「ヒーローになってくれ!」
「はっ?ボケてんのかじじぃ。嫌に決まってんだろうが」
俺は今日死んだ。
理由は覚えていないが、気づいたら高校の京都の修学旅行の寺の絵で見た天国みたいなところにいた。
そして、目の前にいるのは腹まで伸びた白い髭を生やし、手には古びた棒切れのような杖を持ち、禿げた頭の上に漫画とかで見た金色の天使の輪をつけたじじぃ。
「えぇ?!なんでじゃ?!」
「当たり前だろ。ヒーローなんて自己犠牲のかたまりで、命懸けの仕事を無償で働いているイカれた奴らのことだろ?そんなの嫌に決まってんだろ」
うぐっと口ごもるじじぃ。
俺の言うことに一理あるのだろう。
「でも、でもじゃ!海外のヒーローはお金持ちだったりするじゃろ!お前さんも転生した先でそうなれかもしれんぞ!鋼鉄男やら、蝙蝠男のように!」
「さげなく日本以外のヒーローをディスってんじゃねえ。それにあのヒーローたちは、ヒーローやったから金持ちになったんじゃなくて、元から金持ちだからな。とにかくおれば嫌だからな。さっさと俺を地獄にでも、天国にでも、どっちでもいいから送ってくれよ」
「駄目じゃ!」
「あん?なんでだよ?」
なんだよ、こっちは地獄でもいいって妥協してやってんのによ。
「お前にこのまま地獄か、天国に行かれるとワシの神としての地位が危なくなるからじゃ!」
「てめえの都合かよ!」
「やかましいぞ!小僧めが!この地位にいくまで1000年かかったんじゃぞ、ワシは!それをくしゃみしたせいで、小僧一人死なせてしまったことがワシより階級の高い神にバレたらワシは研修生からやり直しになってしまうわい!」
「だから知らねえよ、テメエの事情なんか!というかお前のせいで死んだのかよ、俺!」
こんな自己中のじじぃのせいで死んだと思うと腹が立ってきて俺の口はどんどん悪くなってきた。
「だから、悪いと思って転生させてやると言うとるんじゃあ!はよ行かんか!」
じじぃが杖で床をコン!と叩くと俺の足元に黒い穴が現れた。
「うお、なんだこれ!?」
穴から伸びてくるのは血が通っていないように見えるほど白すぎる人間の無数の手。
俺の足を掴むと穴の中に引きずり込もうと引っ張る。
「ほっほっ。お前を案内してくれる可愛い天使たちじゃ」
「ふざけんじゃなえ!どうみても日本のホラー映画のヤベーイ!奴らの手だろこれ!」
俺は振りほどこうと暴れるが力が強く、振りほどくことができない。
「え?小僧。お前ヤベーイ!とかビルド好きなの?ワシはハザードよりスパークリングのほうが好きなんじゃ。基本フォームのラビタンをちょっと変えたような見た目なのに、なんなんじゃろうなあのかっこよさは」
「てめえの好きなライダーなんて知らねえし、誰もライダーの話とかしてねえから!というかマジで引きずりこまれる!」
「頑張るじゃぞ!」
「ふざけんな!お、おい…変なとこ掴むんじゃねえー!」
うまく投稿できてら嬉しいな