暗殺者のうちが何でハンターにならなあかんねん   作:幻滅旅団

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京都アニメーション第一スタジオ・スタッフの皆様。

一日も早い回復をお祈り致します。
……熱傷ですので、重傷と判断された方はこれからが山場でしょう。
これまで世界中の人の人生を彩ってきてくれた皆様が救われないで、誰が救われるのでしょうか。
私に出来る事はただただ皆様の回復をお祈りすることだけな事実が、とても悔しいです。
頑張れ!!

そして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。


なんで平静以降最悪の火災事件が、この方々なのでしょうね?
あれだけ人に感動や人生観を与えてくれた方々が、殺される理由など絶対にないはずです。
しかし、だからこそ、犯人を憎むより、京アニの皆様や作品を応援し続けることに全力を捧げたいと思います。

京アニさん、頑張れ!!


#44 モドル×カ×ノコル

 クラピカはやりきれない怒りと大きな虚無感の両方に襲われていた。

 

 その手には、仲間の【緋の眼】が入ったケースが抱えられている。

 

『ゾルディックが旅団のリーダーを始末した。残党も続々と死体が見つかっており、競売は始まっている』

 

 そんな情報が入ってきた時は、全く信じられなかった。

 しかし、現場に駆け付けると、黒髪の青年が血だらけのボロボロの姿で、瓦礫にもたれかかって死んでいた。

 周囲ではマフィアの構成員が血の採取や顔の写真を撮っていたりしていた。

 

 クラピカはそれをどのような感情で見つめればいいのか分からなかったが、旅団のリーダーが死んだのは認めざるを得ないのだと理解させられた。

 更に手配書に載っていた旅団員の死体も見つかったという情報も、構成員から聞いた。

 

 そっちも確かめたかったが、競売が始まっているという事実も無視出来なかった。

 今日の競売では【緋の眼】が出ることが分かっているからだ。

 

 クラピカは会場に飛び込むと、丁度【緋の眼】が競りにかけられたところだった。何とか競り落とすことに成功したが、それでもクラピカには全く達成感はなかった。

 

(これで旅団も死んだも同然で、仲間の眼も手が届く場所に来た……。なのに……何故こんなにも虚しさがこみ上げてくる?)

 

 自分の手で殺せなかったからなのか。死ぬ瞬間を見られなかったからなのか。

 仲間を殺した自分をどう思っているのか聞けなかったからなのか。クルタ族を殺した時にどう思っていたのかを聞けなかったからなのか。

 仲間の眼をどこに売ったのか聞けなかったからなのか。

 何故クルタ族を狙ったのか、本人の口から聞けなかったからなのか。

 

 様々な推測を自分自身に問いかけるも、どれも当たってはいるが、どこも違うという思いもある。

 

「……ラミナ……」

 

 思わず口に呟いてしまう。

 共にハンター試験を乗り切った友でもあり、旅団と家族のような関係だった。

 

(私は……ラミナの家族を奪った、ということか……)

 

 厳密にはマフィアとゾルディックだが、クラピカも関わっているし、ウボォーギンを殺したのは間違いない。

 そうなると、今度はクラピカがラミナにとって間違いなく仇になったことになる。

 

 それをゴン達から聞いた時には、それでも止まれないと思った。

 しかし、実際に旅団がほぼ壊滅した状況を目の当たりにすると、その事実が重く圧し掛かってきた。

 

 クラピカはネオンが運び込まれた病院に向かい、ネオンに【緋の眼】を渡す。

 その後、仲間から少し休むように言われ、クラピカはその場を後にする。

 

 そして、屋上に上がり、携帯を取り出して電話を掛ける。

 

『……クラピカ!?』 

 

「……ああ。旅団を止めたいと言っていたな。その必要はなくなったよ。クモは……死んだ」

 

『!? えっ! クラ――』

 

 電話を切ったクラピカは、そのまま電源を切って、少しの間夜空を見上げるのであった。

 

 

 

