暗殺者のうちが何でハンターにならなあかんねん   作:幻滅旅団

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#57 アラタ×ナ×モクテキ

 カゴッシシティを出発して、早2週間が経過した。

 10月に入り、遂に占いも全く役に立たなくなった。

 そして、ヒントも全くないので進みは遅かった。

 

『で、今どの辺なの?』

 

「サヘルタ合衆国の真ん中ちょい東にある【アンシャイシティ】の近く」

 

『……微妙…だね』

 

「せやな」

 

『で、今は何してるの?』

 

「山狩り」

 

『は?』

 

「やから、山狩り」

 

 ラミナ、クロロ、カルトは今、山の中を歩き回っていた。

 

『……なんで?』

 

「そら、東方向に山があったからやろ」

 

 もちろん3人は大真面目に除念師探しをしている。

 ヨークシンシティから真東に向かうと、この山にぶつかったのだ。

 山小屋などある可能性もあるので、ラミナ達はたった3人で山を捜索していた。

 

 流石にラミナはブーツにカーゴパンツスタイルに戻っており、クロロも山登りスタイルの服装で雰囲気を出して楽しんでいた。

 もちろんカルトは着物である。

 

『そんなところにホントにいるの?』

 

「さぁ? そもそも直接除念師が見つかるんかも分からんしなぁ」

 

 『実在する幻』という言葉の正体も分からないままだ。

 なので、見つかるのが除念師なのか、それに繋がるヒントなのか、全く関係ないものかもしれない。

 ただひたすらに見聞きしたものを精査するしかないのだ。

 

「そっちのゲームはどうなったんや?」

 

『なんかシャルナークが見つけたみたいでさ。今、なんか調べもの始めてる』

 

「調べもの?」

 

『ゲームは現実世界で行われてる可能性が高いんだって。つまり、始めるときに体が消えたのはゲームの中に入ってるんじゃなくて、別の場所にワープさせてただけらしいよ』

 

「……あ~……納得。ゲームの中に体ごと入るっちゅうんが、妙に違和感感じとったんよ。ワープ装置なんやったら分かるわ」

 

『で、今、その場所を調べてるみたいだよ。どっかの島らしいってさ』

 

「島、なぁ。……ん?」

 

 ラミナは何かが頭に引っかかった。

 

『どうしたの?』

 

「……いや、なんでもない。まぁ、とりあえず、こっちは元気にハイキングしとるで」

 

『……それはそれでムカつくけどさ。まぁ、元気ならそれでいいよ』

 

「おう。また進展あったら電話するわ」

 

『了解。団長によろしく』

 

「おう」

 

 マチとの通話を終えて、携帯をしまう。

 そして、少し離れたところで捜索という名目でのハイキングをしているクロロとカルトの元に戻る。

 

「なんかあったか?」

 

「あるように見えたか?」

 

「なぁんも」

 

「人の気配は全くないね、この山」

 

「人が歩いた形跡も見当たらんからなぁ」

 

「ハズレのようだな」

 

 クロロは苦笑して肩を竦める。

 カルトもラミナも頷いて、下山することに決めた。

 

「そういえば、ゲームとか島とか言ってたが、何のことだ?」

 

「ん? ああ、今シャルやフィンクス達が遊んどるゲームや。グリードアイランドっちゅうオークションに出されとった奴」

 

「ああ……あれか……」

 

「でな、そのゲームが仮想世界やなくて、現実世界のどっかの島で行われとる可能性が高いんやと」

 

「……ほう」

 

 クロロが足を止めて、ラミナに振り返る。

 その反応にラミナも頷く。

 カルトだけが理解出来ずに首を傾げる。

 

「それがどうかしたの?」

 

「……『実在する幻』、か」

 

「その可能性が高そうやな」

 

「あ……!」

 

 カルトも2人の考えていることが分かり、目を見開く。

 

 現実世界で行われているかもしれないゲーム『グリードアイランド』。

 

 仮想世界で行われていると考えられていたものが、実は現実世界で行われていた。

 

 まさしく『実在する幻』である。

 

「島っちゅうことやから、地図には載っとらんはずや。しかも邪魔者が入らんように、普通では流れつかんような場所」

 

「そうだな。街で調べよう」

 

「ついでにグリードアイランドも探しとこか。ゾルディック家は持っとらんのか?」

 

「……ないと思う。ミルキ兄さんがこの前のオークションでわざわざ狙ってたし」

 

「ふぅん……。オークションに出とったんはバッテラっちゅう大富豪が全部競り落としたしなぁ。その1個はフィンクス達が盗んだから、今はもうバッテラの拠点のどっかにプレイヤー集めて始めとるやろうなぁ。マチ姉の話やと、オーラで動くから電源も関係ないらしいで?」

