暗殺者のうちが何でハンターにならなあかんねん   作:幻滅旅団

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#27 ヒサシブリ×ノ×オシゴト

 3日後。

 ラミナはサヘルタ合衆国の【ゼルンロサスシティ】にやってきていた。

 

 ゼルンロサスシティは、ヨークシンシティの反対側にある街。

 ヨークシンシティと同規模の街で、ゼルンロサスは映画やゲーム、アニメなどのエンターテインメント系企業が集結した観光名所である。

 

「さて……」

 

 サングラスをかけたラミナは中心街に出て、デッキカフェへと足を向ける。

 そこは斡旋所から指定されたカフェで、デッキの席に座ってコーヒーを注文する。

 

 コーヒーを飲んでいると、真後ろの席にハットを被ったスーツの男が座る。

 ハットを脱いだ時に、ハットが手から滑り落ちてラミナの足元に落ちる。

 

「ああ、すいません」

 

「構へんよ」

 

 ラミナはハットを拾い、男に手渡す。

 

「ありがとうございます」

 

 男は礼を言って、テーブルにハットを置く。

 コーヒーを飲み終えたラミナは代金とチップを置いて、席を立って店を出る。

 

 しばらく街をぶらついたラミナは、ポケットからメモ用紙を取り出す。

 そこには『221-3098-5172』と書かれていた。

 

 数字を覚えたラミナはメモ用紙を破り捨てて、ネットカフェに入る。

 あるサイトを開いたラミナは覚えていた数字を打ち込むと、画面に人の顔写真と名前や経歴が記載されていた。

 この人物が今回のターゲットだ。

 

 先ほどのハットを落とした男は、今回仕事を斡旋して貰った仲介所の職員でハットの内側にあのメモ用紙を挟んでいたのだ。

 そのメモに書かれた合言葉を仲介所の裏職員が管理しているサイトに打ち込むと、ターゲットの資料を一度だけ確認できる仕組みになっている。

 普通の暗殺者なら変装して会うのが普通だが、ラミナは見た目が派手なので、逆に素の姿が変装と思われる傾向にある。なので、ラミナは特に変装はしない。

 

「……マフィアンコミュニティーに喧嘩売ったんか……。アホやなぁ」

 

 今回のターゲットは新参マフィア『キタカバファミリー』の若頭。

 現在の主な収入源は、賭博と幻獣や希少生物の密輸。

 

 資料によると、どうやら十老頭を批判して新たなマフィアンコミュニティーの立ち上げを目論んでいるらしい。

 それを裏で隠れて進めるのではなく、堂々と公言して色んなマフィアファミリーに声を掛け回っているようだ。そんなことをして、十老頭が怒らないわけがない。

 しかし『新参者に自ら手を下すのも馬鹿らしい。だから、外部の暗殺者に頼む』ということになったらしい。

 

「……新参モンなら、そこまで強い奴はおらんか。さっさと済ませよか」

 

 顔、名前、住所などを確認したラミナはネットカフェを出て、また別のネットカフェに入る。

 次に使うのはハンターサイト。キタカバファミリーの情報を探し、構成員リストや所有しているビル、夜に滞在している屋敷などを確認していく。

 中にはなんと屋敷の見取り図まであり、ハンター達の情報量にラミナは関心を通り越して呆れてしまった。

 

「構成員は23人か……。ん?」

 

 構成員リストの中に用心棒の項目があり、2人ほど名前が記されていた。

 その内、1人が念能力者との情報が記載されている。

 写真の見た目はハンター試験にいたボドロと同年代の老練な男。情報によると若頭の親の代から用心棒をしているらしい。

 

「ふぅ~ん……」

 

 情報を確認したラミナは所有しているビルや屋敷の情報を印刷して、ネットカフェを後にする。

 そして、夜になるまで時間を潰すことにした。

 

 

 

