紅蓮の流星記   作:夢雨麻

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どうも、いつも読んでくださっている方はおはよう、こんにちわ、こんばんわ。
初めての方は初めまして。
おやすみからおはようまでを見守る、夢雨麻です。
初回から長文なので、読む気が失せるかもしれませんが、最後まで読んでください。


第一記

『誠に………ですが、………した』

 

『そんな………?どうして………すか!?』

 

『我々も………、それでも………できず………ました』

 

 

 あぁ、夢か。何回目だろうか、この夢も。

 夢は記憶に残らない、なんて言うが、こう何回も見せられたら嫌でも覚えちまう。

 そもそも、本当にあったことなんだからな。

 赫宮双葉(あかみやふたば)………、ソレが俺の名前。

 俺には兄がいる。いや、正確には兄が「いた」、だろうか。

 その兄の名前は赫宮双司(あかみやそうじ)、俺と同じ『双』の字が名前に入っている。けれど、もういない。

 この世には、俺の大好きな兄はもういない。

 

 

        ○  ○  ○

 

 

 ピッピッピッピッ─────

 

 目覚まし時計の音で目を覚ました。外からは気持ちのいい陽光が漏れ入ってきている。

 現在時刻、六時半。二階建ての一軒家、一階ではすでに母が朝食を作り終えている頃だろう。

 まだ肌寒いため、布団の恩恵から抜け出すことに躊躇するが、本日は待ちに待った高校入試のため、抜け出さざるをえない。

 部屋を出て、一階にある洗面所へ向かい寝癖やらを解かす。

 その後、制服に着替えて入試に持っていく物のチェックをする。

 鉛筆は削ってあるか、不要な物は持っていないか、受験校までの運賃や時間表を再度確認し、財布に必要な分だけのお金を入れてしっかり鞄にしまう。

 二、三度確認して、漸く一息。

 トーストを一口かじり、再び二階へ上がる。妹の部屋の前で立ち止まり、ノックをする。

 返事がなかったため、部屋に入ると前方から衝撃。

 ぐふっ、と息を吐き出しながら被疑者を視認。

 

「おっはよー!お兄たま!」

 

 今日も元気にガンバロー!、などと騒いでいる。

 

「おう、おはよ。あと、まだ朝だからな」

 

 冷静にツッコム。この妹様はいつでも無邪気である。

 小学五年生のお兄ちゃんっ子だ。

 そんな妹は俺の忠告も聞かず、騒ぎ続ける。

 

「お兄たま、今日はお受験?お受験なの?の?」

 

 お兄たま、と呼ばれることに違和感を覚える人間は、多数いると思う。俺だって初めはそうだった。

 ただ、慣れとは恐ろしいものである。

 子供の頃からお兄たまと呼ばれ続ければ、注意する気も失せる。

 

「あぁ、そうだよ。今日は受験だ。ちなみに、まだ朝だぞ」

 

 二度目の注意。

 しかし、それを物ともせず騒ぎ続ける妹。

 

「うわぁー!すごいすごぉーい!!」

 

 お兄たまおっとなー!、と何を判断基準にしているのかわからないが大人認定されたところで、一階から鬼の声が聞こえる。

 

「こら!朝から騒いで、御近所に迷惑でしょ!!」

 

 鬼───もとい、母の怒号が響く。

 きっと、現在の母の顔はあの「般若」すら逃げ出す顔をしているだろう。

 そんな地獄に、妹を生け贄として召喚(墓地送り)する。

 えっ、と驚いた顔で階段から滑り落ちる妹。

 何者かの手が妹を部屋に引き込み数秒、突如として妹の叫び声が家中に、下手したら近所の家にまで響く。

 ふぅ、と一息つく。

 

「をゐ、赦されたつもりか?」

 

 一息ついて、ひと思いにやられた。何これ、すっげぇ痛い。グーで殴らなくてもよくないか?

 

「ったく、琉香(りゅか)もお兄ちゃんの邪魔をしないの!双葉も妹で遊ばない!」

 

 はーい、と適当に返事をしておく。

 とりあえず、今は受験に向けての最終チェックをしたいので、資料を手に取る。

 

「んー?イマイチわからんなー」

 

 苦手な数学で引っかかった。主要五教科で唯一苦手な数学を猛勉強したにもかかわらず、全然わからない。

 すると、隣から覗き込んだ琉香が言った。

 

「ふむふむ、三平方の定理を使えばこのxが出てくるよ!」

 

 そんなのもわからないの?大人じゃないなぁー、そう言ってトーストを食べ始めた琉香。何を隠そう、小学五年生にして大学入試レベルの問題を簡単に解いてしまうのが、この琉香である。

 この間なんか某有名大学教授の出した定理に対し、完全に論破するということがあった。

 生のテレビ番組中に電話凸して、小学五年生に論破されたとあったから、その大学教授さんは涙目であった。

 時々、自分の妹じゃないんじゃないかと疑ってしまう。

 そんなことをしてるうちに家を出る時間になった。

 

「そろそろ行くわ」

 

「そう、頑張ってきてね」

 

「お兄たま、頑張ってねー!」

 

「おう、頑張ってくる」

 

 そう言って、家を出ようとする。

 が、母に止められた。

 