 

「ふむ……。ということは、闇市とかで出回ってる可能性はあるな。プレイヤーが行方不明扱いにされていたら、貸家とかならば持ちモノを回収されてるかもしれん。電源なく動く不気味なゲームなら、裏で売られていてもおかしくはない」

 

「それでも果てしない作業やなぁ」

 

 ラミナはうんざりした顔で言う。

 真偽の確認だけでもとてつもなく面倒な作業であるのは間違いない。

 

「まぁ、グリードアイランドに関しては、まず島を見つけ出してからでもいいだろう」

 

 クロロはそう言って方針を立てる。

 ラミナとカルトはそれに否はないので、頷いて山を下りる。

 

 そして、車に戻って、近くの街に向かう。

 ネットカフェを見つけて中に入り、クロロとラミナでパソコンを開く。

 

「ハンターサイトならヨルビアン大陸の東海域にある全ての島が載ってるはずだ」

 

「後は海流、潮流のデータやな」

 

「ああ」

 

 クロロが海域の地図を開き、ラミナが同じ海域の潮流のデータを出す。

 パソコンを並べて、地図と見比べながらデータを動かしていく。

 

「……ん~……怪しいんが何か所か……」

 

「…………待て。ここは?」

 

 クロロが指差した場所には島がある情報はない。

 しかし、潮流にしては少し不自然な流れがあることを示していた。

 

「……確かになんか障害物がある感じやな。それを無理矢理誤魔化しとる感じや」

 

「それもかなり大きい。さっき候補に挙げた島の数倍はあるかもな」

 

「……当たりかもな。もしここに島があれば、自然に船とかが流れつくことは絶対にない。しかも、ヨークシンの真東」

 

「グリードアイランドは未だにクリアされていない。もし本当に現実世界で行われているなら、それなりの広さがいるはずだ」

 

「まぁ、そうやないと人で溢れるだけやもんな」

 

「でも、なんで地図に出ないの? ハンターサイトの地図なんでしょ?」

 

 カルトが首を傾げながら尋ねる。

 

「グリードアイランドは本来ハンター専用ゲームだ。だから、プロハンターが作った可能性がある。ならば、ハンターサイトに情報が載らない裏技を知っていてもおかしくないな」

 

「さて、そうなると……アカルル王国まで行かなあかんか。車では問題なく行けるな。船はそこで手配するとして……」

 

 ラミナはアカルル王国までの道を確認する。

 さらに情報屋サイトを覗いて、気になる情報がないか確認する。

 

「……っ!」

 

 ラミナはある情報を見つけて、目を鋭くする。

 それにクロロが気づいた。

 

「どうした?」

 

「うちの情報に懸賞金が懸けられとる。懸けられたのは2日前。……まだクロロとカルトの事はバレてへんか。けど、時間の問題やな」

 

「誰が金を出している?」

 

「……タラチュネラファミリー。アカルル王国とバルトア共和国の間にある【コキシメ王国】の首都を裏で牛耳る大マフィアやな」

 

「ほう……。なぜ、そいつらが?」

 

「……【アラクネー】」

 

「アラクネー?」

 

 カルトが首を傾げる。

 

「かなり有名な殺し屋や。本名は『パスイダ・タラチュネラ』。タラチュネラ家の長女やったはずや」

 

「マフィアの娘が殺し屋なのか?」

 

「長女やけど、愛人の娘らしくてな。やから、家の汚れ仕事を仕切っとるっちゅう話や」

 

「強いの?」

 

「かなりの使い手やな。もしヨークシンに来とったら、仕事はかなり苦労したやろうな」

 

「ほう」

 

「もちろん念も使える。けど、それ以上に厄介なんはボスの娘でデッカイ街を牛耳っとるだけあって、末端のチンピラまで含めると部下の数が半端ないねん。まさに『蜘蛛の巣』みたいに情報網が敷かれとる。首都に入ったら、まず逃げ場はない。故に【アラクネー】っちゅう二つ名がついた」

 

 サヘルタ合衆国内のマフィアにもかなり顔が利くので、マフィアがいる土地では恐ろしい組織力を発揮する。

 ちなみに今回のヨークシンの地下競売には参加していなかったようだ。

 

「タラチュネラファミリーはマフィアンコミュニティーには入っとらん。まぁ、国王と裏で通じとるしな。十老頭と肩を並べられるだけの力がある。……もしかしたら、今回で十老頭になるかもな」

 

「そんな奴が何でラミナの情報を?」

 

