ハイスクールD×D〜切札の赤龍帝〜   作:眼鏡熊@ヒロアカ完走

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遅れてごめんなさい


外法の魔術と四凶の檮杌 中編

敵の処理が終わった為、そのまま追いかけに行く。すると、

 

「ーーー!?」

 

5階の方から不自然な気配(オーラ)の高まりを感じた。

 

「なんだ、これ?烏天狗?鬼?いや、んん???」

 

なんだ、この、混ぜ物のような、そうでないような⋯?

 

ーーーー

 

ところ変わって5階。

 

 

鳶雄達は童門に拘束されていた。

 

「ちょうど、この場に君と縁のある者を連れていたようだ。後方にいる者は前に出なさい」

 

そこには、鳶雄の友人がいた。

 

「⋯佐々木?」

 

昨日魔方陣に飛ばされた友人がここに居た。

 

「昨日、1度君に倒された子だねぇ。けれど、こちらの技術で分身体を再生できる場合もあるのさ」

 

「やめろ!佐々木!俺だよ、幾瀬だよ!」

 

鳶雄は呼び掛けを必死にかけるがーーーー

 

「無駄だぜ。こいつらを操ってるヤツらを叩かない限りは、襲いかかってきやがるのをやめやしない」

 

童門はこちらの反応を楽しみにつつ、佐々木の首を掴み、子犬の頭の刃に詰め寄らせる。

 

「まだ、ヒトを斬ってはいないのだろう?『四凶』とされる君達の神器がヒトの血を覚えた時何が起こるかーーーー実に興味深いとは思わないかな?」

 

「ッッ!!てめえ、卑怯にも程があんだろうが⋯!」

 

それに対し童門は

 

「何を言っている?元はと言えば君達があの豪華客船に乗らなかったのが悪いのだ。それを隠蔽した黒き翼の者達には是非とも文句を言いたいものだが⋯」

 

などと、愚痴を続けていく。そこで一転し苦笑する。

 

「いや、だからこそ神の子を見張る者達(グリゴリ)と呼ばれるのだろうか。神器は神からの贈り物とされるからね」

 

佐々木がこちらに視線を送り、口を動かす。

 

「うらぎりもの」

「佐々木⋯」

 

そうだ。自分は裏切り者なのだろう。あの旅行に参加せず、彼らを巻き込んだ。こんな理不尽なまでに異常な事態に投げ込まれ、化け物の主として級友と戦うよう仕向けられた。

これが裏切り以外のなんだというのだ⋯!?

ふいに鳶雄の脳裏に旅行前の佐々木との会話が蘇る。

放課後、帰り道で佐々木は気恥しそうに言った。

『なあ、幾瀬。俺な、今度の旅行でC組の室瀬にコクろうと思ってんだ⋯』

佐々木は事ある事に室瀬のことを口にしていた。恋路に疎い鳶雄でも、佐々木が彼女に恋しているのぐらいは知りえていた。佐々木は鳶雄の背中をばんばんと叩く。

『もし、もしもさ、玉砕したらその時はあっちで慰めてくれよ!頼むぜ!』

普通の学生だ。佐々木は普通の高校生だ。

勉強して、運動して、笑って、怒って、泣いて、恋する。どこにでもいる普通の男子高校生だ。

 

童門が子犬の刃に佐々木を近づけていく中、佐々木はくぐもった声を発する。

 

「⋯い⋯いくせ⋯」

 

ーーー、自分の、名前?

 

佐々木は無表情のまま。泣いていた。

 

「たす⋯けて⋯」

 

思わず、泣きそうになった。ウツセミであるはずなのに、俺の名前を呼んでくれた、救いを求めてくれた。

 

「これは⋯素晴らしい!」

 

うるさい。黙れ。よくも、俺の友人を⋯!親友を!

 

「まだ意識があるのか!興味深い!彼らを捉えたらーーー」

「⋯れよ」

「ん?なんだい?」

「黙れよ。屑」

「なんだい?いきなり。そもそも君達があの時に参加しなかったのが悪いんじゃないか。ああ、そういえば、君は『幾瀬』か、確か東城紗枝と懇意にしていたというデータがあったねえ。いいだろう。会わせてあげよう。彼女も良いウツセミになってるよ。ああ!思い出した!」

 

紗枝、紗枝が良いウツセミ⋯!?