 ゴンはすぐさまかけ直したが、電源が切られて通じることはなかった。

 

「駄目だ、繋がんない。電源切られちゃった……」

 

「なんて?」

 

「……旅団が死んだって……」

 

「!? ホントかよ!?」

 

「ってことは、リーダーがやられたってことか……」

 

 キルアが目を見開き、レオリオが眉間に皺を寄せる。

 そこにもう1人、静かに聞いていた元贋作製作者で現在目利きを生業にしている男、ゼパイルが首を傾げる。

 

「ヤバイ奴らなんだろ? いいことなんじゃねぇのか?」

 

「……仲間が旅団と親しい間柄なんだ。家族みたいだって言ってた」

 

「……そうか」

 

「確かに旅団は悪い奴らだけど……その仲間は旅団が出来る前からの付き合いだったから……。それを思うと、一概に死んでよかったとは言えないよ……」

 

「……そうだな。これでラミナにとったら、クラピカが仇になったってことだな」

 

 レオリオが悩まし気に唸りながら、缶ビールを傾ける。

 キルアは携帯を取り出して、電話を掛ける。

 

「ラミナ?」

 

「ああ。…………駄目だ。やっぱ出ない」

 

 しかし、ラミナは電話に出ない。

 キルアは顔を顰めて、ゴンに顔を向ける。

 

「どうするんだ?」

 

「……明日、2人にメールしてみよう。公園で会えないかって」

 

「本気か? 下手したら、その場で殺し合いだぜ?」

 

「でも、会わないとお互いのことが分からないよ」

 

「それは……まぁ、そうだけど……」

 

「それにクラピカの言い方も気になるんだ」

 

「言い方?」

 

「うん……。『死んだ』って言ってたけど……。クラピカが殺したなら、『殺した』って言うと思うんだ」

 

「……確かにクラピカなら、そこを誤魔化すのは変だな。ってことは、殺したのは別の奴ってことか……」

 

 レオリオが悩まし気に腕を組む。

 キルアも顎に手を当てて、考え込む。

 

(あいつらに捕まってラミナに会った時、あいつらは『殺すのはマズイ』って言っていた。何故だ? 俺達みたいなガキを殺して、何の問題がある?)

 

 捕まった時の旅団とラミナの会話を必死に思い出すキルア。

 あの時は逃げ出すことに必死だったが、今考えれば内容が些かおかしかったことに気づく。

 

(……マフィアンコミュニティーに喧嘩を売ったあいつらが、団員でもないラミナの言葉に全員が従うのは変だ。ってことはリーダーも俺達を殺すのはマズイってラミナの考えを支持したってことになる……。……待てよ。あいつらは俺の事を知っていた。ってことは、俺を殺せば親父達が動くと思ってたから? そして、クラピカ以外に旅団を殺せて、マフィアが依頼を出すとしたら……!)

 

 キルアは答えに辿り着く。

 

「……旅団のリーダーを殺したのは、親父かもしれない」

 

「「え?」」

 

 ゴンとレオリオがキルアに顔を向ける。

 

「マフィアは旅団1人に20億も懸賞金を出した。けど、だからって自分達も動かないわけがない。だから、プロを呼んでいた可能性がある。A級首の旅団に万全を期すなら、同じくらいの奴をぶつけるしかない」

 

「そこで殺しのプロなら有名なゾルディック家にマフィアンコミュニティーが依頼を出した……!」

 

「親父も旅団相手なら、兄貴や爺ちゃんを連れてきてたかもしれない。なら、可能性はある。そのことをラミナが前もって知ってたのだとしたら、俺とゴンを殺さないように旅団を説得して、連中が受け入れたのも納得出来る」

 

「キルアを殺せば、ゾルディックに戦争を仕掛けたことになっちまうからな……」

 

「けど、結果的にリーダーは殺されちゃったけど……」

 

「そこは……どうやって戦ったのか分かんないから何とも言えないけどさ。けど、もしそうだったらラミナが動いてないのが気になる」

 