「……ん~……マフィアンコミュニティーにでも泣きつかれたか? タラチュネラファミリーは流星街とも繋がりはないし、うちや旅団を狙って流星街との関係がこじれようが大した問題やないっちゅうことやろ」

 

「連中からすればマフィアンコミュニティーに貸しを作るいい機会ってことか」

 

「やろなぁ。ん~……どうしたもんか……」

 

 ラミナは悩まし気に腕を組む。

 マフィアンコミュニティーも間違いなく情報収集に動いてるはずだ。

 その子飼いの情報屋も動いている可能性が高い。

 

「東に行けば、嫌でも相手せなあかんな」

 

「南に下って、海で大回りするか?」

 

「……船やと逃げ場がない。流石にここから海出るまでバレんっちゅうのは楽観的すぎるやろ」

 

「港なんて絶対マフィアがいるよね?」

 

「おるやろな~。はぁ~……どっちにしろ潰さんと厄介事になるか……」

 

 ラミナはため息を吐く。

 とりあえず、方針を決めたクロロ達は車に戻る。

 

 ラミナの情報に賞金が出てるとなると、下手にホテルに泊まれなくなったのもある。

 今回はクロロが運転席に座り、車を走らせる。

 ラミナは上着を脱いでタンクトップ姿になり、ソファに座る。

 

「アラクネーとの戦いの間は、ゾルディック家にクロロの護衛を頼むか……。その前にどっかで仕事引き受けとくか……」

 

「ボクじゃダメなの?」

 

「ん? お前もうちと一緒に戦わせるつもりやけど?」

 

「え?」

 

「流石にアラクネーを相手にしながら、他の雑魚の相手は面倒やからな。お前の相手には丁度ええやろ」

 

 ソファに寝転がって携帯を弄りながら、カルトに言うラミナ。

 なんだかんだで2週間以上鍛えてきたのだ。

 カルトもめげずに真面目に修行を続けてきたので、そこそこ実力は伸びてきている。

 

 もちろん、まだまだ旅団レベルには程遠いが。

 それでも流石はゾルディックの子。

 教えたことは、しっかりと吸収して自分の力にしていっていた。

 

 今ならばヨークシンで見た当時のゴン相手でも、1対1ならば問題なく勝てるだろうとラミナは考えている。

 キルアは本気になられたら少しまだ厳しいかもしれないが。

 

 なので、ここで一度実戦を経験させてやりたいと思っていたのだ。

 

「コキシメに着く前に、どっかで1回仕事やらせてもらおか~っとな」

 

 ラミナは携帯を操作し終えてポケットに仕舞う。

 カルトは首を傾げて、

 

「もしかして、お父様?」

 

「いんや、ゼノ爺」

 

「……なんでお爺様に?」

 

「シルバが苦手やから」

 

「……」

 

 ラミナがゾルディック家で一番仲が良いのがゼノだ。滞在時よく組み手したり、茶を飲んでいたこともあるので尚更だ。

 シルバのことは、イルミやキキョウほど嫌ってもいないが元々寡黙であり、滞在時はほとんど関わっていない。そのせいか、襲撃されたり、この前威圧されたこともあって、妙に苦手意識を覚えてしまったのだ。

 

 それとシルバに直接連絡すると、キキョウが出てきそうな気がしてたまらない。

 

「お母様はそんなに酷い人じゃないよ?」

 

「いきなり人の飯に毒を仕込んだ奴が?」

 

「それは……うちじゃ殺し屋を名乗るなら毒は対処できて当然だし……」

 

「それを初対面の人間にやるか? しかも、旦那である当主に黙って」

 

「……お母様だから……」

 

「説得力ないぞ、オイ」

 

 ラミナはジト目を向け、カルトは顔を背ける。

 クロロは笑みを浮かべて、

 

「ゾルディックの奥方はどんな人だったんだ?」

 

「さぁ? うちはその毒料理のせいで接近禁止になったから会うてないわ。あぁ……でも流星街出身らしいで?」

 

「え!?」

 

 カルトは目を見開く。

 キルアもそうだが、カルトも母親の出身は聞いたことはなかったのだ。

 ラミナは苦笑しながら、

 

「まぁ、家族連れで里帰りするところやないしなぁ」

 

「そうだな。むしろ悪影響かもな。ゾルディック家はどうか分からんが。まぁ、流星街出身なら、常識を求めるのは無理じゃないか?」

 

「……まぁ、なぁ……」

 

 自分達も常識から外れている自覚はあるので、キキョウのことをあまりとやかく言えない。

 しかし、苦手なものは苦手なので、そこを譲る気はない。

 

