら、勢いよく宙を舞う。

 

「【蛇咬の舞】」

 

 扇子を振り下ろし、紙吹雪の大蛇がスタグロウへと襲い掛かる。

 

 スタグロウは迫り来る紙吹雪の大蛇に目を見開くも、

 

「あ!! 舐めんじゃねぇよぉい!!」

 

 と、棘の生えた右腕を振り被って、大蛇の頭に叩きつける。

 

 硬く重い一撃に紙吹雪の大蛇の頭は砕け、紙吹雪は形を崩して散る。

 

 カルトはその結果を目にしても、驚くことも嘆くこともなかった。

 

(やっぱりあの硬い皮膚を普通に傷つけるのは難しいかも……。狙うなら関節だけど……あの棘の腕が邪魔だな)

 

 硬いだけでなく、大量の棘も生えている。

 そこにオーラを込められると、やはり紙切れに込めたオーラでは太刀打ちできない。

 

(能力を使う様子がないから、強化系か【発】を会得してないのどっちか。それに【練】も未熟で【堅】が出来てない。なら……)

 

 カルトは再び扇子を下に振って風を起こし、紙吹雪を舞い上げる。

 

「よよい!? それはもう効かねぇこたぁ、あ! 分かったはずだろうがよい!!」

 

 スタグロウの言葉を無視して、カルトは扇子を振るう。

 

 再び紙吹雪の大蛇がスタグロウに襲い掛かり、スタグロウは再び右腕を振り被る。

 

 その時、スタグロウの振り被った右腕が肘関節部から突如切り飛ばされた。

 

「なああ!? ぐおぅ!?」

 

 スタグロウは目を見開いて驚くも、直後紙吹雪の大蛇に襲われて吹き飛ばされた。

 だが、すぐに起き上がって、カルトから距離を取る。

 

 切り飛ばされた右腕以外に傷らしい傷はないが、履いていた袴があちこち切り裂かれてボロボロになっていた。

 

 スタグロウは右肘に目を向けて、改めて現実を受け止める。

 だが、やはり頭の中は混乱していた。

 

「な、何が起きたんだよい……!?」

 

 あの紙吹雪ではない。

 では、何だ?

 

 何が起きたのか全く理解できないスタグロウ。

 

 もちろんカルトは不気味に笑みを浮かべながら歩み寄るだけで教えるわけもない。

 

「さぁ? 頑張って考えれば?」

 

 カルトは扇子を振って、紙吹雪の大蛇を再びスタグロウに嗾ける。

 スタグロウは今度は迎え撃たずに躱すことを選択した。

 

「よよい! よよい!」

 

 跳び跳ねながら大蛇の噛みつきを躱していくスタグロウ。

 

 もちろん、カルトの動きを見逃さないように注意を払いながら。

 

 カルトはそれに気づきながらも舞うように扇子を振るう。

 

 そして、扇子を力強く振るい、大蛇を襲い掛からせる。

 

 スタグロウも再び躱そうとした時、

 

 カルトの左腕が素早く動いたのと、その左手から何かが放たれたのを見逃さなかった。

 

 しかし、その放たれたモノを見失い、気づいた時には鎌の左腕が関節部から斬り飛ばされた。

 

「ぐぅ!?」

 

 スタグロウは痛みに顔を顰めながら視線を動かし、捉えたのは手裏剣の形をした紙のようなものだった。

 

「しゅ、手裏剣!?」

 

「余所見してていいの?」

 

「!?」

 

 カルトの声が聞こえたのと同時にゾクリと背筋に怖気が走ったスタグロウ。

 

 すぐさまその場を離れようと後ろに跳び下がるが、鎌の右腕の切っ先が半ばから斬り飛ばされた。 

 

「ぬぬぅ!!」

 

 スタグロウは顔を顰めながら、カルトへと視線を戻そうとしたが、

 

 

 すでにカルトはスタグロウの足元まで迫っていた。

 

 

「よよいっ!?」

 

「ふっ!」

 

 カルトは鋭く息を吐いて、広げた扇子を横薙ぎに振るう。

 

 スタグロウは摺足で身体を半身にして斬撃を躱そうとするが、躱し切れずに腹部を斬り裂かれて血が噴き出す。

 

 スタグロウはそれに構わずカルトから離れようと下がるが、カルトはピタリと張り付いて追い迫る。

 

「ぬぅ! よよいッ!!」

 