 来ると分かっている相手をみすみす見逃すとは思えない。

 シルバ達全員を相手にするのは無理だとしても、誰か1人の足止めをするだけでもラミナならば十分可能なはずだとキルアは考える。

 しかし、クラピカの話の中にはラミナの名前は出てこなかった。ならば、ラミナはどこにいたのか。

 

「アジトに行ってみる?」

 

「馬鹿言うなよ!? 今、行ったらノブナガに何されるか分かんないぜ!? それにラミナだって、どんな精神状態か分かんないんだ。下手したらクラピカへの人質にされて、最悪の事態を招きかねない」

 

「うぅ……」

 

「だから、アジトに行くのだけは無しだ」

 

「明日公園で待ち合わせるのは構わないと思う。けど、クラピカとラミナにはお互いが来ることは伝えないほうがいい。まず来るかどうか分かんないけどさ」

 

「うん……でも、何もしないのも嫌だし。連絡するよ」

 

「ああ」

 

 ゴンとキルア、レオリオは2人に連絡を取ることを決める。

 

「……キルアの親父がゾルディック? 暗殺一家の……? マジか?」

 

 と、衝撃を受けているゼパイルを放置して。

 

 

 

 

 旅団アジト。

 

 右手に【盗賊の極意】を持ったクロロが、目の前に小さく纏まった布を置く。

 すると、小さな布が蠢き出して大きくなり、数秒後には目の前に大量の木箱が並らんでいた。

 

「よし」

 

 クロロが本を閉じて、風呂敷を消す。

 風呂敷は陰獣の梟の能力で、具現化した風呂敷に包んだものを小さくして運ぶことが出来る。

 

「これで残るは明日の競売だけか」

 

「ワタシ達の死体も置いてきたし、マフィアは油断してるはずね」

 

 フィンクスは蝶ネクタイを緩めながら言い、木箱の上に飛び乗ったフェイタンが気楽そうに言う。

 その横でノブナガとマチが不満げに顔を顰めていた。

 

 ノブナガはゴンとキルアにまんまと逃げられたから。

 マチはもちろんラミナについてである。

 

「団長、ラミナは?」

 

「今ここに向かってるはずだ」

 

「なんでヒソカのこと、教えてくれなかったのさ」

 

「全くだぜ。1人で行って、結局逃がしちまったんだろ?」

 

 マチの苦情にフィンクスも同意する。

 もっともフィンクスはラミナの失態を強調するような言い方だったが。

 

 クロロは競売を終えた直後、マチ達にヒソカの裏切りとその処分にラミナが行っていることを説明した。

 マチがすぐさま飛び出そうとしたが、すでに戦闘は終わっていること、ヒソカは逃げてラミナはアジトに向かっていることを説明し、今はアジトに戻ることを優先すると命令を下したのだ。

 マチは盛大に顔を顰めて納得してなかったが、クロロの命令なので渋々大人しくアジトまで引き上げたのだ。

 

 まだ捕らわれているはずのキルアに()()()()()()()つもりで。

 

 しかし、戻ってみれば不満げなノブナガがおり、ゴンとキルアが逃亡したということで八つ当たりの矛先がなくなり、更にストレスが溜まるのだった。

 ノブナガもヒソカとラミナの事を聞き、マチ同様不貞腐れていたのだった。

 

 他の者達はそんな2人を見て、苦笑したり呆れたりの反応で、とりあえず打ち上げの準備をしながらラミナの到着を待つのであった。

 

 クロロはいつもの服に着替えて、木箱に腰掛ける。

 そこにシズクがクロロに声を掛ける。

 

「団長、これからどうするんですか? ヒソカを探すんですか?」

 

「どんどん探す奴が増えていくな」

 

 フランクリンが増える標的に呆れる。

 シャルナークも僅かに眉間に皺を寄せながら頷く。

 

「いや、ヒソカに関しては警戒はするが、今は無視する。お宝もまだ残ってるしな」

 