 夜。

 ターゲットがいる屋敷を確認したラミナは、サングラスをして黒の手袋を両手に嵌める。

 ラミナは短刀とブロードソードを具現化し、短刀の能力で姿を消して屋敷の敷地内に潜入する。

 

 屋敷の入り口には見張り数人がおり、庭やすぐそばの道路は監視カメラで見張っているようだった。

 裏口近くにいた見張りの喉をブロードソードで素早く掻っ切って殺し、再び姿を消して屋敷の中に入る。

 

 屋敷内は監視カメラはないようだが、それでも構成員が頻繁に見回りを行っていた。

 

(……随分と警戒しとるな。こら、これまでも何回か暗殺されかけとるな)

 

 ラミナは細心の注意を払いながら、ターゲットを探す。

 この屋敷の見取り図は頭に入っているが、今現在どの部屋にいるかは分からない。また屋敷の見取り図もどこまで正確なのか不明ということもある。

 

 それにここまで厳重なら、用心棒の2人はターゲットの傍から離れることはまずないだろう。 

 念能力者もいるので、能力による待ち構えや【円】を使ってくる可能性もある。なので【凝】を使いながら2階に進む。

 

 その時、ラミナのすぐ横の壁から槍が突き出してきた。

 

 ラミナは仰け反って躱し、後ろに跳び下がる。

 

(ふむ? 【朧霞】は問題なく発動しとる。やのに、的確にうちを狙てきたな……)

 

 そう考えていると、壁が蹴り破られる。

 その穴から白髪オールバックに白口髭を生やし、茶色のシンプルな軍服を着た男が現れた。

 80歳くらいに見えるが、その出で立ちはまだまだ力強く覇気がある。纏う【纏】は静かだが力強く、それだけでも老練さが窺える。

 

 男は鋭い瞳で周囲を見渡す。

 

(……見えてへん、か。けど、勘っちゅう感じでもない)

 

 ラミナがそう判断してゆっくりと離れようとしたが、男の【纏】が一瞬で広がりラミナをその範囲に捉える。

 

「そこかぁ!!」

 

「ちぃ!」

 

 【円】でラミナの位置を把握した男が、素早く握っていた槍を突き出す。

 ラミナは舌打ちをして躱しながら短刀を消し、姿を見せる。

 

「……小娘ではないか。貴様のような者が暗殺者とはな」

 

「……護衛筆頭のロウ・ファンエンやな?」

 

「いかにも」

 

 ロウは槍を構えながら頷く。

 ラミナを小娘と嘲りながらも、その目には一切油断の色はなく、構えにも隙が無い。

 

「よううちの事が分かったなぁ。姿も見えへんし、音も出してへんのやけど」

 

「この屋敷の調度品の中に、念で具現化した物を紛れ込ませておる。それは【円】の役割を果たし、姿を隠していても見破ることが出来る」

 

「……なるほどなぁ。それがもう1人の護衛の能力か」

 

「……隠すだけ無駄か。その通りだ」

 

 ロウは僅かに眉間に皺を寄せて頷く。

 

 直後、勢いよくラミナに迫り、槍を突き出す。ラミナは半身になって躱し、【一瞬の鎌鼬(シルフィード・シックル)】を発動する。

 ロウは素早く後ろに下がり、高速の斬撃を頬や腕を掠る程度で躱す。

 その動きを見たラミナは左手にレイピアを具現化する。

 

「具現化系か!」

 

「しぃ!」

 

 ラミナは素早くレイピアを突き出して、【啄木鳥の啄ばみ(ピアス・ビーク)】を発動する。

 ロウは後ろではなく右に移動して躱すも、左肩に小さな風穴が空く。

 

「ぐっ! はぁっ!!」

 

「おっとぉ」

 

 ロウは槍先にオーラを集中させ、右手の中で槍を回転させながら片腕で勢いよく突き出す。

 ラミナは大きく後ろに跳んで躱す。

 

(反応もええし、【硬】も早い。片腕だけでも槍のスピードは速い。かなりのやり手やな)

 

