CEOブラック鎮守府再建計画   作:のり塩ぽてち

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 チョコ食べてシゲル色★




【閑話】始まりの『電』

 

 私達の提督、CEOは本当に不思議な人です。

 

 彼と出会ったのは寒さが本格的に増してきた初雪の降る街角。

 

 その日、電はあの忌まわしきニンゲンに近くにある怖い人がたくさんいる事務所へとアタッシュケースを届ける仕事を任され、寒さと空腹に耐えながらも渡し終えて帰る途中だったのです。日々燃費の良い駆逐艦を酷使し行われる、妖精さんが住まう孤島への資材採取で遠征をこなさないと私達には食事はもらえません。

 その日は午前中に体調を崩していて、ふらふらになりながらもなんとかみんなが待つ鎮守府まで後少しといったところで力尽きてしまいました。

 

 命令された大型艦の艦娘達によって近隣の住民は謂れのない冤罪をきせられ財産を押収される様を電は何人も見てきたのです。そんな『危険な兵器』に向かって優しくしようとしてくれる人たちはいません。

 このまま力尽きればあの鎮守府の憲兵がやってきて電は解体されてしまう、と思ったその時に肩に手が置かれて優しく声を掛けてくれたのです。

 

 感じたのは今思えば気の所為だったと思うのですが、私達は稀に近くに艦娘がいると同じ艦娘同士でテレパシーのようなものを感じることがあるのです。

 その時はそれを感じ、でも聞こえてくるのは低音の男性の声という事実にパニックに陥ったのです。・・・とっさにお腹が空いたと言ってしまったのは今でも恥ずかしい思い出なのです。

 

 お姫様抱っこという女の子の憧れをしてもらい、ずっと紳士的に対応してくれた彼との時間はヤツラのことを少しの間でも忘れさせてくれる幸せな時間でした。その幸せな時間を感じてしまって、今も鎮守府にいるみんなのことを思い出して号泣してしまったのです。

 

 その後は纏まらない頭の中で早く戻らないとという気持ちでいっぱいでした。

 もらえないと言っても手にお金を握らされ、早く帰らないとと思う気持ちで受け取ったお札を握りしめて走って帰ったのです。

 そのお金はいつも庇ってくれる金剛に何があったかを話して渡したのです。そのせいであだ名が広まっちゃいましたけど。

 

 

 

 

 それからも辛い日々は続いたのです。だけど電達、第六駆逐隊は少しだけ光がある日々に変わりました。

 

「電!また『5万円お兄さん』の話してもらっていいかしら、立派なレディーになったら電がお世話になったことをお礼しに行かなくちゃ!」

 

 暁ちゃんは響ちゃんが落ち込んでる時によく出会った時の話しを聞いてきたのです。自分だって辛いはずなのにいつも歯を食いしばって夜にすすり泣く声が聞こえてきていたのです。誰かが連れて行かれそうな時は真っ先に自分のことを盾にして守ってくれるのです。

 響ちゃんはその容姿が気に入られていたのかよくボロボロになって帰ってきて、いつからかしゃべることも無くなりました。遠征の時は怒りをぶつけるように誰よりも深海棲艦を倒していたのです。

 

「憧れのお兄さんにまた会うんでしょ!?だから諦めちゃ駄目なんだから、だって、わ、私がいるじゃない!電と私は何があってもずっと一緒よ!」

 

 辛いことがあってもいつも隣りにいて励ましてくれる雷ちゃん。夜は一緒にいれる日は2人で抱き合って泣きながら眠っていたのです。

 

 『いつかみんなであの人に会えることを信じて』『いつかみんなであの人にお礼を言いに行こうと』いつか・・・いつか・・・と。

 

 

 

 そして電達にとっての運命が近付いてきたのです。

 

 4人でいつものように呼び出される恐怖を感じていると外が騒がしくなり、憲兵のお姉さん達が声を張り上げて保護をしにきたと外で叫んでいるのです。

 暁ちゃんが恐る恐る扉を開き、外からの光が入ってくるとやさしそうなお姉さんに抱き上げられて外のテントに連れて行かれたのです。そこからはあまりよく覚えてないのです。

 

 気付けば病室のベットで寝かされていて、周りを見渡せば第六駆逐隊のみんながそれぞれのベットで眠っていました。電が起きたことに気が付いた白衣のお姉さんからの問診を受けて、みんなそろって食事をいただきました。そのときに初めてプリンという食べ物を食べて、みんなの好物になったのです。