「双葉。これ、持って行きなさい」

 

 そういって渡されたのは、兄が常に持ち歩いていた御守り。

 その御守りを、グッ、と握り締めた。

 

「ソレを持ってれば、お兄ちゃんも………、双司も双葉を応援してくれるわ」

 

「………あぁ、行ってくる」

 

 先程よりも力が籠もった、大好きな兄の力も加わった、そんな気がする。

 家を出て、数歩歩く。そして、ぽつり、と呟く。

 

「俺は、家族を護る。兄ちゃんとは違う道を歩むけど、別の方法で二人を護る」

 

 はっきりと、自分の意志を呟く。

 

 

「見ててくれ。俺は絶対に、二人を笑顔にする………!」

 

 

 

 

 

     ○  ●  ○  ●  ○

 

 

 

 

 

 バスターミナルに付いた。そこからバスに乗り、千花県立(ちばなけんりつ) 緑ノ丘高等学校 (みどりのおかこうとうがっこう)へと向かう。

 その時、ちらりと視界に入ったのは帝国軍立龍駆堂学院(ていこくぐんりつりょうかどうがくいん)へと向かう専用バス。

 十人十色の様々な人が乗り込んでいる。

 あそこに通えば、将来はエスカレーター式で軍に入り、初めから部下がつく。

 通いながらお金も貰える。そのため、通おうと思う学生は多いらしい。

 

「………まぁ、兄ちゃんみたいにならないことを祈っといてやる」

 

 今日はよく呟く日だな、とまた呟きバスに乗り込む。

 少しして、バスが出発する。

 今のうちに、世界史の復習でもすることにした。

 

 

        ○  ○  ○

 

 

 この世界には、大きく分けて二つの「国家」が存在する。一つは、自分たちの住んでいる大日帝国。もう一つは、大日帝国と対立しているヒルド皇国。

 大日帝国とヒルド皇国が対立したのは遥か昔のこと。

 昔は200近くの「国」があったとされているが、ある時『憲法で戦力を保持することを認められていない国』が隣国に攻撃を加えられる、国家的事件が発生した。

 それに対し、その国を味方する国もあったが、この事件を期に、約100近くの国がその国に対する攻撃を始めた。

 一つの国は、軍事力を持ってして制圧をしようとした。一つの国は、自然資源の輸出を断つことにより、内部崩壊を目論だ。一つの国は、ある島の住民を全員殺害することにより、精神的恐怖を与えて怯えさせようとした。

 しかし、ありとあらゆる攻撃に対しその国を護ろうとする力があった。

 その国は、軍事力を持って制圧を行おうとした国にスパイを送り込み、計画を外部へ漏らし、破綻させた。その国は、新たに発見された自然資源によって内部崩壊を防いだ。その国は、島民虐殺計画にいち早く気付き、その島に精鋭部隊を送り込み、未然に防いだ。

 そして、大きな二つの勢力に別れることになった。

 攻撃を行おうとした勢力が『皇国』となり、攻撃を受けた国とそれを護ろうとする勢力が『帝国』となった。

 この出来事は、今からおよそ700年前のこと。

 それから、この二つの勢力は今でも争いを続けている。

 そして、帝国側の争いを行う軍を『大日帝国霊鬼軍(だいにちていこくりょうきぐん)』と呼び、皇国側の争いを行う軍を『ヒルド皇国騎兵軍(ヒルドこうこくきへいぐん)』と呼ぶ。

 両軍とも戦力に差はなく、拮抗しているため、現在は緊張状態が続いている。

 そして、両国ともこの時期は将来の国を決める受験が行われる日と制定されているため、攻撃の一切を禁止し、もし破った場合は中立国の判断によって処罰が決められる。

 中立国について、現在最も力のあるののは『東南ヨーロリア中立国』である。

 中立国というのは、戦争に加担せず、云わば審判のような役目を持つ。

 そのため、中立国への攻撃及び、命令無視などをした場合、中立国のみが所持する荷電粒子砲『裁きの鉄槌(ジャッジメント・ハンマー)』によって粛清を行う。

 

 

        ○  ○  ○

 

 

 復習しているうちに試験会場へ着いたようだ。

 大勢の学生が入り乱れる。

 試験会場は幾つかの学校が一つの会場を使用する。そのため、時々試験を行う部屋を間違えたり、迷ってしまったりする学生もいるらしい。

 俺は間違えないようにしっかりと確認する。そして見つけた。

 再度、しっかり確認をしてから入室をする。

 会場前に立っていた教師が、おぉ、と感嘆の息を吐いていた。

 理由がわからず首を傾げていると、一人の学生がその教師に近付いてこう問いかけた。

 

「あの、ここは緑ノ丘高等学校の会場で間違いないでしょうか?」

 

「はい、そうですよ」

 

 そう返事をした。その時の教師の表情は苦笑いであった。

 つまり、会場の確認を自分で行った人がいて珍しいと思ったのだろう。

 それよりも、と自分の席へと急ぐ。

 あとは受験開始まで待つだけだ。

 

「さてと、頭の中で最終調整と行くか………」




どうでしたか?
思いつきで設定を考えたので矛盾する点がでてくるかもしれませんがこれからも宜しくお願いします。

あと、感想ください。
批評でもかまいません。
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