 恐らくは強化系の使い手だろうとラミナは予想する。

 【堅】【周】【流】【硬】のオーラの流れがスムーズで、見事に尽きる。下手な能力など考えず、ただひたすらに基礎と応用だけを鍛えてきたのだろう。

 すでにそれだけでも十分な能力だと言える。

 

「まぁ、常人の範囲で……やけどな」

 

「なに?」

 

「いや、何でもないわ」

 

 ラミナは肩を竦めながら、右手のブロードソードをファルクス剣に変える。

 

「……一体いくつの武器を具現化できるのだ?」

 

「知る必要はないやろ。もう死ぬんやし」

 

 ラミナは一瞬【円】を発動する。

 ロウは距離を取ろうと後ろに下がるが、それは悪手だった。

 

「【狂い咲く紅薔薇(クレイジー・ローズ)】」

 

 ラミナがファルクスを横振りする。

 ロウはそれを訝しんだ直後、腹部と右肩に激痛が走り、口から血が噴き出す。

 

「がふっ!! な……なん……だと……!?」

 

 ロウは目を見開いて片膝をつきながら、激痛が走った個所に目を向ける。

 腹部からは大量の血が噴き出して、内臓も飛び出していた。そして右腕は肩から先が無く、下に目を向けると槍を握っている右腕が床に転がっていた。

 

「腹と右腕か。すまんなぁ。痛い思いさしてしもて」

 

 ラミナは不憫そうにロウを見ながら、軽く謝罪する。

 【クレイジー・ローズ】は斬る個所を指定できない。なので、ロウのように即死で殺せない場合がある。さらにはロウの力強い【堅】で威力がある程度落ちたことも、即死させられなかった原因の1つである。

 

「さいなら」

 

「っ!!?」

 

 ラミナは別れの言葉を言いながら、レイピアを突き出して【ピアス・ビーク】を発動する。

 ロウの額に風穴が空いて、ロウは大きく目を見開きながら後ろに倒れて息絶える。

 

 ラミナは小さく息を吐いて、ロウが出てきた壁の中に足を踏み入れる。

 中は書斎のようで大量の本が本棚に並べられている。執務机の上には書類が散在しており、そのことから先ほどまでターゲットがここにいたことが窺える。

 開け放たれているドアに目を向け、ため息を吐きながら【円】を発動する。

 

「……表に飛び出そうとしとるのが2人。ここに向かっとるんが12人……」

 

 前者が恐らくターゲットと残った護衛。後者は捨て駒にされた下っ端。

 ラミナは再び小さくため息を吐いて、ファルクスを振る。

 

『ぎゃあああ!?』

 

 廊下から悲鳴が上がる。

 ラミナは駆け出して廊下に飛び出し、道中倒れている構成員を無視して1階の正面玄関を目指す。

 

 正面玄関直前で倒れている人影を発見して、足を止める。

 それは首と胴体が離れている男の死体で、その傍には砕けた土偶が転がっていた。

 

「……ちっ、護衛の方か。……どうやって、うちの【クレイジー・ローズ】から逃げたんや? この土偶か?」

 

 【クレイジー・ローズ】は【円】の範囲に捉えた者全てを斬り裂く。

 ターゲットも捉えていたはずなので、ターゲットもどこかが斬られたはずだった。しかし、この死んだ護衛以外の死体は近くにはなく、血も男のもの以外は見当たらない。

 

「こいつの具現化したモンは、特定の人物の身代わりにもなるっちゅうところか。自分には適応されんのか、1人だけで精一杯やったんか……。身代わりの能力は放出系に属するから、1人が限界と考えるべきか」

 

 ラミナの【妖精の悪戯(チェンジリング)】もオーラで結んだものしか入れ替えられない。

 人の傷を入れ替える程になると、1人出来ただけでも見事なものだ。

 

「あ~……くそっ! こら、逃げられたか?」

 

 ラミナは顔を顰めながら、玄関へと向かう。

 無駄かもしれないが車のタイヤ痕でもあれば、まだ追うことが出来るかもしれない。

 