 苦し紛れに右足を鋭く突き出して、爪でカルトに斬りかかる。

 

 カルトは迫り来る爪を冷たく見据えていた。

 

「遅いね」

 

 扇子を素早く振るい、全く抵抗を感じさせずに爪を斬り落とす。

 

 スタグロウは半ば折れた鎌の右腕を鋭く突き出す。

 

 だが、カルトはその右腕も難なく斬り飛ばした。

 

「ぐっ、おおおおお!!」

 

 スタグロウは完全に余裕を失って、棘の生えた左腕を全力で薙ぐ。

 

 直撃したかと思われたカルトだが、幻影のように姿が掻き消された。

 

「き、消えた……!?」

 

「こっち」

 

 カルトはスタグロウの背後にいた。

 【肢曲】で背後に回り込んだのだ。

 

 ラミナ達との地獄の組手を乗り越えたカルトからすれば、スタグロウの攻撃など余裕を持って動ける。

 

「ぬぅ……! 童と思っていたが、武者の類であったかよい……!」

 

「違うよ。ボクは殺し屋。それとクモ」

 

「殺し屋だと……!? 童のような子供が?」

 

「生まれて数カ月の虫に言われたくないね」

 

 カルトは一切表情を変えずに言い放つ。

 

 扇子を閉じて口元に当て、小首を傾げる。

 

「ねぇ? 他に何かないの? そろそろ飽きてきちゃった」

 

「な、なんだと……?」

 

「お前達程度にラミナが負けるわけないよね……。ってことは、ここの女王より強い蟻がいるってことか。……あれ? それってラミナが見逃すほどの雑魚ってこと? じゃあ、女王も大したことないのかな……」

 

 カルトは完全にスタグロウへの興味を無くしていた。

 それよりも女王、そして今ラミナが追いかけている蟻の方へと興味を向け始めていた。

 

 スタグロウはそれを侮辱と捉えて、顔を怒りで歪める。

 

「おのれぇい! あっしだけでなく、姫様まで馬鹿にしよって!! もう容赦しないよよい!!」

 

 スタグロウは一気に天井まで跳び上がって天井を蹴り、左足の爪で蹴りかかる。

 

 カルトは小さくため息を吐いて、扇子を懐に仕舞う。

 そして、右腕を軽く横に振ると、袖からスラリと長さ2m、幅5cmほどの紙紐が現れる。

 

 紙紐の先は剣のように尖っていた。

 

「それがどうしたよい!? 紐や鞭程度でやられるあっしじゃねぇよよい!!」

 

 スタグロウは恐れることも怯むこともなく、カルトを切り裂くことに全身全霊をかける。

 

 しかし、カルトは絶対零度の瞳でスタグロウを見据えていた。

 

 ただ心冷たく紙紐にオーラを流し込む。

 垂れ下がっていた紙紐は、まさしく剣のようにピン!とまっすぐに張る。

 

 そして、音もなく一瞬でスタグロウに飛び掛かり、

 

 

「【紙之羽刃斬(かみのはばきり)】」

 

  

 冷たくその名を呟いて、すれ違いざまに右腕を振り抜く。

 

 スタグロウは勢いよく膝をついて着地し、少し遅れてカルトは静かに下り立って紙紐を袖の中に仕舞う。

 

 スタグロウはゆっくりと立ち上がる。

 

「……無念。されど、闘争の果てに死ぬは生物の本望だよい……。その相手が雅と粋の者ならば尚更だよい……」

 

 独り言のように呟くスタグロウ。

 

 そのスタグロウの身体を、縦に両断するように赤い線が走る。

 

「だが……ジャポンには………行ってみたかった……よい……」

 

 そして、スタグロウは左右に身体を割き、倒れ伏す。

 

「……ちょっと時間をかけ過ぎちゃったかな。とっとと女王を探しに行けばよかった」

 

 カルトは扇子を取り出し、口元に当てて後悔したかのようにボヤく。

 

 【紙之羽刃斬(かみのはばきり)】。

 

 キルア同様ラミナを意識して編み出した能力である。

 紙紐を【周】と【練】で強化して武器のように扱うだけのシンプルな能力だが、長さも自在で、鞭や槍などのように形を変えて操ることも出来る。

 

 カルトは歩き出して、先を目指すことにした。

 