 それからはリハビリをこなす日々が続き、欠けていた一般常識などをお姉さんたちに教えてもらいながら過ごしました。

 

 『5万円お兄さん』に会いたい一心でリハビリをこなす第六駆逐隊は他の艦娘に比べて回復が早かったらしいのです。

 そしてついにお医者さん同伴のもと、男性がお見舞いにくると聞いて電たちは身構えました。聞けばあの地獄から救い出すのを主導してくれたのはとある大企業のCEOで、憲兵の手配からこの病院の経営まで全てその人が手配してくれたと聞いて目を丸くしました。

 お医者さんも「ちなみに私もあの方には一生アタマが上がらない。いい人だから心配しないで?」と嬉しそうな顔で言っていたのです。

 

 

 

 しばらく待ってその人が入ってきたときに電は言葉を失ったのです。

 

 涙で視界がぼやけながら声にならない声をあげながらその人に抱きついたのです。

 

 そのずっと会いたかった『5万円お兄さん』は中性的な顔が柔らかく微笑んで、「おまたせ、ごめんね?遅くなったよ。」と言って抱きしめてくれたのです。

 

 

 

 それからはみんなにあの時のお兄さんだと紹介すると、雷ちゃんが「よかったね。」といいながら電を挟んでお兄さんに抱きついて「ありがとう、ありがとう。」と泣いていました。

 響ちゃんはお兄さんに横から抱きつき、静かに泣いていました。

 暁ちゃんは反対から抱きついて大声で泣きながらいろいろ言っていましたが、最後にハッキリと「5万円お兄さんありがどおぉぉ~。」と言った瞬間に病室内が凍りついたのです。

 

 お医者さんのお姉さんが「年間に何億も稼ぐCEOに向かって『5万円お兄さん』って・・・ぷふっ。」と笑いだしてからみんなでその時初めて心から笑ったのです。お兄さんが頬をかきながら苦笑し、暁ちゃんがキョトンとしながら笑うみんなの顔を交互に見つめ、雷ちゃんはお腹を抱えて笑っていました。そして響ちゃんの声を久しぶりに聞いたのです。嬉しくなって泣きながらまたみんなで笑いました。

 

 電はあの時のことは一生忘れないのです。

 

 それからは『暫定秘書官』という形で電たちに役職が与えられ、CEOのお仕事を手伝うことになったのです。

 電たちの最初の仕事は大阪鎮守府の艦娘たちがどんな人たちがいるのか伝えるお仕事でした。

 

 すぐに電たちはCEOの補佐のために、鎮守府に戻ることになりました。少しだけ憂鬱な気分になりながらも大阪鎮守府に戻ってくると、改築がいたるところですすめられ、もう電が知っている鎮守府では無くなっていたのです。

 そして嬉しいことに第六駆逐艦隊の満場一致で執務室の横に備え付けられたCEO専用のお部屋で寝泊まりするようになったのです。

 夜中に粗相をしてしまった暁ちゃんがCEOに頼んで2人でこっそりとシーツを変えていたり、暁ちゃんに抱きついてじゃないと眠れなかった響ちゃんはいつのまにかCEOに抱きついて眠るようになりました。

 雷ちゃんは何でもしてあげたい欲求が強くなりすぎて、CEOのお風呂まで付いていこうとしてしまって電たち全員で止めたのです。・・・今思えば止めなければよかったのです。

 

 電には不思議な事があるのです。

 

 ここにはたくさんの艦娘たちがいますが、ほとんどが男性を見て震えだしたり、悲鳴を上げたりするのは日常茶飯事でした。警戒しているのはわかるのですが、それでもそこまで拒否反応を示したり、ましてや悲鳴を上げたりする艦娘は誰ひとりとしていないのです。

 電たちなんて触れるのも嫌だったのに、今はCEOにもっと触れていたい、もっと撫でてほしいと思うようになったのです。

 

 あの温かい手があるだけで電たちはなんだって出来るのです。

 

 






 口調を真似るのすごい難しかったです。(これ以上無理)

 電ちゃんと雷ちゃんはヤンデレの素質があると思います。

 みなさんは第六駆逐艦隊の中ではどの子が好きでしょうか?

 ちなみにワタクシ、暁ちゃんが一番です。

 好きなんですが、ついギャグ枠にしてしまったのは愛故にと思ってください。

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