 しかし、

 

『た、頼む!! 命だけは助けてくれぇ!! もう十老頭には逆らわねぇ!!』

 

『だから、俺達は十老頭の刺客じゃねぇ。ハンターだって言ってんだろうが!!』

 

『とっとと密猟した動物達の居場所を教えやがれ!!』

 

「あ?」

 

 なにやら表が騒がしい。

 ラミナはファルクスを消して、短刀を具現化して【朧霞】を発動する。

 姿を消したラミナは出来る限り音と気配を消して、表を覗き込む。

 

 そこにはサングラスをかけて大きな煙管を担いだ男とリーゼントに白の長ランを着た男が、尻餅をついた若頭に詰め寄っていた。

 

(……同業者やなさそうやなぁ。さて、どうするか……)

 

 【纏】を使っているので、念能力者であることは分かっている。

 能力も分からないので、下手に姿を晒したくはない。しかし、このままターゲットが捕まっても困る。下手な情報が漏れて、ラミナの責任にされても困る。

 

「俺はシングルハンターのモラウだ。こっちはビーストハンターのナックル。お前が密猟した動物達を救出に来た! お前が大人しく動物達を返すなら、命は助けてやるぜ?」

 

 モラウが親指で自分を指しながら言い、ニカッ!と男気のある笑みを浮かべる。

 

「わ、分かった! 全部返すし、全部話す! だ、だから俺を守ってくれ!!」

 

「よぉし! 交渉成立だ! 今から俺達がお前をしっかり守ってやるぜ!」

 

 ドン!と胸を叩いて、断言するモラウ。

 その横でナックルは腕を組んで呆れている。

 

「師匠、いいんすか? そんな安請け合いして」

 

「いいに決まってんだろ! こいつがいねぇと動物達探し辛ぇんだよ。それにこいつらが使ってた密猟者共も捕まえねぇといけねぇしな!」

 

 モラウが親指を立てながら言い切る。

 その時、

 

「ぱぅっ!?」

 

「「!!」」

 

 若頭が側頭部を弾かれたように横に倒れる。その側頭部には小さな風穴が空いており、どう見ても即死だと分かる。

 ギュルンと白目を剥いて、頭から血を流して絶命する若頭。

 守ると言ったばかりのモラウとナックルは目を見開きながらも、素早く構えながら攻撃が飛んで来たと思われる方向を見る。

 

 そこにはレイピアを突き出している紅髪の女がいた。

 

 モラウとナックルがラミナの姿を捉えたと同時に、ラミナの姿が煙のように消えていく。

 

「っ!! 逃がすかっ!! 【紫煙拳(ディープパープル)】!!」 

 

「この野郎ぉ!!!」

 

 ナックルが弾けるように駆け出して、ラミナに殴りかかる。モラウは煙管を咥えて大きく息を吸い、口の中に煙を溜める。

 そして、一気に煙を吐き出すと、煙がまっすぐにラミナへと向かう。

 

 煙が到達する前に、ラミナの姿は完全に消える。

 

「逃がさねぇよ! ナックル、左だ!! 敷地外に向かってる!!」

 

「押忍!!」

 

(!! この煙、【円】か!!) 

 

 完璧に居場所を当てられて、ラミナは煙の特性を看破する。

 更にナックルの想像以上の足の速さに、ラミナは顔を顰める。

 

(しゃあないか!!)