 

「彼女は実験中いつも『とびお、とびお』とうわ言のように呟いていたよ。ああ。君のことだったか」

 

瞬間、俺の中で『何か』がトんだ。

 

殺意が渦巻く。怒りか迸る。ああ、もうダメだ。俺はこいつを赦せない。

 

あいつが何かを口走っている。聞こえない。聞くつもりにもなれない。

 

こいつが許せない。人の思いを、尊厳を、全てを踏み躙る醜悪な愚物を、何をもって許すというのか。

 

気づけば、心の限りに叫んでいた。

 

「俺に力を貸せェエエエエエエエエ!!お前は《刃》なんだろォオオオオオオオオオオッ!!!!」

 

そうして、体の裡から吹き上がるような力と共に、影から、刃から、歪なる《刃》が突き出る。その刃はウツセミを残さず切り刻み、その残滓を残すことも赦さない。

 

「影からの刃!?なんだ、これは、『四凶』!?いや、そんなものでは無い!これは、最早ーーー!!!」

 

「去ね」

 

そのまま、刃が童門(クズ)の右手を斬り落とす。

 

「ギィアアアア!?」

「叫ぶな」

 

耳に障る破れ鐘の音を遮るように、第2の刃を右太腿に刺す。態とより歪に、刃毀れさせながら創った刃だ。

 

「ア゛ア゛「叫ぶなと言っただろうが」」

 

第3の刃が、童門(クズ)の顎を撃ち抜く。態と鈍に、そして先を尖らせずに創った刃は鋭い刃とはまた違う苦痛を与えた

 

「ゴ⋯ア⋯!貴様ァ!許さん、許さんぞ!来い!『星熊天狗』!!!」

 

瞬間、少女が召喚された。

 

「呼出に応え、推参しました。命令を、主」

 

その少女は異質だった。鬼のような角に、白い髪と赤い瞳、そして白い鳥の翼。その少女は一切の感情を抜き取ったような声で話している。

 

「あそこの『狗』使いを行動不能にしろ!」

「諾」

 

少女は俺に斬りかかってくる。が

俺は刃を出現させ、足止めしつつ。

 

「あがああああ!?」

 

細かい針のような刃を童門(クズ)に刺す。

 

「うぐううううう!?何をやっている星熊ァ!早く殺せ!使えぬ塵め!早く『忌手化(フォビドゥン・ブレイク)』しろ!」

「はっ。『忌手化(フォビドゥン・ブレイク)』」

 

瞬間、異質なオーラか周囲を包む。なにか、合わさらないふたつが合わさったような。気持ちの悪い感覚。言葉に表せない、醜悪な『ナニカ』。その澱んだ黒い、瘴気にも似たオーラは、少女を包み、少女を少女ではない『ナニカ』に変質させる

 

『ッーーーーガァアアアアアア!!!』

 

黒いオーラが晴れると、そこには、怪物がいた。

 

灰色の翼、赤く長く、太い鬼の1本角。白目が黒く反転し、赤い瞳の瞳孔は縦に割れている。黒いオーラは鎧のように少女の各部に取り付けられ、右手には黒く侵食された剣が現れている。

 

「ふっ、ふはははは!どうだ!我らが研究!人に取り付けることで人を変質させながら式神とする術!呪器(カースド・ギア)!いくら化け物とはこれには勝てまい!」

 

おい、まて。こいつは今、なんと言ったーーー?

 

「おい。童門(クズ)今、なんと言った。人を式神にって言ったか?」

「は?ああ。言ったが?」

「何故した?なんで、こんな事が出来る。あの子はまだ幼いだろう!?」

「何を言ってるんだ、お前は?」

 

心底分からない。という顔で宣う童門(クズ)はこう続けた。

 

「あいつはアルビ二ズムの烏天狗の半妖。忌み子として捨てられ、のたれ死ぬところを私達が保護してやった。であれば、()()使()()()()()()()()()だろう」

「ーーーそうか、もういい。話すな」

 

返しの着いた刃を、童門(クズ)の顎に突き刺し、口を開けなくした。

 

「ぐぶぅ!?」

 

主に危害を加えた事で、少女ーーーであったものが俺に襲いかかる。

 

「速っ」

 

刃が俺の眼前に迫りーーー

 

突き刺さーーーー

 

解放(エーミッタム)雷の斧(ディオス・テュコス)

 

る前に、雷が迸り、少女であったものを吹き飛ばした。

 

「変なオーラが気になって急いでみれば⋯随分苛つく事態になってますね⋯鳶雄さん。あの娘は任せてください」

 

まるで、ヒーローのように。頼りになる少年が降り立った。

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