 クロロは首を横に振り、仕事に集中することを告げる。

 それにマチは不満そうにするが、仕事も重要なので文句は口にしなかった。不機嫌オーラは全開だったが。

 

「マチ、俺は別にヒソカを許せなんて言っていない。仕事が終われば、好きにすればいい。それにこれでラミナを堂々と団員に出来るんだぞ?」

 

「悪いけど、その話はしばらく無しや」

 

 頬から血を流し、右手で左脇を押さえているラミナが現れる。

 全員がラミナに視線を向け、ボロボロのラミナを見て、様々な反応を見せる。

 

「なんだよ。ホントに結構やられてんじゃねぇか」

 

「大丈夫か?」

 

「1人でいいとこ取りするからね」

 

「本当に大丈夫なの?」

 

 フィンクスが想像以上のボロボロ具合に僅かに驚き、シャルナークとパクノダが近づきながら声を掛け、フェイタンが少し嫌味を言う。

 ラミナは僅かに顔を顰めて、右手を上げてシャルナーク達を止め、クロロに歩み寄る。

 

「大分やられたな」

 

「まぁ、クソでも団員を名乗るだけの奴やったっちゅうことやな。甘く見とったんも、うちの実力が足りんかったんも否定はせん。奥の手も月の眼も使うたけど、仕留めきれんかったからな」

 

「ほぉ……」

 

「電話でも言うたけど、ヒソカの右手は斬り落としたし、右肩に穴空けたけどな。あいつの能力的にはまだ油断は出来ん」

 

「そうか」

 

「せやから、依頼は失敗。報酬の金と『4』の数字は貰えん」

 

「ちょっとラミナ」

 

「これは依頼を受けた殺し屋としてのプライドや。マチ姉でも譲れん」

 

 はっきりと言い放つラミナに、マチは腕を組んで顔を顰める。

 

「なら、『11』は?」

 

 クロロがラミナに問いかける。

 それはウボォーギンが死んだことが確定したことを告げる内容であり、未だ納得が出来ていないノブナガは跳ね上がる様に立ち上がる。

 

「待てよ、団長! まだ――」

 

「ウボォーは死んだ。これは間違いない」

 

「あぁ!?」

 

「ノストラードの娘の100%当たる占いで、それがはっきりと書かれていた。俺も、ラミナもな」

 

『!!』

 

 クロロはラミナを見つめながら、ノブナガに告げる。

 その内容にノブナガはもちろん、マチ達も僅かに目を見開く。

 さらに、

 

「そして、鎖野郎の正体も分かった」

 

『!!』

 

 流石にこれには全員が驚きを隠せなかった。

 

「……ホントかよ?」

 

「ああ。正確には俺じゃなくて、ラミナが知ってたんだがな」

 

「……ラミナ。どういうことだ?」

 

「ちょっとノブナガ」

 

「うるせぇ!! どういうことだって聞いてんだよ!!」

 

 ノブナガが鋭い目でラミナを睨む。

 マチがラミナを庇う様に立つが、ノブナガはマチを押しのけてラミナに詰め寄る。

 ラミナはまっすぐノブナガと目を合わせて、

 

「……確信を持ったんはその占いを見たからや。それまではまだ疑念の段階やった。それにそいつの情報も随時探しとったけど、見つからんかったしな。そいつと鎖野郎を結び付けるだけの確証がなかった」

 

「っ!! 誰だ? 全部話せ。鎖野郎のこと!! おめぇが知ってること全部だ!!」

 

「わぁっとる。やから、ちょいと落ち着かんかい」

 

「っ! いいから、さっさと――!」

 

「ノブナガ!! いい加減にしな!」

 

「ノブナガ。ラミナは怪我してるし、今日1日動きっぱなしなんだぞ!」

 