 すると、ラミナの携帯が鳴る。

 

「お! 早いな」

 

 ラミナは携帯を開き、中を読む。

 

「……クロロ。明日、次の街で停まる。そこで仕事受けるわ」

 

「ああ」

 

「カルト、次の仕事は念を使ってええで。ただし、基本あの紙吹雪はなしな。覚えた体術と扇子での攻撃がメインな」

 

「分かった」

 

 ラミナの言葉に頷くクロロとカルト。

 と言っても、すでに夜になってきているので、今日はどこかの駐車場で泊まることになる。

 

 ラミナはソファから起き上がって、欠伸をしながら伸びをする。

 

「ふわぁ~……! さぁて、晩飯どないしょ~?」

 

 冷蔵庫を開けて、中の食材を確認するラミナ。

 もちろん料理はラミナが担当している。

 

「ん~……ミンチカツ、ハンバーグ、麻婆豆腐、酢豚……」

 

「ハンバーグ……!」

 

 カルトが目をキラキラさせて、ラミナを見つめている。

 ラミナはジト目を向けて、

 

「……ガキ。……って、ガキやったな」

 

「なっ……!?」

 

「ふふっ……。ラミナ、俺もハンバーグが良いな。シチューソースがいい」

 

 カルトは目を見開いて、すぐに眉を顰めて顔を背ける。

 それにクロロが運転しながら笑い、カルトを庇っているのか、揶揄っているのか分からないが、オーダーを告げる。

 ラミナはそれに呆れながら、

 

「まぁ、ええけど……。カルトはチーズかけたろか? それとも目玉焼き?」

 

「どっちでもいいよ! …………けど、チーズの方が好き」

 

「くくく! はいよ」

 

「……」

 

 カルトは顔を真っ赤にして震えている。

 

 ラミナはそれ以上揶揄うことはせずに、準備を始めていく。

 クロロは車を休憩所の駐車場に停める。

 

「酒は自分で用意しぃや」

 

「分かってるさ」

 

 クロロは苦笑しながら、グラス2つと赤ワインを取り出す。

 カルトも自分でコップと飲み物を取り出して、テーブル側のソファに座る。

 

 ラミナは手早く調理を進めていく。

 カルトはラミナの調理を興味津々な目で見つめ、漂ってくる匂いに明らかにウズウズしていた。

 

「ふっ」

 

「っ! ……な、なにさ?」

 

「いや。やはり子供というのは、人が料理をしているのを見るのが好きなのだなと思ってな」

 

「なっ……!?」

 

「流星街にいた頃も、よくラミナが料理をしていると子供が覗き込んでいたな」

 

「あれは隙あらば横取りする気やっただけやろ」

 

「そうか? ウボォーやコルトピ、シズクは後ろでずっと覗き込んでたじゃないか」

 

「オイ。シズクやコルはともかく、ウボォーは止めとけや。まぁ、一番つまみ食いして、一番ぶん殴った記憶あるけど」

 

 ラミナは手を止めずに呆れるように言う。

 クロロは笑いながら、ワインを傾ける。

 

「婚約者にも食べさせたのか?」

 

「アホ言え。家やこんな状況やなかったら、料理なんぞするかい」

 

「じゃあ、カルトの兄はラミナが家庭的なことは知らないのか……」

 

「知らんやろうな」

 

「カルトは家の者から聞いてなかったのか?」

 

「ううん。家にいた時はボクも会わなかったし、お爺様からは組み手やお茶したくらいしか聞いてない」

 

「そら、組み手とお茶しかしとらんしな」

 

 ラミナは苦笑しながら、用意が出来ていたサラダを2人の前に出す。

 そして、直後ハンバーグを焼き始め、シチューソースを完成させる。

 地味に炊飯器が置かれており、ラミナは皿に白米を乗せる。続いて、パンも数個取り出して皿に乗せる。

 

 ライスをクロロの前に、パンをカルトの前に置く。

 この2週間でカルトの好みも理解し、カルトもラミナがそこまで気配りしてくれることを理解しているので、もう驚かない。

 ちなみにカルトは白米が嫌いなわけではなく、『洋食にはパン、和食には白米』というスタイルらしい。

 そして、ハンバーグも完成し、蕩けたチーズが乗っているハンバーグ2つをカルトの前に置き、シチューに浸かったハンバーグをクロロの前に置く。

 

「ほい」

 

「「いただきます」」

 

 クロロとカルトは早速ナイフとフォークを手にして食べ始め、ラミナもクロロと同じメニューをテーブルに並べて食べ始める。

 