 

 ラミナはレイピアを消して、刃渡り30cmほどのソードブレイカーを具現化する。

 そして、ソードブレイカーを振るい、姿を現しながら能力を発動する。

 

「【脆く儚い夢物語(フラジャイル・ホープ)】」

 

 ソードブレイカーが煙に触れた瞬間、煙に含まれていたオーラが霧散して、ただの煙に戻る。

 

「!?」

 

「なっ!?」

 

 モラウは目を見開き、ナックルも驚いて足を止める。ラミナの能力が理解出来なかったので、無理な追撃は危険と判断したのだ。

 ラミナはそのまま再び姿を消して、屋敷を離脱する。そして、そのまま飛行場を目指して地下鉄に飛び乗る。

 

「ふぅ……」

 

(まさか、あのタイミングでハンターが来るとはなぁ……。なんや最近、運悪いなぁ……)

 

 ため息を吐いたラミナはとりあえず仕事完了の連絡を送る。

 すぐに報酬の振り込みと後始末の請負の連絡があり、ラミナはホッとして気持ちを切り替える。

 

「……家、帰るか……。マチ姉を迎える準備もせなあかんし」

 

 ラミナはそう決めてカゴッシに向かう飛行機に乗る。

 姉との約束を果たす準備をするために。

 

 

 

 

 

 翌日。

 

 ゼルンロサスシティの倉庫で、ナックルは盛大に顔を顰めながら苛立たし気に密輸された動物達の調査をしていた。

 

「くそっ!」

 

「いい加減にしやがれ、ナックル。まだまだ調べることがあるんだぞ!」

 

「悔しくないんすか、師匠!? たった1人にいいようにやられて!」

 

「悔しいに決まってんだろ? だが、それは俺達が未熟だったってことだろうが。俺らが油断してたのが悪い。それにあのガキが暗殺者に狙われてることも調査で分かってたことだ」

 

「ぐ……!」

 

 モラウとナックルも、ハンターサイトでキタカバファミリーが十老頭に喧嘩売って狙われていることは調べていた。

 だから、夜であろうとも屋敷に突入したのだ。

 

 それより先にラミナが目的を達成しただけだ。

 相手が暗殺者であろうとも、ハンターが獲物を先に獲られた以上、未熟なのはハンターの方だ。

 

 現場主義のモラウはそう考えていた。

 

「それに面白ぇことも分かったぜ?」

 

「面白いこと?」

 

「あの女、今期受かった新人ハンターだ」

 

「はぁ!?」

 

「変装かもしれねぇと思ってたが、紅い髪の女で調べてたらよ。今期の新人の中にこいつがいた」

 

 モラウはニヤッと笑いながら、資料をナックルに投げ渡す。

 受け取ったナックルは、資料にプリントされた写真を見て目を見開く。

 

 そこに写っていたのは間違いなく昨日逃がした女だったからだ。

 

「暗殺者がハンターっすかぁ?」

 

「爺さんに聞いたらよ。今期はなんでも他にゾルディック家のガキも受かってるらしいぜ」

 

「ゾルディックって、あの暗殺一家っていう?」

 

「ああ。つまり、今期は暗殺者が2人も受かったってことらしいぜ。がっはっはっは!!」

 

「いいんすか? それって」

 

「よくはねぇだろうな。だが、あいつが殺し屋だって証拠はなかったからな。俺達の目撃証言だけじゃダメだろう。夜で、しかも俺の煙で見えにくかった部分もあるし、あいつの能力なんだろうが姿が朧気だったから本物なのかどうかも分からん」

 

「それは……」

 

 モラウの言う通り、ラミナが殺したという証拠は一切残っていない。監視カメラにも映像は残っていなかった。

 そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そこが念能力の厄介なところだった。

 

「じゃあ、このまま泣き寝入りっすか?」

 

「いや? 面白い事を思いついた」

 

「面白い事?」

 

「こいつを次の仕事に誘う」

 

「はぁ!?」

 

 ナックルは口をあんぐり開けて驚く。

 

「こいつがどんな奴か実際に向き合ってみて、クズだったら叩き潰せばいい。面白い奴だったら、それはそれでいい。それが一番すっきりするだろ?」

 

「……そりゃそうっすけど……」

 

「別に嫌だったら、お前は別に来なくてもいいぜ! 俺が会いてぇだけだからな!」

 

 モラウの言葉にナックルは呆れるしかなかった。

 

 

 ラミナはまた新しい厄介者に目を付けられたのだった。

 

 

 


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