 ラミナは木箱に腰掛けながら、ノブナガを宥める。

 ノブナガは掴みかかろうとするが、マチとシャルナークが両肩を掴んで諫める。

 ノブナガはラミナの姿と、僅かに呼吸が乱れていることに気づいて、流石に少し冷静になる。

 マチはラミナをいつでも庇えるようにラミナの傍に立つ。

 

「……ちっ」

 

「……はぁ。ラミナ、話せるか?」

 

「問題ない。限界になったら、後はパク姉に任せるわ」

 

 シャルナークの言葉に、ラミナは苦笑しながら答えて、そしてゆっくりと話し始める。

 

「鎖野郎の名前はクラピカ。クルタ族の生き残りや」

 

「クルタ族……。目が赤くなる連中ね?」

 

「つまり鎖野郎の目的は復讐ってことか」

 

 パクノダとシャルナークが顎に手を当てながら言う。

 

「それと仲間の眼の回収も、やろうな」

 

「いつ、どこで出会った?」

 

 ノブナガは変わらず鋭い声で訊ねる。

 マチも目を鋭くするが、ラミナが腰を軽く叩いて宥める。

 

「会ったんは、ハンター試験や」

 

「あ? ちょっと待て。ハンター試験ってことは……」

 

「もちろんヒソカも知っとる。それにノブナガが逃がしたゴンとキルアもな」

 

「ちょっと待ちな。ヒソカはともかく、あのガキ共はパクが一度調べたはずだよ?」

 

 フランクリンが首を傾げ、ラミナがゴン達の名前を告げる。

 それには流石のノブナガやマチも目を見開いて驚き、マチが振り返って問いかける。

 

「知らんかっただけやろうな。クラピカはハンター試験の時は念の事は知らんかった。やから、うちらの前では鎖を見せたことはない」

 

「なるほどね」

 

 パクノダが分からなかった理由に納得する。

 マチは自分の勘が外れてなかったことに、舌打ちをして逃がしたことを後悔する。

 

「ハンター試験に受かった後のゾルディック家滞在が終わった時にも、そいつはおってな。その時にヒソカがそいつにクモがヨークシンで集まる事を話したことが分かった」

 

「なんで、その時に言わなかたか?」

 

「オーラも扱えん復讐者なんざ伝えたところで、お前らは警戒したんか?」

 

「するわけないな」

 

 ボノレノフがラミナの言葉に同意するように頷く。

 他の者達も確かに念も使えない者が復讐を狙っていると言われても、「日常茶飯事だ」と言うだけで気にも留めなかっただろうと納得する。

 

「言うとくけど、天空闘技場でマチ姉に会うた時にクロロにはヒソカに関しては伝えとるで? クラピカについても可能性についてだけは伝えとる」

 

「は? いつ?」

 

「マチ姉がシャワー浴びとった時。けど、あの時はマチ姉がヒソカに伝言を伝える前やったし、ヒソカの狙いがクロロと戦うことやと思っとった。それを裏切り者と言えるかどうかは微妙やった」

 

「俺はそこで『ヨークシンでのサポートと、ヒソカを監視し、もし旅団に害するならば殺せ』と依頼した。そして、それはマチはもちろん誰にも言うなと命令した。ラミナも言っていたが、その時は鎖野郎もヒソカも仕事の障害になるかどうか分からなかったからな」

 

「なるほど……」

 

 ラミナとクロロの説明にシャルナークが頷き、他の者も納得の表情を浮かべる。

 

「んで……ヨークシンに来てからはずっとクラピカを探しとったんやけど……新人ハンターの情報なんてハンターサイトであっても少ないし、マフィアに入っとったみたいやから、更に情報は中々出んかった」

 

「ヒソカが裏切り者だと分かったのは?」

 

「……ウボォーが攫われた直後、ヒソカがここを離れてクラピカと密会した。クロロからヒソカが動いたことを聞いて、密会できそうな場所を推測して行ってみたら運よく当たりやった」

 

「そこで鎖野郎だって分からなかったの?」

 