「明日、食材買い足さんとなぁ……」

 

「俺が行こうか? アラクネーとか言う奴に見つかるかもしれんしな」

 

「ほな、メモでも書いとこか。……食材とか分かるんか?」

 

「分からなければ店員に聞くさ」

 

「変な食材買わされんようにせぇよ?」

 

「多分な」

 

 クロロは肩を竦めて、ワインを飲む。

 ラミナはジト目を向けながら、小さくため息を吐いてワインを飲む。

 

「流星街におった頃、お前ら時々珍しい食材を見つけては持ってきて、無茶振りしてきよったからなぁ。信頼出来んわぁ~」

 

「そうだったか?」

 

「コラおい。お前は見たこともない魚一尾だけ持ってきて、『テンプラに出来るか?』とか言うてきたことあるぞ。しかも、テンプラがどんな料理かも教えずにや。聞いたら『知らん。美味いとだけ聞いた』とかぬかしよったんやぞ」

 

「……あぁ。あったな、そんなこと」

 

「そのせいでマチ姉に『ちゃんと調べといで』とか言われて家から放り出されたし、ノブナガに意味分からんハイテンションで連れ回されたし。散々やったわ。まぁ、ジャポン料理やったから、ノブナガが妙に張り切っとった理由は分かったけど」

 

 ラミナはうんざりした顔でハンバーグを食べる。

 

「まぁ、そのおかげで料理は上手くなったじゃないか」

 

「誰も料理人なんぞ目指しとらんっちゅうねん」

 

「マチから聞いたが、美食ハンターと仲良くなったんだろ? 仕事も一緒にしたそうじゃないか」

 

「密猟者の摘発やけどな。そいつのフルコースは食べさせてもろてないし」

 

「試験官だったのか?」

 

「そ。スシなんぞ試験にしとったわ。うちはノブナガのおかげで知っとったけど。キルア達は苦労しとったな。料理なんぞしたことないやろうし」

 

「俺やシャルもその試験だったら落ちてたな」

 

「流石に会長の爺も出てきたわ。出て来てなかったら、ヒソカにイルミも暴れとったやろ~な~」

 

「イルミ兄さんが料理……」

 

「似合わんよな。焼き鳥とかなら完璧かもしれんけど」

 

「……」

 

 カルトは何故か屋台で焼き鳥を串に刺して焼いているイルミの姿を想像してしまい、噴き出しそうになって口を手で押さえる。

 ラミナはそれに苦笑して、

 

「クロロやマチ姉達もそうやけど、イルミやキルアも恐ろしいほどに料理するイメージが似合わんなぁ」

 

「全くだな」

 

「包丁で食材を生きたまま切り刻むのは想像出来るね」

 

「それはただの虐殺か狩りや」

 

 ラミナは呆れながら、ハンバーグを食べ終える。

 食器や皿を片付けて、カルトには羊羹、クロロにはチーズのつまみを出す。

 羊羹はゾルディック家が運んで来たものだ。

 

「お酒って美味しいの?」

 

「人によるな」

 

「紅茶派やコーヒー派とかと大して変わらんやろ。別に酒やからとか、気にせんでええと思うで?」

 

「ふぅん」

 

「苦味や酸味が苦手やったら、まだ止めとき」

 

「分かってるよ。別に飲みたいとは思わないし」

 

 カルトはそう言いながら、羊羹を食べる。

 洗い物を終えたラミナは、ソファに座ってワインをグラスに注ぐ。

 

「それにしても、ゲームの島に何があるんやろなぁ」

 

「ゲームのアイテムが除念出来るものなのか、ゲームに除念師がいるのか、だな」

 

「やっぱりゲームを探した方が早いんじゃないの?」

 

「まだ何とも言えんな。今の俺は念を使えないから、そのゲームが出来ない。もしゲーム内のアイテムが目当てのものなら、結局どうにかして潜り込む必要がある」

 

「マチ姉達にはどうする?」

 

「確信出来てから連絡しよう。まだ本当に島があるかどうかも分からないしな」

 

「確かにな」

 

「まずはアラクネーの排除。そして、島を探し出すことに集中だ」

 

「「了解」」

 

 方針を改めて決めたクロロ達は、今日はもう寝ることにした。

 

 ラミナとカルトがベッド。

 クロロがソファで寝る。

 

 クロロとラミナは交代でベッドとソファで寝ている。

 カルトは特訓などもあり、更にやはり子供ということもあり、ベッドを使わせていた。

 

 

 少しずつだが目的に近づいているのを、クロロ達は確かに感じながら、眠りにつくのだった。

 

 




ええ……もう親子ですねw
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