 袖から旅団員の紙人形を取り出す。

 それぞれの声を聴いて、どうやら女王はフェイタンと戦っているようだと判断した。

 

「フェイタンが相手じゃ着く頃にはもう終わってるかも……」

 

 カルトはつまらなさそうに言いながら、廊下を歩く。

 

 20分ほど歩いていくと、マチが腕を組んで壁にもたれかかっていた。

 

「あれ?」

 

「遅かったね。もうアンタ以外はフェイのところに揃ってるよ」

 

「じゃあ、女王はもう殺しちゃった?」

 

「いや、まだ戦ってるよ。フェイの奴、随分と鈍ってるみたいでね。調子を戻すつもりで遊んでる。もうしばらくは楽しむつもりなんじゃないかい?」

 

「ふぅん……」

 

 マチとカルトは並んで歩き、先から飛んでくる殺気の元へと向かう。 

 

「女王って強いの?」

 

「アタシはチラッとしか見てないけど、そこそこ強そうに見えたね。女王を名乗るだけのことはありそうだった」

 

「ふぅん……」

 

「けど、フェイやアタシらの敵じゃないよ。アンタは少し手こずるかもしれないけど」

 

「……」

 

 カルトは不満げに眉間に皺を寄せる。

 マチはそれに気づきながらも、無視して話を続ける。

 

「さっさと片付けて団長のところに戻るか、ラミナの様子でも見に行こうかね。また蟻を見逃されたら面倒だし」

 

「王を狙う?」

 

「それもありかもね。ラミナに報酬を吹っ掛けられそうだし」

 

「ボクも付いて行っていい?」

 

「好きにしな……ん?」

 

 マチは前方からシャルナーク達が走ってくるのを目にして足を止め、カルトも足を止めて小首を傾げる。

 

 シャルナーク達もマチとカルトに気づいて、声をかける。

 

「お! やっと来たのか。2人も早く逃げた方がいいぞ!」

 

「どうしたのさ?」

 

「フェイタンがキレた。能力を使う気だ」

 

「別に見に行ってもいいけど、巻き込まれて死んでも知らねぇぞ」

 

 ボノレノフとフィンクスの言葉に、マチは納得の表情を浮かべてカルトの襟首を掴んで背負い、フィンクス達の後に続く。

 

「うわっ!? な、なにするの!?」

 

「フェイの能力は範囲が広い。しかも、キレて発動するから周りにアタシらがいても構わず全力でぶっ放すんだよ」

 

「前に見学しようとして、死にかけたんだよな」

 

「危うくあいつのせいでクモが全滅しかけたからな」

 

 マチの説明に、フィンクスとボノレノフも肩を竦めて補足する。

 それに未だにマチに担がれているカルトは尚更『見たい』と思うのだが、その時マチ達の後方、つまりカルトの正面から熱気を感じた。

 

 フィンクス達も振り返った瞬間、炎が通路を埋め尽くしながら猛烈な勢いで迫ってきた。

 

「火!?」

 

「ヤベェ! 来やがった!」

 

「あそこに飛び込め!!」

 

 運よく目の前の床に亀裂があり、マチ達は本気で急いでそこに飛び込んだ。

 

 その直後に炎が真上を通り過ぎる。

 

「ふぅー! あぶねぇあぶねぇ!」

 

「もう少し下に行こう。張り巡らされた糸に引火して、火が広がるかもしれない」

 

「だね。それにしても、フェイがキレるってなんか厄介な能力でも持ってたの?」

 

 マチはカルトを放り投げながら、シャルナークに訊ねる。

 

「フェイタンが女王の顔に一撃入れたら、女王がキレてトカゲみたいな顔とゴツイ身体になってさ。その瞬間にフェイタンが【硬】を使って剣で仕留めにいったんだけど……まさかのノーダメージ」

 

「フェイタンの【硬】でノーダメージ……!?」

 

 カルトは目を丸くして驚く。

 

「フェイタンも流石に動揺したみたいでさ。そこに女王が弱っちいながらオーラを飛ばして、結構なダメージが入っちゃったんだよ」

 

「それで動きが鈍って、更に追い込まれて左腕が折られたんだ。それでキレちまった」

 

「まぁ、それならしょうがないか」

 

 マチは腕を組んで呆れながらも、納得したように頷く。

 やや早足で移動していたマチ達だが、そこにカルトが何かに気づいて背後を振り返る。

 