「周囲に人がおらんかったから、下手に視線を向けるとバレそうやったんよ。やから、その時はクラピカの鎖の事は気づけんかった。バレてヒソカと手を組んで攻められたら逃げれるか判断出来んかったんもある。……ここで見抜けんかったんは間違いなくうちのミスや。もし、その時に気づけとったらウボォーを1人で行かせることはさせんかったやろな。……納得出来んのやったら構わん。好きにせぇ」

 

 ラミナはノブナガをまっすぐ見て、自身の責任を認めて、はっきりと言い放つ。

 ノブナガは無表情でラミナを見つめる。しかし、すぐに目を伏せて、その場に座る。

 

「お前がウボォーを殺したわけじゃねぇ。仇でもねぇ奴を殺しても意味ねぇだろうが……」

 

「……すまん」

 

「バァロー。謝んじゃねぇよ。少なくとも今の話からお前が出来る限りのことはしたってことくれぇ、俺でもわかる。俺達だってウボォーが捕まってた場所に行ったのに、連中を逃がしたしな」

 

「まぁ、原因はウボォーだがな」

 

 フィンクスが茶化すように言う。

 ノブナガは顔を顰めるが事実なので何も言わなかった。

 

「んで……仕事の準備とウボォーやクラピカの捜索を続けとったところに、ゴンとキルアが捕まりよった。マチ姉の勘を聞いた時も、クラピカの可能性が高いとは思っとったけど、結局確証がないんは変わらんかった。あの時はキルアを殺されるわけにはいかんかったし、ヒソカがあそこで暴れれば、ヒソカを殺すことが出来ても、パク姉やコルトピ、そしてキルアが殺される可能性もあったでな。そうなれば仕事どころやない。仕事の邪魔までする気配はなかったから、下手に刺激も出来んかった」

 

「なるほどな。確かに戦闘が苦手なコルトピ、パクノダを道連れにされていたら仕事に影響が出ていただろうな」

 

「「ちっ……」」

 

 クロロがラミナの判断を支持し、フェイタンとフィンクスが舌打ちする。

 

「後は……クロロの付き添いで仕事を手伝う中で、クロロがノストラードの娘から占い能力を盗んで、うちも占ってもらった。その結果がこれや」

 

 ラミナは懐から紙を取り出して、マチに手渡す。

 マチは紙を広げて、中身を見る。ノブナガやパクノダ、シャルナークも覗き込む。

 

「これ、どう読めばいいの?」

 

「占いは4~5つの4行詩で構成され、その月の週ごとに起こることを予言している。今は一番最初の詩だな。ちなみに俺の占いはこれだ」

 

 クロロが説明して手帳を差し出す。シャルナークが手帳を受け取り、マチ達と共に改めて予言を読む。

 

「……クロロとうちの占いを合わせた結果、鎖野郎がクラピカやっちゅうことが分かった。そんで……その占いにある通り、『偽りの数字』であるヒソカを殺しに行ったんや。ムカつくんは……『血塗る』っちゅうんが、殺すことやなかったことやな……」

 

「なるほどな」

 

「でや、クロロ」

 

「なんだ?」

 

「まだ『11』もいらん」

 

 ラミナははっきりとクロロに言い放つ。

 それはつまり、まだ旅団に入るつもりはないとのことだ。

 

「ラミナ?」

 

「『4』に関してはヒソカを殺しとらんのに受け取れるわけない。『11』に関しては、まだクラピカがどうウボォーを殺したんか分かっとらんし、ミスを挽回出来とらん。このままウボォーのお下がり貰ても、うちが納得出来ん。うちのプライドが許さん……!」

 

 ラミナは殺気を放出して断言する。

 その言葉にマチは小さくため息を吐いて、シャルナーク達は苦笑する。

 クロロは小さくため息を吐くが、その顔には小さく笑みが浮かんでいる。

 

「クラピカ……鎖野郎を探し出す。そんで落とし前をつける……!」

 

 ラミナは誓う様に宣言する。

 

 遂にラミナの切っ先が、クラピカへと向けられる。  

 

 

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