 それにマチ達も足を止めて振り返ると、背後からゆったりと上半身裸のフェイタンが歩いてきていた。

 

「お。もう終わったのか?」

 

「すぐに燃料切れになたね。熱も弱めだたし。終わたら呆気(あけ)なかたよ」

 

 フェイタンは気怠げに肩を竦める。

 カルトは想像以上にボロボロのフェイタンに僅かに目を丸くしていた。

 

 マチも気怠げな雰囲気で腕を組み、シャルナークに顔を向ける。

 

「で? 女王とその取り巻きは倒したけど、他の蟻はどうする? 住民も蟻になってんでしょ?」

 

「女王は倒したんだし、今も新しい蟻が来ないところを見ると、生き残りがいても大した奴じゃないだろう。流石にそこまでは面倒見る必要はないよ。まぁ、異形になったっていう住民がどうなったか確認する必要はあるだろうけど」

 

「じゃ、依頼自体はこれで終わりだな」

 

「ああ」

 

 その後、マチ達は城の下に下りていく。

 

 すると途中で放心状態で茫然としている異形達を発見した。

 

「やはり女王が死んでも、身体はもう元に戻らねぇみてぇだな」

 

「女王の支配からは解放されてるみたいだけどね」

 

「ラミナの除念能力なら戻せるかもしれないけど、あの子はここに来れる状況じゃないし」

 

「流石に異形にするのは普通の能力じゃないんじゃない?」

 

「かもね」

 

 すると、一匹の異形が涙を流しながらフィンクス達に近づいてきた。

 

 そして、

 

「ゴ…ボ。ゴロジ……デ…ク……レ……」

 

 と、言ってきた。

 

 すると、他の異形達も立ち上がって、同じように『殺してくれ』と懇願する。

 

 それにフィンクスがビキリと額に青筋を浮かべる。

 

「嫌だね」

 

 右腕を上げて、ゆっくりと肩を回す。

 

「慈善で殺しなんざまっぴらだ。かかってこいよ、クソ共」

 

 その言葉に異形達はポカンとし、マチ達はフィンクスの意図を理解して顔を見合わせ、苦笑いを浮かべて肩を竦める。

 

「テメェら、腐ってもここの住人だろうが!! 最期まで根性見せやがれ!!!」

 

 フィンクスの叫びに、最初に声をかけた異形がニヤリと笑い、

 

「グルゥオオ!!」

 

 牙を剥き出しにしてフィンクスへと飛び掛かる。

 

 フィンクスも右拳にオーラを集中させて殴りかかる。

 

「派手に逝けやぁ!!」

 

 

 

 

 その1時間後。

 

 フィンクス達は街に戻っていた。

 

「爺さん達、今度は報復対象を本当の女王蟻まで広げるかどうかで揉めてやがった。ったく、付き合いきれねぇぜ」

 

「ま、その本当の女王はもう死んでるから、広げたところで意味はないんだけどな」

 

「で、これからどうするの? しばらくここに残るの?」

 

「まぁな。他にやることねぇしよ。またラミナがしくじって、ここに逃げ込まれたら面倒だしよ。ラミナの奴、よりによってあんな面倒な奴逃がしやがって……」

 

「そういえば、勝負はフェイタンの勝ちだな」

 

「「あ!!」」

 

 シャルナークの言葉に、フィンクスとカルトは思い出して声を上げる。

 

 フェイタンはニヤリと笑みを浮かべ、

 

「ラミナには治療費とかも含めて仕事を手伝てもらうね。フィンクスとカルトも来るか?」

 

「誰が行くかバァカ! それはカルトとした約束なんだよ!」

 

「ボクは別に構わないよ」

 

「まぁ、まずはラミナが仕事を終わらせないと意味ないけどね」

 

 マチは肩を竦めて、一番の問題点を挙げる。

 

 ラミナが空くにはどうやっても、王を倒さないといけないのだ。

 

「そうだな。もうしばらくはここでのんびりするとしよう。団長も今は動いてないみたいだしな」

 

 シャルナークは苦笑しながら言い、フィンクス、フェイタン、ボノレノフ、シャルナークは流星街に留まることにし、マチとカルトは一度ラミナの拠点に向かうことに決めた。

 

 

 

 そして、その団長のクロロは。

 

「クケケケケ……! 美味そうな人間見~っけ」

 

「……ほぅ」

 

 キメラアントと遭遇していたのだった。

 

 


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